新聞やTVの記者は、以前よりもはるかに取材力が落ちているように思えてならない。
忙しいのは分かるが、それを理由にして質の低い報道で満足している観が否めない。現在、東京都を揺るがす豊洲の新市場の盛土問題は、未だに謎の部分が多く、隔靴掻痒の状態が続いている。
比較的、まともな取材と報道をしているのは、やはり週刊誌などの雑誌記者だ。地道に声を拾っていき、新聞TVが報じない、報じようとしない怪しい部分を取り上げている。
なぜか新聞、TVが取り上げたがらない、あの都政のドンこと内田氏に苛められて自殺した都議会議員の家族をまともに取材しているのは、雑誌記者だけに思えてならない。
実は他にも都政のドンに嫌われて議会から追われた人はいる。それも複数いるのだが、不思議なくらいマスコミは彼らを取材もしなければ、報道もしない。
いずれも公金の使途に疑問を持ち、それを都議会で発言した人たちだ。彼らの選挙区に、ライバル候補を送り込み、彼らを落選に追いやった時、都議会の議員のみならず、都庁の役人たちも喝采を上げたことを何故に取り上げない。何故に疑問を持たない、何故に取材しないのか。
今頃になって、共産党やら旧・民主党が追及するふりしているけど、あんたらもあの時喝采を上げた当事者だろう。主犯とは云わないが、黙って見て見ぬふりをしていた間接的な共犯者だと私は考えている。
TVや新聞でしか報道を見ない、読まない人は決して分からない。都政の闇は深く、その根は広がっている。はっきり言えば、一人の政治家だけではない。都庁の官僚とそのOB、天下る自治省を始めとした霞が関の魍魎たち。その周辺でおこぼれにあずかる政治業者とマスコミ業の輩。
ここ十数年、都議会に真の野党は存在しない。オール与党のなかで、安直な決議と法案通過がまかり通っていた。忘れちゃいけない、舛添前都知事の贅沢旅行が報じられるまで、リオ五輪の視察には、自公のみならず民進、共産までもが参加予定だったのだから。
果たして小池都知事がどこまで踏み込めるのか、私はいささか悲観的である。都政の闇はあまりに広く及んでいるので、全てを追求することは適うまい。それでも、少しはマシになるかもしれない。
ドラマみたいな劇的な結果は求めやしないが、少しでも過去の悪事が露呈して欲しいと私は切に願っています。