他人の不幸は蜜の味。
とりわけ写真が報道に使われるようになると、有名人の隠し事、秘め事を公に暴露することが当たり前のようになった。表題の映画の主人公も、かつては有名な報道カメラマンであるキャパに憧れつつ、一時はエース・カメラマンとして活躍しておきならが、ある事件を契機に没落。
今は芸能人の不倫写真などを扱う中年パパラッチと化して、自堕落な日々を送る。そんな彼に若手の編集者を付けることで、再起を図らせようとするやり手の副編集長。
その主役のパパラッチ・カメラマンを演じるのが女性に大人気の福山雅治なのだが、この映画に関して言うと、完全に脇役に食われてしまっている。
その脇役を演じるのはリリー・フランキー。彼がかつては漫画家であることを覚えている人って、どれだけいるのだろう。そう思いながら、フランキー演じる脇役に見とれてしまった。こりゃ、凄いや。
漫画家でもあったが、実際はイラストからミュージシャン、絵本作家etc、etcと呆れるほど多彩な人物でもある。この映画では、ヤク中を疑われる危なっかしい、それでいて軽い雰囲気のオチャらけた情報屋として登場する。
前半はともかくも、後半の存在感は圧倒的である。このリリー・フランキーの怪演を見るだけでも、この映画は価値がある。是非、御堪能あれ。