ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

先祖がえりの可能性

2020-01-24 12:15:00 | 社会・政治・一般

多分、隣の半島国家で厄介な事態が持ち上がるのではないかと思っています。

私は現在の南コリアの大統領は、日本人のコリア理解に大きく貢献した人だと評価しています。歴代の大統領も反日をもって政治権力を維持してきたのですが、この人ほど素直にコリアの本音を明らかにする人はいなかったので、その意味で有益な人物です。

ただ、やり過ぎる可能性が出てきた。

言うまでもなく、南コリアは西側社会の国です。資本主義と市場社会、議会制民主主義と開かれた社会を基盤にしているはずです。そのことに対する理解が、どうもかなり違うらしいのがコリアの特徴です。

現在、南コリアの政府の主張は、国際的にはほとんど理解されていない。そのことに対する不満が、ある種の先祖がえりを呼び起こす可能性があることを指摘しておきたいと思います。

今から八百年ほど昔のことです。朝鮮半島は高麗という国が支配していました。宗主国であるシナは、宋王朝の時代です。文化的には華やかな王朝でしたが、軍事的には弱かったため、遼という北方民族の侵略に苦しんでいました。

そこへ新たに現れたのが、金という新興の騎馬民族です。あっという間に遼を滅ぼし、宋王朝自体も南方に避難する羽目に陥りました。シナの帝国の首都が南方に移った最初の事例となりました。なにせ皇帝とその家族が拉致される有り様です。

この醜態が、後々コリアの支配階級の心理に大きな影響を与えます。

南に移転して新皇帝を打ち立てたシナを南宋と呼びます。だが本当の危機は、その後に訪れます。北方から新たな騎馬民族が襲ってきたのです。それがモンゴルでした。英雄ジンギス汗が興した勇猛な軍団でした。当時、ユーラシア大陸最強の軍事組織であったと思います。

金も精強な軍団でしたが、モンゴルには及ばず、あっという間に滅ぼされ、一部は西方に逃走しています。この金の滅亡には、高麗も協力しており、その功績故に高麗は、モンゴルからかなり優遇されることになりました。

その後、南宋もモンゴルに滅ぼされ、シナの地は元と称されるモンゴルの地方政権に支配されることになります。もっともコリアとの関係は従来通り、宗主国である元と、朝貢国である高麗であることに変りはありません。

しかし、コリアの支配階級の間では、新たな火種が産まれていました。シナ(宋)が蛮族(モンゴル)に滅ぼされたのだから、真の中華(世界の中心)は、我がコリアではないかとの思いが、高麗の王族たちに生じてしまったのです。

蛮族であるモンゴルが宗主国面をすることは許せない。そう考えたようで、なんと高麗に駐在していたモンゴルの高官を全員殺してしまいました。怒ったモンゴルと戦争になり、計6回も戦い、和睦し、再び問題を起こして再戦を繰り返してきました。

いくら和睦しても、その約束を守らない高麗に呆れたモンゴルは、遂には高麗を滅ぼし直轄領にしてしまったのです。

当時、世界最強であったモンゴルに逆らい、30年近くも戦い抜いたのは凄いと思いますが、反面モンゴルを敵に回すその根拠には疑問を持たざるを得ません。中華思想なんて自己満足に過ぎず、極東の小さな半島国家が掲げるなんて無意味だと思います。

しかし、当時のコリアの人々は、それが理解できず、挙句にモンゴルに喧嘩を売って無様に散ってしまった。本来は恵まれた朝貢国の立場にあった訳ですから、その優遇された地位を捨てるほどに、その傲慢さは肥大していたのでしょう。

日本もまたモンゴルの侵略に抗した国ですが、海に守られた有利な状況を自覚し、決して大陸や半島には手を出さず、モンゴルが引くのを待つ賢明さがあった。また南宋の亡命者などから情報を得て、事後策を練るなど対応には万全を期そうとした。

しかし、高麗の王族たちには、そのような現実的な考えはなく、ただ単に自分たちこそ中華なのだから、蛮族に屈する必要はないと決めつけるだけであった。その結果が国の滅亡であった。

それから800年余、今の南コリアの政府は、自分たちの考えを西側社会が受け入れないと不満を抱いている。シナやロシアに守ってもらえば良いなどと、政府高官が発言するほどの傲慢ぶりである。

どうも、今も昔も自らを客観視することが出来ない。このままだと、本気で西側陣営からの離脱を宣言しかねないと思うのです。困ったことに、コリアにはもう一つ厄介な性向があります。

それが二つの大勢力の間に立って、パワーバランサーであると称する悪癖です。バランサー(仲介者)であるためには、双方から認められた実力(多くの場合、軍事力)が必要ですが、それがない癖に仲介者面したがるのです。

私見ですが、バランサーを気取るのは、自身の惨めな境遇を認めたくないが故の虚栄心だと思います。昨年の38度線を徒歩で超えた米朝会談がその典型事例です。

仲介者面したがる大統領を尻目に、トランプと刈り上げデブ君は彼を無視して会談していたことはマスコミ等が暴露しているとおりです。それでも、めげないのが不思議ですが、歴史的な性向なので客観的に自らを省みることがないのでしょう。

別に南コリアが東側に回るのは構いませんが、少なくても経済面では大きなマイナスなのは確かでしょう。困るのは日本が最前線になってしまうことです。そうなると、平和憲法なんて全く無意味なものになります。事なかれ平和主義者が多い日本です。

多分、この危機も見ない、聞かない、気づかないふりで誤魔化すでしょう。最前線基地がそれでは困ります。本気でアメリカが外圧(憲法を改正しろ!)をかけてきそうな気がします。

どうする?ニッポン

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ザ・グレイトウォール

2020-01-23 12:48:00 | 映画

この監督で、これはないだろうと思い込むのは、むしろ偏見なのだろう。

チャン・イーモウ監督といえば90年代に「活きる」や「あの子を探して」で欧米でも高い評価を得た名監督である。私はヴィデオでの鑑賞だが、これは映画館でがっつりと観たかったと後悔するほどの内容であった。

以来、幾つもの大作、名作を作ってきた名監督だけに、表題の映画に対する期待も大きかった。しかし、シナ本国はいざ知らず、欧米では大コケしたおはご存じの通り。特に莫大な宣伝費をかけたアメリカでは7000万ドルの大赤字である。

そんな予備知識はあったのですが、CS放送で観た表題の作品は、怪獣大好きな私からすると十分楽しめる内容でした。あのイーモウ監督だと認識してしまうから失望するのであって、香港あたりの若手監督が作ったとすれば、少なくても失望することはないのではと思うのです。

実際、巨大な長城に群がる怪獣たちと、それと戦うシナの戦士たちのアクション場面は、日本の怪獣ものや欧米のものとも違う個性ある映像だったと思い、私は十分楽しめました。

まァ、欧米のゾンビと、シナのキョンシーの違いとして捉えれば、このシナ版怪獣も楽しいものです。人間たちのドラマ?知りません、あたしゃ怪獣が暴れちゃえば、それで満足なのです。

ただし、一点文句があるとしたら、シナの長城はあれほど巨大ではありません。あれは、北方の騎馬民族の侵入を防ぐためのもので、馬の進行を阻むだけの高さがあれば、土塁でも良いのです。

春秋戦国期に作られた長城の多くは、ただの土塁の壁に過ぎません。北京郊外の有名観光スポットとして知られている日干し煉瓦を積み重ねた立派な長城なんて、明代以降に主要都市周辺だけに作られたものですから。

ただの土塁でも、馬が飛びこせなければ、それで十分なのです。それどころか、要は短時間でも足止めできれば、それで十分に守りを固める準備が出来ます。騎馬民族の長所は、馬の機動力を活用した速攻ですから、それを鈍らせる手段としての長城なのです。

この土塁を活用して、匈奴の侵入を食い止め、罠にはめて撃退したのは、戦国末期の趙の名将・李牧です。悲劇的な生涯を終えた李牧ですが、この対騎馬民族戦法を確立したが故に、彼は今も名将として讃えられているのです。

しかし、まァ、この映画、あの世の李牧将軍が見たら、なんていうでしょうかねぇ・・・

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政治家の資質

2020-01-22 11:57:00 | 社会・政治・一般

多分、この人が総理大臣になることはないと思う。

誰かっていえば、今話題の小泉・環境大臣である。美人のアナウンサーと結婚して子供が産まれて、そのせいで舞い上がっているのだろうけど軽薄すぎる。

別に育休をとろうと、とるまいとそれは構わない。どうせ大臣の為すべき仕事なんて、官僚の作成した法案にサインするだけだ。おそらく、その法案の内容さえ、ろくに理解していないだろうし。

民主主義に基づく議会政治では、数こそが力である。如何に人気があろうと、議員数の過半を握らなければ、政治家として力量を発揮することは出来ない。

現実には過半数を握る与党の、その内部における過半数を握れば良いので、議決権を持つ議員の26%の支持があれば、与党政治家ならば総理大臣への道は開ける。

だが、この見た目、爽やかな青年政治家さんには無理だろう。おそらく、この方、鏡に映った自分の姿ならばよく見ていると思う。しかし、その自分を見ている他の政治家のことは見ていないはずだ。

政治家というものは、古今東西、最も権勢欲が強く、嫉妬心も強い生き物である。鏡(TV)に映った自分の姿に酔い痴れている暇があるなら、他の政治家、とりわけ与党政治家が自分をどうみているかにこそ注意を払うべきだ。

同じ与党政治家から支持されなければ、決して総理大臣になることは出来ない。

戦後、どれだけの人気政治家が同じ失敗をしたと思っているのだろうか。いくら国民人気があろうと、マスコミから気に入られようと、同じ与党政治家から支持されない政治家は、決して総理大臣にはなれない。

多分この人、自分の派閥さえ作れないと思う。せいぜい政策研究会どまりで終わる。父親は主流派に疎まれながらも、消されないだけの政治力、すなわち仲間である政治家たちと徒党を組む程度の器量はあった。

しかし、息子にはそれだけの生き残りの器量は継がれなかったのではないかと思う。まァ見た目が良いので、ワイドショー向けの政治家としては重宝されると思いますけどね。

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カニカマ

2020-01-21 12:13:00 | 健康・病気・薬・食事

昨年末、お歳暮で頂いたカニ缶は、正月にありがたく頂きました。やはり本物は、日ごろよく食べるカニカマとは一味も二味も違うと痛感。

もっとも、日頃カニカマはけっこう使います。キュウリと和えたり、パンに乗せてチーズとケチャップを加えてオーブンで焼いたりと楽しい。山芋との組み合わせも美味しいです。

日本で生まれたカニカマですけど、消費量は日本が一番ではありません。カニカマを一番食べるのは、実はフランス人、次点がスペイン人だそうで、それを知った時は驚きました。

フランス料理とカニカマ、スペイン料理とカニカマ?どうもピンときませんけど、完全に現地では定着しているそうです。ちょっと調べたら、フランスだとサラダなどに使っている模様。スペインではアヒージョにしていた。これ、私でも作れそうなので、そのうちトライしてみます。

ちなみに、そのカニカマを作っているのはリトアニア。これもビックリ。北海周辺の海で獲れるスケソウダラが原材料だと聞いて納得。日本ではスケソウダラが枯渇して、原材料を輸入することもあるとか。日本人、魚の練り物、好き過ぎなんじゃないかな。

もっともリトアニアのカニカマの製造機械は日本製。まァ世界シェア7割で、品質と性能で日本製がベストだそうですが、特許などをとっていなかったので、中国などの格安機械も出てきているとか。

実は日本って、その手のポカが多い。子供の頃にオヤツ代わりに食べていた魚肉ソーセージもそうで、あれも日本が産み出した食品です。ところが関西の中小企業が開発したけど、特許なんて念頭にないので、他の企業も造り放題。

魚肉ソーセージは今でも一定の売り上げがあるベストセラー商品ですが、まさか特許を取り忘れていたとは思いませんでしたね。ただし、カニカマと違って、魚肉ソーセージは日本限定みたいです。

まァ、普通ソーセージといえば豚か合挽でしょう。まさか魚肉を使うなんて思いもよらないのでしょうね。日本人ってホント、お魚好きなのですねぇ。

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アメリカの遣り口

2020-01-20 11:58:00 | 社会・政治・一般

アメリカに蔓延る反トランプ報道に惑わされないことだ。

イランの革命防衛隊の司令官を、ドローン兵器で殺害したアメリカの遣り口は汚いかもしれない。でも相手は宗教的狂信者で構成されたテロリスト集団です。イランの大統領の意向も無視して、無辜の市民を殺してきた筋金入りのテロリスト。

テロに対しては、テロだと言わんばかりのアメリカの遣り口は、私にはそれほど汚いとは思えなかった。

アメリカという国は、その軍事力が巨大すぎて、逆に安易な攻撃が出来ない。だからこそ、低コストで出来るテロの標的となりがち。だが、過去にリビアのカダフィ大佐の元へミサイル攻撃した前科を持つ物騒な国である。

そのことを忘れて、テロに走る連中への鉄槌として、今回のアメリカの攻撃はきわめて有効であったと判じるほうが適切だと思う。

実際、年末まで盛んにアメリカへの威嚇言動を繰り返していた半島の独裁者様は地下に潜って出てこない。アメリカ相手にやり過ぎはよくないことを痛感しているのだと思う。

結果論ではあるが、アメリカの遣り口は正しい。私としては、そう判じざるを得ない。しかし、次の大統領選挙を控えたアメリカのマスコミは、ここぞとばかりにトランプのやり方は横暴だと批判する。

それに便乗している日本のマスコミはさておいても、アメリカにおける反トランプ勢力の根強さには感心する。でも、そんはマスコミ報道とは裏腹に、アメリカの市民は、案外とトランプの横暴さに満足しているように思える。

私の周囲にいるアメリカ人が、全員そうだとは云わないが、概ね今回のトランプのドローン攻撃には好意的な反応をみせている。ただ、それをアメリカのマスコミが報じないだけだ。

弾劾裁判も進みそうなトランプ大統領ではあるが、私はこのままならば次の大統領選も勝つのではないかと思っています。

それにしても、マスコミの希望的観測が当たらないことが多いのは、別に日本だけじゃないのですねぇ。

コメント (2)
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