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Photo by Ume氏
やはりこんな天気、古道の下見は中止することになった。来週の水曜日にもう一度やってみることにしたが、「伊那側から歩いて登る入笠」という構想に、この二つの古道が役立ち、利用されるようになり、その結果いまの時代に甦るなら、入笠は変わるだろう。そうなって欲しい。
と言って別段、富士見側からゴンドラを利用して入笠へやってくるにぎやかな人たちを、とやかく言うわけではない。ゴンドラからの展望を楽しむだけで喜んで帰る人、お目当ての草花に出会えて満足する人、待望の頂上からの息をのむような眺望に歓喜する人、それはそれでいい。
ただもう少し本格を目指す山好きには、言っておきたい。まだまだ知られていない入笠の良さをじっくりと味わうには、手軽な手段であるゴンドラではなく、煩瑣な交通規制のかかった富士見側の道路を車でもなく、伊那側から、人気のない静かな山道を汗を拭きふき登ってくることを、本当は勧めたいのだ、と。そうすれば、迎えた山の夜には、満天の星ぼしを眺めながら、広大な宇宙の「無窮の遠(おち)」へと旅立っていく幸運にも、きっと巡り合えるだろうから。
古い入笠のパンフレットに写っている人たちは、気のせいかも知れないが、いまよりもっと明るく晴れやかに見え、何よりも躍動感に溢れている。笑顔には、歌声さえ聞こえてくるようだが、戦中戦後の暗くて貧しい時代をようやくにして抜け出た、それは解放された喜びだったろう。
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Photo by Ume氏
小雨と霧の中、牛の見回りから戻った途端、また雨が本格的に降ってきた。上の写真のようにマーガレットがあちこちで草地のかなり広い一画を飾って、雨の匂いに混ざりいい花の香りを放っていた。前脚を負傷している第4牧区のNo.75は、明日また上がってくる4頭の牛と交代して里に下ろすつもりだが、今日はその牛も含め、群れの確認に大分手間取った。大沢山のJAXAの観測所裏に仕掛けた罠に、また鹿が1頭掛かっている。
久し振りのコメント、ありがとう。もちろん君は冬の入笠の”同士見習い(失礼!)”の一人だから、テイ沢と言わずどこでも案内します。でも本当はそろそろ、鹿のランチャーステーキが食べたいのじゃないのかな、クク。
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