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Photo by Ume氏
雨は止んだが、青空は見えない。こんな天気では、3連休でも誰も来ないだろう。今夜は帰るべきか否か迷っている。
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Photo by Ume氏
結局泊まると決めたが、そうなると今夜は食べなくていいとしても、明日の朝と昼の用意はしなければならない。里でも同じことをするわけだが、何故かここでは料理がかなり面倒で、困っている。冷蔵庫の中には買い置きした肉や野菜が消費を叫んでいるが、さてさて。
やっとご飯の炊けるいい匂いがしてきた。今日はどしゃぶりの雨の中で土木工事の真似事をしたから、酒も美味いが、炊き立てのほかほかの飯はさぞかしだろう。
古いといってもそれほど昔のことではないが、とりあえず大正・昭和の初期としておこう。黒部川に職業としてイワアナ釣に入った釣師は、米と味噌とニンニクしか持たなかったと、何かの本で読んだ。
小屋建てし、あるいは補修して、そうやって幾日も人里離れた奥山で不自由な暮らしを余儀なくされれば、炊き立てのご飯と味噌と、その日釣り上げたばかりのイワアナは・・・、いや待て、それも毎日だったら美味くもなければ、ご馳走にもならないかも知れない。仕方がないから長い夜はイワアナの燻製作りをしながら、焼酎でも飲んで気を紛らわすほかなかっただろう。
それに比べれば、ここには一応文明がある。炊き立てのご飯と、冷蔵庫の中にはそれなりの食材もあれば、ビール、日本酒、ウイスキーと揃っている。風呂もある。PCという、黒部谷の住人には想像もつかない、厄介だが便利な通信・情報の手段も持っている。
湿度の高い雨の夜だがもう少し起きていて、この小屋にあるささやかな平安を大切にしたい。
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