入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        Ume氏の入笠 「夏」 (27)

2015年07月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 午前5時、朝はまだ、雲が流れ、霧が湧き、今日一日の天候を決めかねているようだ。権兵衛山は例のごとく霧に閉ざされたままだが、その霧はここまでは下りてこない。少し明るくなって青空が透けて見えるかと思うと、また別の雲というのか、霧というのか、灰色や白いベールが執拗なまでにそれを邪魔する。どういう大気の状況ににあると、これほど空は主体性を失ってしまうのだろう。
 囲い罠の中の鹿が活動を始めたようだ。昨日は丘の上の草むらに身を潜めて終日姿を見せなかったが、こんな夜明けの平穏な一時なら安心だと分かるのだろう。その実、自分たちを捕えた張本人にさっきからじっと、その行動を見られていることも知らず。
 罠に閉じ込められたばかりのころは4頭がいつも一緒に行動していたが、今見ていると単独でフェンスに沿って、慎重に下の方に下りてくる鹿もいる。何とか今のうちに、脱出口を見付けようとしているのだろう。これ以上見ていては情が移るばかりだ、止そう。
 優柔不断な朝も、ようやく青い空を覗かせ始めた。高い空を一羽の鳥が東の方に飛んでいく。

 久しぶりに夕立が来た。ただ雷鳴は聞こえず、管理棟に戻ってきて間もなく、雨も止んだ。上空の雲はそれほど厚くはないのか、目の前の森には、夕暮れ時の日の光をそれとなく感ずるほどの明るさがある。何だか今に虹も出そうな雰囲気だ。
 今夜で山の人になって三晩を迎える。冷凍庫にはまだ肉や魚があるが、冷蔵庫には卵と納豆ぐらいしかない。ここで暮らしているとどうしても、食はおろそかになるが、まずは風呂に入り、それからだ。実は今朝は1時半に目が覚めてしまい、それから寝てない。汗を流し、FMZ君の送ってくれたビールを有難く飲めば、暮色に染まる牧場(まきば)の夕暮れがまた一段と趣きを深め、一夜の天国への近道を教えてくれるだろう。

 Ume氏は仙丈へライチョウの取材にいったようだが、その後どうしたことか。8月12日からのペルセウス座流星群、天文ファンの間では期待が高いが、かんと・TBI氏グループ以外に、その方面からの問い合わせはY先生だけだ。天文ファン、どうした!?

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年の営業案内」を、また星空に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
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