入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        Ume氏の入笠 「夏」 (31)

2015年08月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

チダケサシ                                                   Photo by Ume氏

  朝を待てずに1頭の小鹿が死んだ。何も分からずに生まれ、何も分からずに死んでいっただろう。これから新しい一日が始まろうとして、小鳥たちはいつもの朝を歌い始めたところだというのに。
 日が昇るに従い暗い森に光が射し込み、朝露に濡れた草原(くさはら)が輝き出す。太陽の偉大な力を、今、一番感じている。

牧区の見回りに出たら、青空に秋雲が見えていた。すでに上空には秋の先遣隊がやってきたのだろうか。信州の夏は、例年旧盆とともに終わる。天竜川の水面の色が変わり、一夏を楽しんだ子供たちの喚声が水泳場から消える。川音は急に寂しさを募らせ、夏休みが終わったぞと言っているようだった。
 あのころは親もだが教師も偉かった。夏休み中は4,5人の父兄が毎日交代で、炎暑の中を万一に備えてボールと竹竿を用意して2時間の見張りをしてくれたものだ。それ以外のときは、クラスを受け持つ教師が、自分のクラスの水泳については全責任を課せられ、それを負った。まだ小さな小学校にはプールなどない時代だ。水難事故は時々起き、子供心に死が思いのほか近くにあることを学んだ。

 薄い雲が夕闇を連れてきた。盛夏だというのに、いい風が幾度も通り抜けていく。昨夜9時過ぎ、ぶらりと外に出たら、天の川の大きな光の帯が目に飛び込んできた。南の低い空に星屑が集中して、その横にはさそり座が対抗するかのように、見えていた。星座のことがもっと分かれば、宇宙の深淵に対する不安が、少しは薄れていくかも知れない。

 かんとさん了解しました。TDS君、宜しくお頼みいたします。O山さん、今もHALのことを気遣ってくれてありがとうございます。そのうち会いに来てやってください。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年の営業」を、牧場からの星空に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
 
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