百舌鳥(もず)が一羽柿の木に来ている。風が強いらしい。百舌鳥も周辺の枝もかなり揺れている。あれだけたくさんあった赤い実は、いつの間にか皆落ちてしまったようで、ここからは鋭い何本もの枝と黒い点のような蔕(へた)が幾つも、からっ風の吹く冷たそうな午後の青空に見えているだけだ。
朝風呂に入り、ビールを飲んだらまた睡気がやってきて、2時間ばかり眠った。久しぶりに、夢のないとろけるような眠りを貪ったら、もう昼をすぎていた。今日はどこへも出掛けず家にいる。そう決めて、また1本ビールを飲んだ。冬の快い日が部屋の中まで入ってきて、ストーブは要らない。炬燵に入って呆けていると、たった二日(ふつか)行かなかっただけだというのに、入笠のことがなんとなく気になる。
親愛なる読者各位におかれましては、この年末、さぞ多忙の中でお過ごしのことと思います。
さて牧場は、わずかではありますが光明のようなものものが見えてきた1年でした。その間、この世迷い言のようなブログの読者になっていただき、コメントも含めていろいろな形で、折れかけた気持ちを支えてくださいました。大変にありがとうございました。
入笠は春夏秋冬、本当に美しい山です。守り、残さなければならない自然が溢れています。こうした景観なり自然は、牧場が存続することによって守られてきましたし、これからもそうでしょう。ただし、と言っても、現今の厳しい畜産業の状況を考えれば、牛だけに頼っていては、早晩立ち行かなくことも充分に考えられます。今年はCD、映画、コマーシャルの撮影舞台にもなりましたが、緩やかに時代の波に合わせていくことも、また課題です。
まだまだ広くは知られていませんが、入笠は幾つかの歴史の断片が残り、伝えられている山であり、また、牧場キャンプ地からの星空の美しさは、ときどきブログで紹介もしてますが、比類を見ません。
広々とした清々しい、平穏で長閑な牧場で、場違いで因業そうなオヤジ(orオジイ)でも見かけたら、それがこのブログの主かも知れません。声をかけにくいでしょうが分からないこと、困ったことがあったら、勇気を出して訊ねてください。
折に触れ、まだまだ牧場には上がります。そんな際はまたこのブログで、牧場や周辺の様子をお伝えしたいと思います。ですから、年末の挨拶はまだいたしません。
入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年冬季営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。