午前5時、雨。
昨日のブログでは、「ライフルの名手M氏は、恐らく一発も撃つことなく終わるだろう」と、書いた。ところが、それから30分もしないうちに、M氏の撃った一発のライフル弾が、見事雌鹿の頭部に命中した。5,6メートルばかり離れた所にいた子鹿は一瞬、10メートルほど逃げ、そして数秒その場に立ち止まり、後は一目散に逃げ去ったという。M氏と標的との距離は約120メートル、狙撃に成功した時間は4時7分ごろのことだった。斃れた鹿は二人で確認した。
今回の実験で最重要視していたことは、実は銃撃された鹿ではない。1頭の鹿が脳天を撃ち抜かれたとき、その付近にいた他の鹿が、どのような反応を見せるかということが核心だったのだ。
ある実験によれば、このような場合、あらかじめ射撃音に馴化されていれば、他の鹿は逃げないという結果が出たらしい。それを長野県も、再検証してみようとしているわけだ。そのために、ヘイキューブと塩を使って鹿を一定の場所に誘引し、夜間5分間隔で爆音機を作動させて音に馴れさせようとした。その上で、県下で最もライフル射撃の名手とされるM氏とT氏を射手に選任して、この「シャープ・シューティング」というアメリカ発の射撃法の本当の効果を確かめてみる、これが「誘引狙撃法によるニホンジカの捕獲」の目的であったと理解している。
ただしまだまだ、結論めいたことは言えまい。N氏の活躍が期待される。
今朝は午前4時前、時速2,30キロの低速で山道を来た。しかし案の定、1頭の鹿とも遭遇しなかった。後で知ったが、M氏は打ち合わせた通り、5時少し前に持ち場に入ったようだった。一方、雨脚は一向に弱まる気配を見せない。果たして連絡が取れるかどうかわからないまま、こんな天気ではどうにもならないから中止した方がよくはないかと電話してみた。天気予報はもちろん雨、雨。普段はこういう時には電話を切っているが、うまいこと繋がった。そうでなければ、現場まで行くつもりでいた。結果、N氏も同じ考えだったようで、今日の予定はすべて中止することにした。そして先程、帰っていった。
狂った天気が続く。もう少ししたら、山を下る。
二日ブログを休み、失礼しました。Nさん、いろいろなところへ出かけますね。かんとさん、本当は雨男じゃござらんか?
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