
左「わし星雲(M16)」、右「オメガ星雲(M17)」 Photo by かんと氏、(於:入笠牧場)
最近の新聞記事によれば、太陽に最も近い恒星アルファ・ケンタウルスに、たった20年で到達できるような宇宙船の開発計画があるという。開発資金は「ロシアの富豪」が出し、宇宙物理学者で筋萎縮性側索硬化症を患うホーキング博士やアメリカのIT企業家が支援するという。
計画によれば、光速の20パーセントにも達する速度で3~4センチ足らずの探査機が、数メートル大の帆を広げて、地球からのレーザー照射によって飛行するのだという。ただし、こんな技術はまだ「ほとんど存在しない」そうだ。
地球以外に住む生命体の発見が目的だというが、加えて最近の人類の行く末に極めて悲観的なホーキング博士は、地球外に移住可能な星の発見に目星を付けたいという思いもあるらしい。
「科学と技術の進歩で、人類はかつてない人為的な大災害の危険にさらされている」と考える博士は、その具体的な脅威として核兵器と遺伝子操作によるウイルスを不安視していると記事は伝える。こうした技術が、人間の持つ「欠点」である「攻撃性」によって悪用されれば、取り返しのつかない事態を招きかねないことを、おんとし74歳になる博士は近年とみに案じているのだ、と。
確かに、世界の現状を見たり聞いたりしていれば、博士ならずとも大方の人たちは、われわれの将来に対して漠々とした不安や、懸念を抱かざるを得ない。
で、その記事は最後に、「人間の特質として大事にしたいのは共感だ。共感は平和に愛し合う状態を私たちにもたらす」という博士の言葉で結ばれていた。
いつか将来、われわれの子孫にそんな運命が待ち受けているのだろうか。クラークの「遥かなる地球の歌声」のように、人工冬眠の技術を使って、600年もの長い眠りの末にたどり着いた新しい星で暮らす、そんな時代が。
今日から3日、「かんと氏の実力、入笠牧場の実力」として天体写真を掲載します。明日は木星を予定してます。またカテゴリー別の「入笠牧場からの星空」もよろしく。
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