知らぬ間に5月が来ていた、というくらい、ほとんど暦を意識しないで暮らしている。それでいて、季節の移ろいについては毎日の天気と同じように気に掛けている。まるで洞穴の住人のようなものだ。
遠い昔、あの人たちがアフリカを離れた理由は何だったのだろう。何万年もかけて北へ向かって移動を続け、ついにシベリアまで行ってしまった人たちもいた。その何人かの人はそこに留まり、いつ来るとも知れぬ春を待ち暮らしながら、定住を余儀なくされたのだろうか。また別な人たちは、もう少し温暖な気候を求めて南下していったかも知れないし、誤って別の方向に行ってしまった人たちもいたかも知れない。もちろん、道中で一族すべてが絶えてしまった例はいくらでもあっただろう。
よりよい自然、つまり、より暮らしやすい環境を求めたことが、飽くなき旅を続けたことの理由のひとつと考えてよいだろうか。季節の変化の乏しい土地から、よりそれの鮮明な土地を移動しながら、季節が繰り返されることを学び、そして、そういう自然の変化と協調することが生存する上での必須条件だと知ったころには、きっと長いながい旅から人がようやく解放されるころだったかも知れない。
やがてそういう人たちは、万年の旅を終わりにして、大きな川のそばに定住を決めた。そうして、そこで季節の移ろいを記録して暦を作り、そのころには太陽や月や星々の運行がそれと関連することを知り、天文学を誕生させたのだろう・・・、か。
いつの間にか途方もないことを書いている。これではどう締めくくったらよいか分からなくなってしまった。と思っていたら、何と北原のお師匠が孫のS君の運転でやってきた。不肖の弟子はお師匠を口実に、今日はこの尻切れトンボを閉じたいと思う。
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