入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

'’16年「夏」 (9)

2016年05月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 小梨(ズミ)の花に似た山梨の花が咲いた。小梨には花に淡紅色が混ざるが、山梨は真っ白なだけに余計に清浄な感じがする。白樺はすでに芽吹き出し、落葉松の鮮度の高い緑が日毎に色を深めていく。
 タラの芽は年々早まり、TDS君の日記によれば、10日以上も早くなっているという。山菜としての人気は高いが、不用意な採り方をする人が多く、牧場の近くのいつもの場所に行ってみたら何本も枯れていた。例え樹幹を切っても、その下に生えている枝木とその先端の芽を残せば、生命力のあるこの木はそう簡単には枯れないのだが。


 
 みろく山の会のE氏が来た夜、二人で飲んで話をした。知らなかったが氏は、日本百名山はおろか、二百名山まで足下にした人だった。今も現役でクライミングまで続けているという。そういう人が確かに増えた。60歳を過ぎてから山を始めて、マナスルに登った人もいた。
 しかしそんな話を聞いても、あまり気が騒がない。むしろ、一歩も二歩も引いてそういう話を聞いている。これではそれこそ、線香花火の燃えかすようなものかも分からない。
 ただそれでも、雪の法華道を歩いているときは、山に対して気分が横溢する。ただ単純に歩き、登っていくだけだが、誰もいない山の中の尾根道に、新雪を踏みながら歩く快感はまだ覚えている。また、実際に歩いているときよりも、後になって一歩二歩と少しづつ高度を上げていった過程を振り返るのもいい。そう、ドロドロのウイスキーを、管理棟の入口の日だまりに腰かけて飲みながら。
「中高年の山は快適を求め、困難とはおさらばすべきではないですか」
 お歳77歳の大先輩につい、そんなことを言ってしまったが、氏は笑っていただけだった。
 
 新緑が今一番美しい。今夜も上に泊まる。いつの季節であっても、山の夕暮れほど心安らぐときはない。
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」をご覧ください。
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