山奥殿、大丈夫でござるか?
夕暮れとともにまた、深い霧が下りてきた。あっという間に視界の大半が乳白色に包まれて、鳥の声も消えた。もう目の前のキャンプ場のコナシの木がかろうじて見えているだけで、霧が盛んに白い闇を拡散し続けている。
気になっていたテイ沢の草刈りに出掛けようとしたら、珍しくも山奥氏が現れた。当然氏も誘って、というより半ば強引に、一緒に行くことにした。
驚いたことに、氏は草刈り機を使ったことがないという。変なところで初心(うぶ)なところを見せられたが、それでもそれなりに協力してくれ、取り敢えず登り口から最初の橋までは終えた。もっとやるつもりだったが、いろいろ試案の末、この写真を撮ったところで引き返した。
病み上がりの身で、本当は好物のハナビラタケを採りにきたのだとは、後で知った。しかし結局それを諦めて、ちゃんと用意してきた自作のハナビラタケ飯を、美味いと絶叫しつつ食べ終わると、さっさと隠れ家に帰っていった。普段は山の中に一人で暮らしている人だから、ひとしきり声を出せばそれで気が済んだのだろうか。それにしてもあのハナビラタケ、どこで手に入れたのだろう。
事前に連絡を受けていたが、獣害対策に関して、農水省のエライ人たちが何人も来た。どういう役割を求められていたかも知らぬまま、鹿対策について勝手に一人で持論を熱弁、いや吠えた。それだけで終わったが、わざわざここまで来て、あれでよかったのだろうか。それはともかく、繁殖を抑える方法については、越えなければならない壁があるらしい。
8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」と「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。