森の朝ぼらけ、阿原を覆っていた霧の見せた一瞬の躊躇いのようなものがあった。遷移を続ける湿原はやがて、草原に姿を変えてしまうというのに、そのことを知っても朝霧はなおも忠実に、万年の務めを繰り返すのだろうか。人はこの地上からとっくに消え去ってしまった後でも。
考えてみれば46億年をかけて人類が出現し、消え去るまではわずかな時間でしかない。とてもそんな気紛れで短命な観客のためにいかに寛大な自然でも、これ以上の何かをしてくれるはずもない。その時が来ればわれわれの退場を、無表情に見送るだけだろう。
138億年の宇宙でさえ、その歴史からすればまだ始まったばかりだというのに、人はとっくにいない・・・。
部屋の隅に、客人が残していった鍋がある。中ににはきっと食べ残した飯が入っているはずだ。昨夜はほとんど何も食べていない。朝も食べていない。空腹が常態化して、Ume氏の傑作写真を眺めていたらつい、妄想のようなことを独り言ちってしまった。
はっきりしない天気でも、ひとつだけ言えることがある。待望の秋が今、ここに来ている。
北原のお師匠がまだハナビラタケへの思いを捨てきれず、本日登場。元気でなにより。
気遣いの種平小屋の主人は、近々予定の南ア北部の山行に、若Oさんにも声をかけた方がよくはないかと連絡がありました。全く異論はありませんが、最低でも2泊3日になりそうです。
秋到来。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」と「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。