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牧神の孫娘か、はたまた妖精か。ここは巨大な倒木も含め、自然が造った森の傑作である。モミの大木や、枯れた立木の間を小さな沢が流れ、その透明なせせらぎが緑の苔を洗い、育てている。柔らかな水音が深い森の静寂に溶け込み、霧を加えて深い余情をいつも感じさせてくれる場所だ。
「いらっしゃい、森の精・・・」
実は、昨日のCM撮影の本番に備え、その幾日か前にカメラテストを行った。その際に、モデルの「代理」として登場したのがここに写っている女性である。強風や霧の中で、健気にその代理役を演ずる姿を見て感心した。
ところが、関係者らの目にはその様が、未開の地に住むヤマナミかなんぞが、それまで見たこともない女性と対面したかのごとく見えたらしい。美女はたくさん来るのに、まだまだ修行が足りなかったと自戒。
いや、思い出した。「某(それがし)が監督なら、この森ではあの娘に演じさせたい」などと冗談口を叩いたのがいけなかったのだ。代理の女性も、だが、この雰囲気が素晴らしかった。まさに、お・と・ぎ・の・国。
ウムー、 短い夏が去った秋、またあの森へ行ってみよう。おとぎの国はもう存在しないだろうが、澄んだせせらぎの音や、鳥の声、それにあの倒木の周囲には霧を連れたいい風が吹いて、季節は少し進んでも、森はきっとあの時のままだろう。
こんなんで、良かったかな。
8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」と「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。