入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(5)

2022年03月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 薄雲がかかる中、日射しは春らしい暖かさを感じるようになってきた。毎朝待ちどうしく、ボケと梅とユキワリソウの開花を確かめるのが日課になって久しいが、今年はまだ咲かない。昨年に移植したカタクリはモグラが土の中を通過した跡があり、あれでは今年は諦めなければならないだろう。
 そんな中、八角蓮の新芽がようやく顔を覗かせた。あれは、田舎暮らしを始めた年に一株7000円也で買い求めたものだった。その後株の数も増えて主の留守がちな荒れた庭の一隅に、もっと暖かくなると以来ずっと律義に大きな葉を開いて、その姿を見せてくれる。多くの山野草が消えていったのにこれと、そのうち芽を出すイカリソウは優等生だと褒めてやっている。ああ、ミヤコワスレもいい花を咲かす。
 季節はゆっくりと過ぎていけばいいと思っていたが、きょうのように春の気配を感じるようになれば、炬燵の虜囚も移り気になって次の季節を待つ気になるらしい。もう、カタクリは採集せずそっとしておくつもりだが、それでも今年もTDS君を誘って、西山のいつもの山や谷を車で訪れてみたいと思っている。深い山の中にも芽吹きが始まり、渓を雪解けの清冽な水が流れるころだ。

 以前に「エンデュランス号の冒険」という本について呟いたことがあった。この「Endurance・忍耐」を意味する名の船は1915年南極探検の途次、氷山と激突し大破、その後沈没したのだが、船長シャックルトンは船名に恥じない不屈の努力で、救助を求めて想像を絶するような苦難の果てに、小さな島に取り残された乗組員の生命を救った。まさしくその波乱万丈の物語である。
 驚いたことに、この船が南極の水深3000㍍ほどの海底で107年ぶりに発見されたらしい。深海に鎮座した船体の状態は思いの外良好のようで、そんな写真も、遭難したばかりの帆船の写真とともに見た。ただし、南極条約によりこの海域では指定された遺物として、沈没船からのいかなる遺品の引き上げもできないらしい。
 普段、この本のような冒険譚の類は読まないし、また面映ゆいので本の題名とか内容については詳しく呟かないようにしているが、その中でこの本は数少ない例外と言える。それで何人かがこの本を読んでやはり感動したらしい。であれば、まだ読んでない人にも一読を勧めたい。

 ロシアはNATOを分断させようとしているのだろうか。本日はこの辺で。

 
コメント
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