週末は天気が崩れるとの予報で、昨日も昼間散歩に出た。往路は少し距離を伸ばして福与城を訪ね、帰路は風が強かったので天竜河畔に出ずに県道を歩き、池火神社を通り、福島合社にも立ち寄り帰って来た。一昨日に続いて歩数は約1万2000ほどになっていた。
それにつけても昨日も呟いた鹿頭行列、今年はその当年となる。片道でも5㌔近くに及ぶ、これは気儘な散歩とはもちろん異なり子供ばかりか、引率する村役にとっても、結構大変な行事だと改めて思った。
伊那市の市報が届いた。「令和4年度の特徴的な事業」という項目に、しんわの丘ローズガーデン整備事業6000万円、鹿嶺高原テラス設置工事2800万円、馬の背ヒュッテ購入8000万円、戸台口観光拠点整備2400万円(馬の背ヒュッテ以外は端数切捨て)が記載されていた。
これには複雑な思いがした。15年の間入笠牧場と周辺のことに関わってきたつもりだが、その間にたった1本の道標たりとも、行政が設置してくれた物はない。ウン千万円の話ではないのだ。
折角始めた一般市民が参加する入笠から鹿嶺までの遊歩行も、いい企画だと思っていたらいつの間にか行われなくなってしまった。星空観察会はすっかり他所にお株を取られてしまった。呟くのを迷ったが、テイ沢の丸太橋の架け替えも、実際にできるかどうかはまだ確実とは言えない状況だ。
いや、行政の関与が全くないわけではない。今年はいつになるか分からないが、4月の終わりころには除雪が行われるだろう。オオダオ(芝平峠)までの林道も整備され大分良くなった。さんざんすったもんだした登山口にある古い山小屋の件も、泣いた人と笑った人がいて、一応の解決を見たようだ。一人でできるあまり意味のない年一度の缶拾いも、開山祭前に市と農協とが一緒になって続いている。
何もしてないと言えば、それは正しくない。特に、市の職員で構成されている「伊那フイルムコミッション」の種々の撮影支援も、牧場経営に資するところ大である。
牧場は伊那市が地主であっても、上伊那農業協同組合が管理運営している。だから、それぞれの守備範囲がはっきりとせず、遠慮し合っているのかも分からない。それでも、しかし、こういう数字を目にすると、普段のささやかな個人の努力など全くの蟷螂の斧でしかない、という気持ちに陥り情けなくなる。嗚呼。
とにかく、せめて基本的なことはしっかりとやって、ここはあまり商業的な匂いのしない、少し変わった、自然の豊かな牧場であればいいと・・・、またいつもの強がりを、きょうも言って終わるしかないのか。
冬の終わるころには、この瀬澤橋の上の夜空に北斗七星が立ち上がるように見えていた。季節は巡る。昨日は福与場へ行く途中で、牛の声も聞いた。
本日はこの辺で。明日は沈黙します。