入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(19)

2022年03月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 

 朝から激しい風の音がして、外へ出掛ける気にならない。昨日は風も比較的穏やかだったから、先週に福与城まで散歩した折に気になっていた萱野高原まで車で出掛けてみた。標高1500㍍、入笠牧場よりか2乃至300㍍ほど低いが、雪はなかった。
 まずはいつものように経ヶ岳が目に飛び込んできて、さらに眼下には伊那盆地の底を光る天竜川が蛇行しつつ見えていた。この川を中心に東西から幾筋もの川が流れ込んできて扇状地をつくる、その天と地の広大な眺めはふる里の遠い過去から遥かな未来へと繋がる懐かしさであり、この先への信頼であるとも思えた。
 隣接する町営ホテルも含めキャンプ場はまだ営業前で、設備の整った炊事場や他の施設も椅子やテーブルが乱雑に放置されたままだったり、取り壊された小屋の木材が捨て置かれたりと、閑散というよりかも早春の緑の乏しい風景をさらに殺伐とさせて見せていた。駐車場には県外車が1台と、恐らく地元の車だろうがもう1台が停まっていた。
 ここもできたころはそれなりに賑わった。それから半世紀以上が経って経年劣化も目に留まる。果たして今も昔しのような盛況さがあるのだろうかと、つい思ったりした。

 帰路は、高原の裏側の山道を下った。日の当たり方が少ない渓にはまだ所々に融けかけた雪が残っていて、紅葉湖(もみじこ)に下ると、ここにも人の気配はなく、芽吹きを控えた山は眠りの中にあった。
 小太郎も、HALも、キクもここに連れてきた。広い屋外の催し場に誰もいないのを確認してから自由にしてやると、一瞬たじろぎ、やがてどれもが猛然と走りだしたものだ。小太郎が死んで15年になるのか、キクが冬の入笠で消息を絶って7年、そして一番長生きをしたHALも亡くなってやがて2年が経つ。
 犬のことが先になってしまったが2日前、もう命日に東京へは行かなくなってしまったが、形見の杖に梅の花を添えたばかりだった。この季節の重い記憶が、悔いが、夕暮れの湖畔の風景と重なった。



 カタクリの葉だけが今年も片葉のまま生えてきた。明日、もしきょうほど風が強くなければ、TDS君と例のカタクリの峠を訪ねることにした。
 先程帰った彼の話だと、先述した萱野高原の町営ホテルは、耐震及び老朽化対策のため今年は営業せず、さらに今後についてもどうするかは未定だという。

 Sひろさん、コメントありがとう。総額で約2億円です。M田さんも、活躍されていますか。海老名出丸さん、Mさんにも感謝。本日はこの辺で。

 



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