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少し風が強いけれど、きょうも秋らしいいい天気だ。第1牧区へ上がってみたら雲ひとつない青空の下、長大な北アルプスの山並み、優美な山容を誇る乗鞍、黙して座す御嶽山、そして中央アルプスの駒ヶ岳、空木岳、さらに続く稜線が東の空との境に消えるように見えていた。(10月2日記)
この呟きもいつしか3千日以上も続けてきたことになる。当初のころは、入笠の伊那側からの情報発信が少なく、ここの自然に恵まれた山域がもっと人に知られるようになればと思い始めたことだった。その目論見に関して言えば、あまり効果を上げることができなかったと自己採点している。
しかし、しばらくするうちに考えが変わってきて、人を呼び寄せることにそれほど意義も熱意を感じなくなってしまった。観光という言葉にも、それによる地域の活性化という言葉にも、当節の流行り言葉のような軽さを感じて、次第にこの独り言の方向がどこへ向かえばいいのか分からなくなってきた。それでもこうしてまだ続いている。
過ぎてしまった16年間、大したことはできなかったが、今からできることなどはもっと高が知れている。そう思えば今後のことは、後に続く人たちに託すしかないと考えるようになってきた。
自分の考えることと違ってもいいし、当然そういう考えの人も出ってくるだろう。願わくばそれが、入笠の、いやもっと大きく南ア北部全域の森や川、自然が守られるようなものであってくれれば有難い。そういうことができる逸材の出現を待とう。
クマササの繁茂を抑えるには抜根してしまうのが最も確実な方法だろう。そこまではできなくても毎年刈り取れば、そこには新たな植生が育ってくる可能性もある、期待できる。少し大げさになるが、今後文明が進めば進むほど多様化なども勝手放題に進み、結果、守られなければいけないものも犠牲にされてしまう可能性が高い、と案じている。
法華道について関心を持った人がいた。その人がここを訪ねてきた。いろいろ話すうちに、自分の幾つかの勝手な思い込みにも気付かされた。簡単に考え方の"体質"は変えられないが、この呟きについては独りよがりの主張をこれまで以上に控え、目に触れる四季にの様子について下手糞な写生を重ねていきたい。
かく呟くも、迷走を案じつつ。
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本日はこの辺で。