また深夜起きている。外の気温零下5度、室内気温零下1度、吐く息が白い。ここまでくれば、この独り言の題名を「冬」にすべきかと思いつつ、もう少しこのまま今年の残り少ない秋を続けたいと思う。
昨日も追い上げ坂の草刈り中、何本ものメギという全体がトゲだらけの灌木、と言えばいいのか、を相手に四苦八苦していた。すべて根元から切りたいのだがそれが難しく、ならば牛にも分かるように少し根っこを残すべきかと思案の末、とりあえず10センチほどの長さを残して切っておいた。もしかして牛が足をつっかけてはまずいから、やり直すことになるかも知れない。
この木は、台湾からその先アジアまで健気、長駆の旅をするかのアサギマダラが卵を産み付けることでも知られている。愛すべき蝶、アサギマダラの子孫繁栄を願わないわけではないが、場所が悪すぎる。それにしても、有刺鉄線で防御された敵陣を進むようなものだ。
そんなこんなの作業に手を焼いていたら、汗をかいて身体がやたらに痒くなってきた。綿ではなく冬用の化繊の肌着を着ていたから、そのせいだったと思う。昼、小屋まで帰ってきてから、風呂は凍結防止のため使えなくなっているため、行水をした。幸い痒みは取れた。
しかしそれだけでは気が治まらず、午後の仕事は少し早目に切り上げ、風呂へ入るため富士見へ下った。途中、紅葉した樹々の合間に八ヶ岳が燃えていた。
昨日は食物と酒の話をして、きょうは温泉とくれば、まるで「帰還を忘れた」遊子・旅人のようだが、そう思われても一向に構わない。これは今、この時季になってようやくたどり着き、手にした平安である。ささやかなどとは言わない、過ぎたる平安だと言いたいくらいだ。
今年も残り2ヶ月、終わりの予兆を感ずるようになって、だから余計にそう思うのかも知れないが、懐かしい人たちの顔が浮かぶ。去った人もいれば、逝った人もいる。その中には、済まなかったと詫びたい人の顔もいる。
寒さに耐えるために飲んだウイスキーが効いてきた。これ以上続けると、独り言に抑制が効かなくなりそうだ。止めよう。
きょうは半年ぶりに星の狩人、かんとさんが来る。極寒に耐える彼のために、願わくば期待通りの華麗な星の一夜を。
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本日はこの辺で