市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

今回はダム役人に焦点・・・八ッ場ダム問題を扱った週刊ポストの記事第2弾!

2009-10-11 13:34:00 | 八ッ場ダム問題
■昨日10月10日発売された週刊ポスト10月23日号350円で、八ッ場ダム問題に関する記事が再び掲載されました。

 今回の見出しは、「独走スクープ第2弾」として、「これが血税4600億円の浪費明細だ!八ッ場ダム役人“高級車乗り回しでカラオケ天国”暴く!」として、「“補償金極秘文書”公開に反響轟々」「“工事責任者に餞別17万円”“水没地域に2億円ハコモノ”“天下り団体から運転手雇用”ほか、やりたい放題の大罪」という活字が躍っています。

 今回の特集第2弾では、公金のムダ遣いにマヒしているダム役人の所業について、取り上げています。
 最初は、前号で報じた極秘資料の「八ッ場ダム補償金リスト」にある補償基準に関する追加情報ですが、その次に、国交省の役人によるダム予算への「たかり」の実態が示されています。それらを断片的に見てみましょう。

<車が高級になった「時期」>
 長野原町の水没地区では、毎年、春と秋に地元の神社などの祭りが行なわれる。そうした地域のイベントには、国交省の八ッ場ダム工事事務所の職員が積極的に参加して御輿を担ぐ光景が見られる。
 国交省関東地方整備局は「職員は休暇を取って自費で参加しています」と、住民との親睦を深めるための“無給の奉仕”だと強調するが、果たしてそうなのか。
 地区の祭りの世話役を務めたことがある住民の一人が語る。
 「お役人10人くらいが運転手付きの車に分乗してやってきて、神社の社務所で開く宴会に参加します。水没5地区は別々に祭りを行ない、役人は全部回っている。(休暇を取っているとすれば)、月に5日も仕事を休んでいるんですかね。(中略)ある地区の祭りでは、お役人さんたちは二次会で決まって地元の大地主の自宅に寄ってカラオケパーティをやるのが恒例です」(中略)
 「酒は地主さんが用意し、つまみは祭りの宴会の残り物をもらってくるんだっていってましたね。祭りの時だけではなく、地区でダム関係の会議があった後はよくお役人が5~6人来て宴会してますから結構賑やかですね」(近所の住民)

 カラオケに興じる役人たちが乗り回す公用車も、ダムの建設予算で購入されている。
 国交省の内部資料によると、同省の八ッ場ダム工事事務所には18台の公用車がある。車種は所長車の「クラウン・マイルドハイブリッド」(購入金額約377万円)をはじめ、6台の「エスティマ・ハイブリッド」(約407万円)、2台の「ハリアー・ハイブリッド」(約407万円)など高級車が目立ち、購入総額は約4700万円だ。
 購入日と金額を調べると、興味深いことがわかった。
 八ッ場ダムの総事業費は当初2110億円だったが、04年に計画見直しが行なわれて4600億円に倍増した。同事務所では、計画見直し以前は「テリオス」(約140万円、2台保有)、「ウイングロード」(約159万円、2台保有)など1台100万円台の車を買っていたが、予算倍増後は1台400万円以上の高級車ばかり調達しているのである。“予算が増えた。湯水のように使え”と高級車を買いまくったことが見て取れるではないか。

 そればかりではない。役人は自ら公用車を運転せず、国交省の天下り会社から運転手が派遣されている。八ッ場ダムエ事事務所の車両運行業務を長年受注してきたのは、同省の天下りを受けている「日本総合サービス」などで、同事務所の支払額は年間約7813万円(06年度)に達する。もちろん、これもダム建設費で賄われている。

 また、ゴルフや祭り、宴会で住民と役人たちが“利益共同体”となっていることを示すエピソードとして、地元の対策委員会が、役人に対して「餞別」と称して、工事事務所長が異動する際に17万円もカネをわたし、それを所長が平気で受け取ったことも紹介されています。

 八ッ場ダムの現場に、国交省が調査出張所を開設したのが1967年で、その後70年に「工事事務所」に昇格させてから、40年もの間、延べ千人以上の役人が、税金をムダに浪費した挙句、退職後も工事の受注業者に天下っていたことになり、政官業として一部住民らとの癒着により、八ツ場がこれまで役人たちの天国となってきたことを糾弾しています。

 詳しくは、書店や売店で、週刊ポスト10月23日号350円を買ってチェックしてみましょう。

■当会が、平成19年1月にもたらされた告発情報をもとに、市民オンブズマン群馬とタイアップして、平成19年2月に、八ッ場ダムを巡る神社移転の登記書類を国交省が偽造したことや、政官業癒着のシンボルである丸岩会のゴルフ大会と宴会の実態等について、群馬県庁で地元のマスコミ全社を対象に、記者会見をしたことは、既に報告済みです。

 その時の記者会見で、関連する詳細情報の提供と資料配布、および、それらに関する説明をしたときには、マスコミはどこも取り上げてくれせんでした。それから2年半経過した、今年9月16日に自民党政権が倒れ、民主党の鳩山政権が誕生した後、国交相に就任した前原大臣が新政権として初めて、八ッ場ダムの現地視察を行った9月23日以降、にわかに国民の間に八ッ場ダム問題が認識されると、マスコミの動きも活発化しています。

■とりわけ、いち早く現地取材体制を組んだのは、週刊ポストでした。同社からは、平成19年9月ごろ、福田政権が誕生直後、「福田首相のお膝元の群馬県内で、何か関連する話題はないか」ということで、当会にコンタクトがありました。そこで、その時に、福田ダムと呼ばれていた八ッ場ダムに関するホット情報として、群馬県のマスコミが相手にしなかった上記の情報を同社の記者とフリーランサーのジャーナリストに提供するとともに、直接面談して、詳しく説明しました。しかし、結局ボツにされてしまいました。

 9月下旬に、突然、その時の資料を使用したいという申し入れが当会にあり「八ッ場ダム問題について徹底的に取り組む方針であり、今度は約束を果たしたい」ということであったので、再度確認のうえ、当該資料の使用を許可したものです。

■その後、週刊ポストの動きは目を見張るものがあります。その動きに触発されたかのように、マスコミ各社、とりわけ週刊誌部門が、八ッ場ダム問題に注目するようになり、最近では毎週のように、この問題が取り上げられています。一方、テレビや新聞は、相変わらず、自民党政権時代と同じように、ダム建設中止の動きよりも、推進派の動きばかり報道しています。

 週刊ポストが、八ッ場ダム問題の特集の第一弾として、世に問うたのが、週刊ポスト10月16日号で、5ぺージにわたり「怒りのスクープ公開」として、「背信のゴルフコンペ」と題する衝撃記事が掲載されました。国交省や各自治体でも内部回覧されるほどインパクトは大きかったようです。

 冒頭に紹介したように、昨日発売の週刊ポスト10月23日号で第2弾記事が掲載されました。今後も、週刊ポストは八ッ場ダム問題を積極的に取材してゆくのでしょう。ぜひとも、当初の方針を曲げずに、次号も引き続いて、この問題に鋭く切り込んだ渾身記事が掲載され続けることを期待したいと思います。

【ひらく会情報部】
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