市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

新政権誕生が引き金?首都高炎上後14カ月目の多胡運輸運転手送検と今後

2009-10-01 23:46:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■10月1日の昼前後に、産経新聞と読売新聞が、次の記事を報じました。

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板橋の首都高ローリー炎上事故、運転手を書類送検へ
 東京都板橋区の首都高速5号で昨年8月、タンクローリーが横転して炎上し、約2か月半にわたり一部車線が通行止めとなった事故で、警視庁高速隊は近く、横転したタンクローリーの運転手(46)=群馬県吉岡町=が約30キロの速度超過でカーブに進入するなどして、安全運転を怠り火災を起こしたとして、道交法違反、消防法違反(業務上危険物流出)などの容疑で書類送検する方針を固めた。
 事故は、昨年8月3日午前5時50分ごろ、同区熊野町の下り車線の右カーブ付近で発生。ガソリンと軽油を積んだタンクローリーが横転、炎上し、側壁などが約900メートルにわたって焼損したほか、炎の高熱で橋げたが変形し、隣接するマンションの外壁約20平方メートルを焼いた。この事故で、運転手が重傷を負ったほか、周辺道路が通行止めになるなどして大規模な渋滞が発生。上下線とも6日間にわたって全面通行止めとなり、全面復旧に約2か月半かかった。
 その後の調べで、運転手が制限速度50キロのところを20~30キロ超えて約80キロで走行していたことが判明。同隊は、速度超過のため、カーブを曲がりきれずに横転して火災を引き起こしたと判断した。同隊は「事故でガソリンなどが流出すれば、引火や爆発の危険は避けられず、運転手の安全義務違反は明らか」としている。
 同隊によると、運転手はスピードを出し過ぎたことを認めているという。東京消防庁も今年7月、消防法違反容疑で運転手を告発していた。
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■通常、道路交通法違反をすれば、3日もたたないうちに直ちに送検されるのが常ですが、今回のケースでは、実に事故発生から14カ月が経過しています。では、なぜ今になって、警視庁高速隊が多胡運輸の運転手を送検する気になったのでしょうか。

 この背景として考えられるのは、9月16日に誕生した鳩山新政権による、警察の方針転換という「波及効果」が挙げられます。多胡運輸やその元請けの運送会社、さらに荷主である出光興産が、事故について一度も記者会見をせず、説明責任を果たしていない異常性が、14か月も放置されたままであることについては、当会のブログでも再三にわたり、問題提起してきました。

 これほどまでに、群馬県に巣食う巨悪政治家による司直への影響力は、自民党政権下で、これまで遺憾なく発揮されてきたことについて、当会は、安中市土地開発公社51億円事件における元職員の役割と、その実弟が経営する多胡運輸との関係を示し、二つの事件・事故に共通する司直の対応を例にあげて、これまで解説してきました。

■今回の突然の多胡運輸の運転手の書類送検のニュースについて、当会は、重大な意味を包含しているものと考えています。警察権力は、国家権力と密接にリンクしていますから、自民党政権崩壊により、変わり身の早い警察官僚は、自民党政権との訣別を決断したほうがいいと、判断したに違いありません。

 あいかわらずマスコミは、タンクローリーを横転炎上させて書類送検された運転手の所属先である多胡運輸の名前を出したがりませんが、新政権になって半月後のこの時点で、14か月前の大事故の刑事責任を警察が問う気になった意義は、大きいものがあります。

■今年7月にいち早く消防庁が告発していたようですが、政権の推移を見越して、いち早くけじめをつけて、市民からの反発が起きないように手を打ったことがうかがえます。

 今回の警視庁高速隊の方針変更と決断に力を得て、民事面でも、大損害を被った首都高が、記者会見で公言した通り、多胡運輸に損害賠償請求を行うかどうか、注目されます。そのためのお膳立てが整えられたわけですから、この機会を逃さず、行動に移ってもらいたいものです。

■ちなみに、首都高では9月25日(金)未明に高速6号線向島線下り江戸橋ジャンクション付近で大型トレーラーが横転し、朝まで本線が通行止めとなる事故が発生しました。首都高では、9月28日付けでホームページで「安全運転のさらなる徹底について(お願い)」と題して、利用者に交通安全の遵守を呼び掛けています。

 単に、キャンペーンで呼び掛けるだけでは不十分です。交通安全を遵守せず、大事故を起こした場合の責任の明確化と追及についてもきちんとしないかぎり、事故の撲滅は果たせません。首都高の対応が注目されます。


【ひらく会情報部】

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