■タックスヘイブン(租税回避地)を使った「オフショア取引」の実態を詳細に記録したデータ「パナマ文書」が法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出したことが世界的に大きなニュースになっていますが、このパナマ文書を白日の下に晒した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は、パナマや英領バージン諸島など世界21カ所のタックスヘイブンに設立された21万社以上の法人と、関連する約36万の企業や個人の氏名、住所のデータベースをホームページ上で5月10日に公開しました。このデータベースはインターネットさえあれば誰でもアクセスが可能な状態になっており、ICIJは広く世に公開することで、「調査に値するものを見つけた場合」には情報を提供するよう呼び掛けています。というわけで当会もさっそくアクセスしてみたところ、とんでもない事実が判明したのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/6c/43d57287ab0f14ee78978addfa051c56.png)
群馬県安中市の大谷・野殿地区の丘陵地帯に広がる約137万ヘクタールの山林等は、昭和40年代後半に朝日新聞グループの日刊スポーツ新聞社が、グループ専用の高級ゴルフ場を造るため、買収されはじめました。半分ほど虫食い状態で買収された後、オイルショックで頓挫しましたが、平成に入りバブル経済に日本中が湧きたったころ、ゴルフ場開発ブームが再燃し、飛島建設と組んだ再春館製薬所の傘下の地上げ屋が地元に乗り込んで日刊スポーツが買い残した山林の買収交渉を始めました。
すると、これに触発されて日刊スポーツ新聞社も自らゴルフ場計画を目指して動き出し、飛島建設が倒産して後ろ盾を失くした企業舎弟の地上げ屋が日刊スポーツに擦り寄り、あろうことか、暴力団によるゴルフ場開発を社説で批判していた朝日新聞のグループ会社が、フロント企業と組んで地上げに手を染めてしまいました。
しかし、地上げ業務が終わった時にはとっくにバルブ経済が崩壊し、銀行からの融資もえられなくなり、朝日新聞グループの高級ゴルフ場計画はついに実現することなく、頓挫してしまい、137ヘクタールの山林が社有林として残されたのでした。
そして歳月が経過し、今度はメガソーラーブームが到来したことにより、日刊スポーツが所有する広大な里山地帯に、再び怪しげな地上げ業者が擦り寄り、日刊スポーツはそのうちの一社に、苦労して買収した社有林をあっさりと手放すことを決めてしまいました。
その一社というのが、安中ソーラー合同会社です。
■当会では、2016年3月31日に県庁を訪れた際に、同3月23日に日刊ゴルフ場計画跡地における安中ソーラー合同会社によるメガソーラー発電施設設置計画に関して、同3月23日に群馬県の大規模開発条例に基づく大規模土地開発事業審議会が行われていたことを知りました。
※大規模土地開発事業について↓
https://www.pref.gunma.jp/04/b4010010.html
※大規模開発条例の手続きの流れ(概要版)PDF ⇒ qnkjitvj.pdf
そこで、その後、群馬県公開条例による情報開示請求を行い、4月22日に大規模土地開発事業審議会の議事録をのぞく関連情報が部分開示されました。開示された情報は次に示す通りです。
○公文書部分開示決定通知書ほか(平成28年4月19日)
PDF⇒20160422jkjm.pdf
①平成27年度第1回群馬県大規模土地開発事業審議会会議次第(平成28年3月23日)
PDF⇒20160422jk11ircj.pdf
②第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(1)
PDF⇒20160422jk1cppt1.pdf
③第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(2)
PDF⇒20160422jk1cppt2.pdf
④第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(3)
PDF⇒20160422jk1cppt3.pdf
⑤第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(4)
PDF⇒20160422jk1cppt4.pdf
⑥第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(5)
PDF⇒20160422jk1cppt5.pdf
⑦第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(6)
PDF⇒20160422jk1cppt6.pdf
⑧第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(7)
PDF⇒20160422jk1cppt7.pdf
⑨第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(8)
PDF⇒20160422jk1cppt8.pdf
⑩第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(9)
PDF⇒20160422jk1cppt9.pdf
⑪第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(10)
PDF⇒20160422jk1cppt10.pdf
⑫第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(11)
PDF⇒20160422jk1cppt11.pdf
⑬大規模土地開発事業計画協議に対する群馬県の指摘事項と事業者の回答(概要)
PDF⇒20160422jk13ij.pdf
⑭平成27年10月20日起案「大規模開発条例の規定に基づく計画協議に対する指摘等について(通知)」
PDF⇒20160422jk2ih27.10.20mn.pdf
⑮平成27年11月20日起案「大規模開発事業事前協議に係る審査(2回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk3ih27.11.20mn.pdf
⑯平成28年1月21日起案「大規模開発条例の規定による指摘等について(2回目)(通知)」
PDF⇒20160422jk4ih28.1.21mn.pdf
⑰平成28年1月27日起案「大規模土地開発事業事前協議に係る審査(3回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk5ih28.1.27mn.pdf
⑱平成28年2月15日起案「大規模開発条例の規定による使役等について(3回目)(通知)」
PDF⇒20160422jk6ih28.2.15mn.pdf
⑲平成28年2月22日起案「大規模開発事業事前協議に係る審査(4回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk7ih28.2.22mn.pdf
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/3b/488982bbe0111ce96e8cd22f252f674a.jpg)
↑日刊ゴルフ場計画跡地の安中ソーラー合同会社のメガソーラー事業に係る計画概要(施設概要)↑
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/c5/30f1dc7e64099b94b71fbc9e0304a5f9.jpg)
↑安中ソーラー合同会社のメガソーラー事業に係る土地利用規制状況↑
当会では、日刊ゴルフ場計画の広大な跡地は水源林でもあるので、得体の知れない開発業者の開発申請には許可を出さないように、安中市や群馬県に採算に亘って要請をしてきました。とりわけ、上記開示資料②の14~14頁にあるように、今回の開発事業者が、タックスヘイブンで知られる米国のデラウェア州ウィルミントン市に拠点を置くペーパーカンパニーを代表社員とし、東京の赤坂溜池にあるビルの6階にある税理士法人の代表の日本人と、中国の香港に在住する怪しげな中国人が職務執行者となっている実態のないペーパー会社が、行政手続きを全て他の会社に丸投げして、一度も行政や地元住民らの前には顔を出さないという異常な形態での開発行為に警鐘を鳴らし続けてきました。
しかし、そうした声に行政は耳を貸そうとせずに、3月23日の大規模審議会でこの如何わしい会社のメガソーラー計画についてゴーサインを出してしまったようです。(この審議会の議事録は近日中に別途情報開示される予定です)
■上記開示資料②の14頁には「事業計画の枠組み(スキーム)」と題する相関図が示してあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/95/5e3e3e0fbdb1b87f47a479d920a24726.jpg)
この中に、それまで地元への説明会でも全く名前の出てこなかった「アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド」という会社が「事業主資産管理・資金調達業務補助」という名目でこの事業に参画していることが初めて分かりました。
上記の相関図には、「安中ソーラー合同会社の意思決定について」として、次のように記載されています。
「安中市大谷野殿地区 太陽光発電事業(以下「本事業」といいます。)は、特別目的会社である安中ソーラー合同会社(以下「事業主」といいます。)が事業主となり推進するスキームを採用しております。
本事業の推進に関しては、スキーム図に記載の通り事業主と契約を締結している各々の企業「各契約当事者」といいます。)がその役割に従い連携し合って推進していくこととなりますが、事業主としての意思決定は、アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド」が、事業推進を行う㈱ザイマックス・アセットコンサルティングの意見や金融機関を含む各契約当事者の意向や状況を取りまとめた上で事業主へ助言を行い、事業主は代表社員(注)であるグレート・ディカバリー・ホールディングスの決定をもって、事業主としての意思決定を行う仕組みとなっております。(注:合同会社の場合、いわゆる親会社のことを代表社員と申します。)
具体的な本事業の推進体制につきましては、貴県を含みます官公庁・地権者様・周辺住民の方々・その他関係者様への連絡窓口は㈱ザイマックス・アセットコンサルティングが、許認可手続きの具体的な実務については㈱オオバがその役割を担うこととなります。」
■そして、上記開示資料②の12ページに、アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド(東京語港区赤坂二丁目17番7号 赤坂溜池タワー9F)日本における代表者 サイモン・マクドナルド名義で、次の内容の書面が群馬県知事あてに提出されています。
「当社は『安中市大谷野殿地区 太陽光発電事業』において、事業主体である安中ソーラー合同会社が事業推進に伴う事業管理責任を適切に果たすよう、本事業全般について同社が意思決定を行うに際し適時助言を行うとともに、同社の連携事業者と協力し、適切な事業運営が行われていることを継続的にモニタリングいたします。」
実体のないペーパー会社にどうやって事業管理責任を果たせるのか、また、「適時助言」や「適切な事業運営の継続的モニタリング」とは具体的に何を意味しているのかについても、全く分かりません。
しかし、群馬県では、こうした実態の伴わない書面でも、手続き書類として完備されていると判断してしまうようです。土地・水対策室の職員は、当会の心配に対して「とくに心配するほどのこともない」などとする見解を示す有様です。
当会からは「この山崎亮雄や、香港在住のリュー・シャオ・フィという御仁が県庁に一度でも来たことがあるのでしょうか?」と聞くと、県の職員は「いちども見たことがない」と平然と言いのける始末です。
■さて、前段が長くなりましたが、5月10日から公開されている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のホームページをチェックすると、このアジア・パシフィック・ランド・リミテッドという会社名が検索できます。
※「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)のURL↓
https://offshoreleaks.icij.org/
<Entity: ASIA PACIFIC LAND LIMITED>
incorporated: 31-JAN-1994
https://offshoreleaks.icij.org/nodes/123454
一方、同社のHPには「アジア・パシフィック・ランド(APL)は、不動産投資・アセットマネジメントおよび開発を手掛けるプライベートカンパニー。1994年に設立、現在は東京・上海・香港・台北にて事業展開を行う。」という記載があります。
http://www.asialand.com/jp/
<APLグループ 創業者>
ウィリアム・D・ショーンフェルド(William D.Schoenfeld)最高経営責任者
リチャード・J・ライトネック(Richard J.Reitknecht)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
<APLグループ 経営陣>
ウィリアム・スカリー(William Scully)マネージング・ディレクター、米国投資
サイモン マクドナルド(Simon McDonald)アセットマネジメント統括責任者
ナイジェル・オリバーフロスト(Nigel Oliver-Frost)マネージング・ディレクター ソーシング及びアセットマネジメント
ナンシー・ファーガソン(Nancy Ferguson)チーフ・オペレーティング・オフィサー (COO)
シャウ・ウェイ・リュウ(Sheau Hui Liew)チーフ・ファイナンシャル・オフィサー (CFO)
マーク・ルビンスティン(Marc Rubinstein)ゼネラルカウンセル(法務責任者)
【ウィリアム・D・ショーンフェルド (William D. Schoenfeld)】
最高経営責任者
APLの創業者であり、同社最高経営責任者を務めるショーンフェルド氏は、アジアおよび北米地域における不動産投資で20年以上の経験を有し、バブル崩壊後の1997年、日本における最初の外資系不動産投資会社の一つとしてAPLを統率。APL設立前は、1990年から1993年まで、当時バンク・オブ・アメリカ社の子会社であったBA(アジア)リミテッドのヴァイスプレジデントとして主にアジアにおける不動産事業を統括。 1989年から1990年までジョーンズ・ラング・ウートン社(1999年にラサール・パートナーズ社と合併、現ジョーンズ・ラング・ラサール社)の投資サービス部門のヴァイスプレジデントとして、同社米国支店にて不動産投資家に物件取得、資金調達、デット及びエクィティ・ストラクチャリングに関する助言業務に従事。1988年から1989年まで日本の大手不動産建設・開発会社である長谷工コーポレーション(東京)に勤務。ウィリアムズ大学卒業(哲学士)。日本語と中国語に堪能、広東語にも精通。中国本土において、主に子供の教育と環境、貧困の改善を主目的とする多数の慈善団体を設立
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/29/4dd3368c3fa115c36f5ac92d8c9749ff.jpg)
↑写真: ECSELプログラムの授与式でプレゼンターを務めたビル・クリントン元大統領(2010年4月)。右から左:ウィリアム・ショーンフェルド(APLの創設者兼社長)、ジンギ・ジャン、クリントン元大統領、ワン・ジュン、ベンジャミン・ルーディック(ECSEL理事)↑
■ここで、初めてリュー・シャオ・フィという人物が特定できる情報を知ることができます。アルファベットでLiew Sheau Huiと書くことが分かりました。この名前をネット検索するとさっそく次の情報をヒットできます。
https://www.linkedin.com/in/sheau-hui-liew-05a9b04
Sheau Hui Liew, Group Chief Financial Officer
香港 不動産
現在の役職:Asia Pacific Land 以前の役職:CBRE Investors, Frasers Commercial Trust, Allco Finance Group 職歴:
Group Chief Financial Officer, Asia Pacific Land 2011年10月 – 現在 (4年 8ヶ月)香港
CFO - Asia Pacific, CBRE Investors 2009年6月 – 2011年10月 (2年 5ヶ月)
CFO, Frasers Commercial Trust 2007年4月 – 2009年6月 (2年 3ヶ月)
After acquisition by Frasers Centrepoint in August 2008
CFO Asia, Allco Finance Group 2007年4月 – 2008年8月 (1年 5ヶ月)
Associate Director, PwC 1993 – 2007 (14年)
学歴:
Curtin University of Technology, Accounting, Bachelor of Business (Hons) 1989 – 1992
また、この人物のプロフィールもアジア・パシフィック・ランド・リミテッド(APL)の会社データを載せている次のURLに記されています。
https://www.aihitdata.com/company/00527CF7/ASIA-PACIFIC-LAND/history
**********
SHEAU HUI LIEW, Chief Financial Officer
Mr. Liew joined APL in 2011 and is responsible for the regional level management of the accounting and finance functions of APL. Mr. Liew has over 20 years of financial accounting, reporting, operations and audit experience. Prior to APL, Mr. Liew was the Asia Pacific CFO for CBRE Investors, where he was in charge of the finance, taxation, treasury, risk management and compliance functions. Mr. Liew began his career with PwC, and advanced to the role of Associate Director before joining Frasers Centrepoint Asset Management / Frasers Commercial Trust as their Chief Financial Officer in April 2007. Mr. Liew has a Bachelor of Business (with Honors) degree from Curtin University of Technology (Australia) and is an Australian Certified Public Accountant.
<History>
2013-08-13 insert person SHEAU HUI LIEW
2013-08-13 insert otherexecutives SHEAU HUI LIEW
2015-10-09 update person title Sheau Hui Liew: Group Chief Financial Officer => Chief Financial Officer
2015-10-09 insert cfo Sheau Hui Liew
2015-10-09 delete otherexecutives Sheau Hui Liew
■APL社のHPには「APLグループ・グローバルネットワーク」として次の情報が載っています。
**********
■香港 1994年設立
住所:Suite 2102 Nine Queen’s Road, Central, Hong Kong SAR, China
電話:852-3656 8000
FAX:852-2509 3238
■上海 1998年設立
住所:Unit 2588-2589, Central Plaza, 381 Huai Hai Middle Road, Shanghai 200020, China
電話:8621-6136 1888
FAX:8621-6136 1880
■東京 1999年設立
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-7 赤坂溜池タワー9階
電話:813-4560 7000
FAX:813-4560 7001
■瀋陽 2008年設立
住所:18 Zhonghua Road, Heping District, Shenyang 110001, China
電話:8624-3187 9999
FAX:8624-3187 8930
■台北 2009年設立
住所:36F ,No.68,Sec.5,Zhongxiao E. Rd, Taipei City ,Taiwan
電話:886-2-8722 2799
FAX:886-2-8780 1706
ところがパナマ文書の情報によれば、APL社の住所は次のとおりとなっています。
ASIA PACIFIC LAND LIMITED
Address
Portcullis TrustNet Chambers P.O.Box 3444 Road Town, Tortola BRITISH VIRGIN ISLANDS
Incorporation date: 31-JAN-1994
つまりタックヘイブンで知られる英領バージン諸島で1994年1月31日に設立されたとなっています。
■当会の見立て通り、安中ソーラー合同会社の実態は、国際脱税組織によるペーパー会社であることが、はっきりしてきました。しかも、実質的な事業主として、香港在住の中国人が関与していることが明確になりました。
安中ソーラー合同会社が大規模開発を使用としている場所は、水源涵養機能を持つ里山地帯です。したがって、群馬県水源地域保全条例の摘要がなされるべきだと考えていますが、群馬県の土地・水対策室は、当会のこの申し入れに対しても、馬耳東風の構えしか見せません。
※群馬県水源地域保全条例 PDF⇒
しかも、この開発地域に存在する数ヘクタールにも及ぶ公有地が、中国人が関与する事業主にタダで払い下げられてしまう恐れも出てきています。
また、東邦亜鉛安中製錬所が排出するカドミウムにひろく土壌汚染された岩野谷地区に唯一残された健全土壌地帯であるにもかかわらず、汚染土壌の客土用として当会が開発業者に残土の提供を要請して、地元貢献に資するよう強く依頼してきましたが、それも反故にされてしまいました。
当会は、引き続きこの問題について粘り強く、行政や土地の譲渡人である日刊スポーツに対して、善処を申し入れて参ります。
【ひらく会情報部】
※パナマ文書公表に関する報道記事の例
*********NHK News Web 2016年5月10日 19時01分
パナマ文書 日本の個人は約230人か 不透明な運用も
「パナマ文書」の問題を報じた各国の記者で作る団体は、文書に記載されたタックスヘイブンにある法人21万社余りについて、実質的な所有者などの名前を公表しました。この中に、日本に住所がある日本人とみられる個人およそ230人が含まれていたほか、日本企業もおよそ20社ありました。
ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合は、日本時間の午前3時すぎ、パナマ文書に記載されていたタックスヘイブンにあるおよそ21万4000社の法人について、実質的な所有者や株主の名前をホームページで公表しました。
この中には、日本に住所があり、氏名から日本人とみられる個人がおよそ230人含まれていたほか、日本の企業もおよそ20社ありました。
このうち連絡先が判明したおよそ50の個人や企業に対し、タックスヘイブンの法人との関わりなどについて尋ねたところ、海外の取引先への出資や海外で行った事業の税負担を軽くするために合法的に利用していると回答したところがほとんどでした。
ただ、中には中国の国営企業の幹部から重油の取引を仲介する法人の設立を持ちかけられ、仲介手数料を受け取る見返りに幹部に裏金を渡す約束をしていたというケースもありました。
また、名前を公表されたものの、「全く心当たりがない。勝手に名義を使われた可能性がある」などと話す個人や企業も複数あり、タックスヘイブンにある法人の実態の不透明さも浮かび上がりました。
★“海外での事業展開に必要”
タックスヘイブンに法人を設立していた企業の多くは、海外で事業を展開するのに必要だったと説明しています。
IT関連のベンチャー企業で税負担を軽くするためにペーパーカンパニーを設立する業務を担当していたという元幹部社員の男性は、以前、バージン諸島やケイマン諸島などに9つの法人を設立し、パナマ文書に名前が載ったということです。男性は「現地に行かなくても、弁護士事務所などを通せば送られてきた書類へのサインなどで簡単に設立できた。タックスヘイブンの法人口座に海外事業での売り上げを入れれば、税金がほとんどかからず、海外でのM&Aなどの新たな企業活動に資金を回すことができた」と話しています。
また、日本企業が中国での事業で抱えるリスクを減らすために、タックスヘイブンの法人を利用したケースもありました。
東京のヘアサロン運営会社は先月、中国の北京にオープンしたヘアサロンを運営するため、去年イギリス領アンギラに法人を設立していました。会社の担当者は「今後、日中関係が悪化したときにデモなどで襲撃されることがないよう、日本の企業と分からなくすることが目的だった」と説明していて、租税回避が理由ではないとしています。
★運用に不透明な点も
パナマ文書で氏名を公表された人への取材から、タックスヘイブンの法人は代行業者を通じて比較的に簡単に作れる一方、運用などに不透明な点もあることが見えてきました。
FX取引の自動売買システムを国内外で販売していたという男性は、5年ほど前にインド洋の島国セーシェルにペーパーカンパニーを設立したということです。インターネットで香港の代行業者を通じて20万円ほどの費用で設立し、法人の代表者を別人の名義にする制度を利用して自分の名前が表に出ないようにしたということです。
男性は「海外での売り上げを国内に戻すと為替手数料や税金などがかかるため、タックスヘイブンを使った。違法行為はなく事業を成功させるためだった。法人はメールでのやり取りで簡単にできた」と話しています。
男性は海外での売り上げが伸びなかったことなどから、同じ代行業者に法人を清算するよう依頼したということです。ところが公開されたパナマ文書によりますと、男性が清算したはずのペーパーカンパニーはその後、別の人物が所有していたことが分かりました。男性は「代行会社が勝手に転売したかもしれない。信じられないし気味が悪い」と話しています。
インターネット上でこの男性が利用したのと同じような代行業者を探すと、香港などに数多く見つかります。こうした業者のホームページには税率の低さがアピールされ、料金表や手続き方法の解説が載せられています。
NHKが複数の代行業者に電話で問い合わせたところ、いずれも日本語で担当者が応対し、このうちの1社は「メールのやり取りで書類にサインして入金し、現地の当局に書類を提出すれば数日後にはタックスヘイブンに会社を作ることができる」と説明していました。
最近は、タックスヘイブンとして有名になったケイマン諸島よりも、セーシェルやアンギラなどを選ぶ顧客が増えているということです。ただ、パナマ文書の問題を受けて口座を開く際の銀行の審査が厳しくなっていて、正当な必要性がなければ開設はできない状況になっているということです。
★中国企業に裏金を約束
中国の国営企業の幹部に裏金を渡す約束で、タックスヘイブンに法人を作ったとするケースもあります。
西日本で貿易関連会社を営む男性によりますと、5年前、中国の国営企業の幹部に頼まれて、ロシアの企業から重油を購入する取り引きを仲介するペーパーカンパニーをバージン諸島に作ったということです。幹部とは、中国の国営企業からこのペーパーカンパニーに支払われる仲介手数料の中から月に数千万円を裏金としてキックバックする約束だったということです。しかし、重油の取り引きが一向に行われなかったため、男性はペーパーカンパニーを清算したということです。
★心当たりがないケースも
名前を公表されたうち、タックスヘイブンにある法人の株主とされた個人や企業の中には「なぜ載っているのか心当たりがない」として、困惑するケースも出ています。
このうち、東京都内でクリーニング店を営む男性は「店も私個人も海外との取り引きはありません。いったいどこからそういう話が出たのかが不思議です」と話しています。
また、神奈川県の70代の男性は「会社を作ったことも出資したこともない。海外で仕事をしていた期間が長かったので、勝手に名刺の名前を使われたのかもしれない」と話しています。
さらに東京の塾経営会社も「確認のために社内調査をしたが、全く事実はなかった。身に覚えのない話だ」と説明しています。
★専門家 「国際的に情報交換を」
国税庁の元幹部で国際税務に詳しい川田剛税理士は、最近のタックスヘイブンを巡る状況について、「インターネットで簡単に法人を設立したり、買ったりできるようになり、活用する企業や個人が以前に比べ大きく増加している。タックスヘイブンを活用しても制度にのっとって申告をしていれば問題はないが、一部では脱税やマネーロンダリングの温床になりかねない。各国の税務当局は対策を進めているが、悪質な租税回避をすべて防ぐことはできず、いたちごっこのような状況になっている。国際的に情報交換を進める必要がある」と指摘しています。
そのうえで、「今回のパナマ文書のように情報が出ることは、これからも続くだろう。情報が公開されることが悪質な租税回避の抑止につながるのではないか」と話しています。
**********NHK News Web 2016年5月10日 19時31分
パナマ文書 名前挙がった企業や経営者は
「パナマ文書」に記載された法人21万社余りについて、実質的な所有者などの名前が公表され、中には日本人とみられる個人や日本企業もありました。名前の挙がった企業や経営者の見解をまとめました。
公表されたパナマ文書のデータでは、大手通信会社ソフトバンクグループの関連会社がイギリス領バージン諸島の企業に出資していたと記載されていますが、孫正義社長は「事業目的の企業への少額出資で、すでに売却済みだ」と説明しました。
ソフトバンクグループによりますと、グループ内の2つの企業が、平成12年と平成19年にそれぞれ別の中国の企業が現地に設立した会社に2億円と6000万円、出資したということです。しかし、いずれも事業が軌道に乗らず、すでに保有していた株式を売却し、撤退したということです。
ソフトバンクグループの孫社長は10日に開かれた決算発表の記者会見で、「どちらもソフトバンクが設立した企業ではなく、事業目的の企業への少額出資だ」と説明しました。そのうえで、いわゆるタックスヘイブンとされる地域への企業の設立が課税逃れではないかという指摘が出ていることについて、「議論があるところだが、われわれは世界的な競争の中で事業を行っていて、今後、世界的なルールの変更があればそれに従っていく」と述べました。
「パナマ文書」に記載されていたとして名前が公表された法人のうち、大手商社の丸紅は、「確認中だ」としながらも、イギリス領バージン諸島の法人に出資していると記載されていることについて、「中国本土で銅線の生産を手がける台湾メーカーと取り引きを行った際に、小規模の出資を求められたもので、租税回避が目的ではない」と話しています。
國分文也社長は記者会見で、「報道を受けて、タックスヘイブンに登録されている関連会社などを洗い出して調査をしているところだ。数十社が対象として出ているが、今のところ違法性は全くないし、租税回避を目的にして会社を設立することはない」と述べ、適切に対応しているという考えを示しました。そのうえで國分社長は、「タックスヘイブンでは会社を設立する手続きが簡易なことや、パナマやシンガポールなど金融や商品の取り引きの中心ということもあるので、コンプライアンス上の問題や違法性がないという確認は当然したうえで、ビジネス上の判断から今後もそういう場所に拠点を置くことは否定しない」と述べました。
一方、同じ法人への出資などで名前が記載されている伊藤忠商事は、「文書にどのような内容が載っているのか確認中だが、出資は事業を進めるうえで行ったもので、租税回避が目的ではない。海外の取引先から求められるなどして、タックスヘイブンと呼ばれる国や地域にある法人に出資をすることはあるが、いずれも日本の税制に従って納税するなど、適切に対応している」と話しています。
また、三井物産によりますと、公表されたデータの中に、過去に海外にある子会社がバージン諸島の法人に出資したケースが記載されているということですが、「中国本土で港湾ターミナルを運営する事業に参加する際に出資したもので、租税回避が目的ではないし、すでに法人は清算されている」と話しています。
公表されたパナマ文書のデータでは、楽天の三木谷浩史社長の氏名もイギリス領バージン諸島の会社に出資していたと記載されています。
楽天は三木谷社長の話として、「今から20年以上前、楽天を設立する前に、知人からの紹介を受けておよそ80万円を投資会社に出資したが、その会社の事業は失敗に終わり、結局、一部のお金しか戻ってこなかった」と説明しています。
そのうえで「租税回避を目的とした投資ではなく、やましいことはない。利益が出たら日本の税制にのっとって税金は払うので、問題はないと考えている」と説明しています。
大手警備会社「セコム」の創業者の1人で最高顧問の飯田亮氏は、バージン諸島の法人に関連して名前が記載されています。これについてセコムの広報は「日本の税務当局から求められた必要な情報を随時開示しており、合法的に処理されていると聞いています」とコメントしています。
また、神戸市に本社があるコーヒーメーカー、「UCCグループ」のCEO=最高経営責任者、上島豪太氏もバージン諸島の法人の株主として記載されています。これについて上島氏は会社の広報を通じて、ビジネスのための出資を行ったと説明したうえで、「日本の税務当局から求められた情報は随時開示し合法的に納税しています。租税回避が目的ではありません」とするコメントを出しました。
一方、パナマ文書には、今はなくなったIT企業「ライブドア」もバージン諸島の会社の株主として記載されています。
平成17年12月に公表された有価証券報告書や旧ライブドアの関係者によりますと、当時、ライブドアは中南米でインターネット広告の事業を行う会社を平成17年9月におよそ12億円で買収していて、会社の登記をバージン諸島で行っていました。ライブドア関係者は「租税回避という目的ではなく、安定した法整備や手続きのスムーズさなどを考えバージン諸島に登記したはずだ」と話しています。
**********The Huffington Post 2016年05月11日 11時41分 JST 更新: 2016年05月11日 11時42分 JST
パナマ文書問題、孫正義氏「ほとんど利益は出なかった」
執筆者: 吉川慧
世界各国の首脳や富裕層の隠れた資産運用を明らかにした「パナマ文書」の報道を続けている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は5月10日、タックスヘイブン(租税回避地)に設立された約21万社の企業リストなどを公表した。リストにはソフトバンクのグループ会社など有名企業の名前も含まれており、各企業は相次いで経緯を説明するコメントを出した。NHKニュースなどが報じた。
この日、ソフトバンクグループの孫正義社長は記者会見で、「パナマ文書」に記載された2社に計約2億6000万円を出資していたことを明かした。孫氏は「私も驚いた。租税回避の意図はない」と話した上で、2社については「どちらもソフトバンクが設立した企業ではなく、事業目的の企業への少額出資だ」と述べた。株式はすでに売却済みで「ほとんど利益は出なかった」と説明した。
一方で、タックスヘイブンが、租税逃れに利用されているのではという指摘について孫社長は「世界的な投資会社が、そういう形態を取って行っている状況なので、我々だけがそのルールと違う形でやると投資競争には勝てない。世界的にルールの見直しがあれば、我々も同じようにそれに従う」と述べたと、テレ朝newsが報じた。
パナマ文書には総合商社の丸紅と伊藤忠商事の名前も含まれていた。丸紅の国分文也社長は10日の決算会見で、関連会社などを調査をしているとした上で「今のところ違法性は全くないし、租税回避を目的にして会社を設立することはない」と述べた。その一方で「タックスヘイブンでは会社を設立する手続きが簡易なことや、パナマやシンガポールなど金融や商品の取り引きの中心ということもあるので、コンプライアンス上の問題や違法性がないという確認は当然したうえで、ビジネス上の判断から今後もそういう場所に拠点を置くことは否定しない」と話した。
伊藤忠商事はNHKニュースの取材に対し、法人への租税回避との指摘を否定した。また、同社の鉢村剛常務は時事ドットコムの取材に対し、「台湾企業が中国で銅関係のビジネスを行うために立ち上げた会社に出資し、それがタックスヘイブン地域にあった」と、同社の関連会社がパナマ文書に載っていた経緯を説明した。
■麻生財務相「G7でも議論をしていかないといけない」
一連のパナマ文書問題については、政府としても対応する構えだ。菅義偉官房長官は10日の記者会見で「適正、公平な課税の実現に努めるべきだということは全く変わりない。今後も適切に対応していく」と述べた。また、麻生太郎財務相もこの日の閣議後会見で「日本が議長を務めるG7でも議論をしていかないといけない」とし、5月に開かれるG7(主要7カ国)の財務相・中央銀行総裁会議や伊勢志摩サミットで議題とし、租税回避を防止するため連携を目指す方針を示した。
パナマ文書は4月上旬に報道されてから、ロシアのプーチン大統領の友人や中国の習近平国家主席の親族など、各国首脳が関与している疑いも次々に明らかにされている。市民から厳しい批判を受けたアイスランドのグンロイグソン首相は辞任に追い込まれた。また、スぺインのソリア産業相もパナマ文書に記載された中米バハマの法人への関与を報じられたことを受け、辞表を提出した。
「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)のサイトは https://offshoreleaks.icij.org/
**********ZAKZAK 夕刊フジ2016.05.11
パナマ文書公開 実名リスト「400社」 伊藤忠、丸紅、ソフトバンク
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/4a/b0bfe8e08fd48b070bc1cbab2b95cbef.jpg)
↑パナマ文書報道で名前が挙がった主な日本関連の企業、個人 ※共同通信の報道から↑
「パナマ文書」問題で、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は日本時間10日午前3時、タックスヘイブン(租税回避地)に設立された法人と関連企業や個人の実名、住所のリストをインターネット上で公表した。日本関連の出資者は約400あり、有名企業や経営者、さらに指定暴力団ナンバー2に近いとされる関係者の名前も挙がる。麻生太郎財務相は「問題のある取引が認められれば税務調査をする」と明言した。
ICIJが公開したのは、タックスヘイブンに設立された21万社以上の法人と、それに関連する約36万の企業や個人の名前、住所のリスト。文書の約1150万通にも上る膨大な資料から、ICIJが作成、国ごとに分類されており、キーワード検索もできるようになっている。
ただ今回の公表には、パスポートのコピーやメールのやりとり、金融取引の記録など、文書そのものは含まれていない。
日本関連の出資者は約400あり、重複を除くと日本人約230人、外国人約80人、企業など約20が、32都道府県に広がっていた。
大手企業では総合商社の伊藤忠商事や丸紅、ソフトバンクのグループ企業などが名前を連ねた。個人では警備大手セコムの創業者、飯田亮(まこと)氏らや、飲料大手UCCグループトップの上島豪太氏ら企業の経営者が並ぶ。両社は「租税回避が目的ではない」などとコメントした。
インターネット通販大手楽天の三木谷浩史会長兼社長は「租税回避の認識はなく、全くやましいところはない」と回答。回避地法人の株主連絡先として、都市経済評論家で内閣官房参与の加藤康子氏が代表取締役を務める会社名が記載されていたが、加藤氏は共同通信の取材に「全く心当たりがなく大変驚いている」と述べた。加藤氏は加藤勝信1億総活躍担当相の義姉。
麻生財務相は10日の閣議後の記者会見で、パナマ文書のリスト公表に関し、「一般論として、あらゆる機会を通じて情報収集や課税の実現を図るのは当然だ」と強調、5月20、21日に仙台市で開かれる先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で課税逃れ問題について議論する考えも示した。菅義偉官房長官も「適正で公平な課税に努めるのが基本姿勢だ」と述べた。
租税回避地に法人を設立する背景も浮かび上がった。兵庫県芦屋市の貿易コンサルタントの男性(64)は共同通信の取材に「中国国営企業によるロシア企業との重油取引の仲介目的で、英領バージン諸島に法人を設立した。実際には取引がなく、自分の租税回避には利用していない」などと説明した。
男性によると、5年ほど前、岐阜県の男性に話を持ち掛けられ、中国で国営企業幹部と面会した。仲介料の大半を中国側の複数の幹部が受け取り、男性らにも数万ドルが入る計画で、法人設立は中国側幹部の提案だった。男性は「おいしそうな話に踊らされた」と話した。
石川県の医系大学の名誉教授は2012年、英領バージン諸島に法人を設立した。中国人投資家に新薬開発を持ち掛けられ、開発に必要な3億円規模の資金の受け皿としてだったという。
その後、日中関係悪化の影響からか、連絡がなくなった。名誉教授は「投資家が新薬の収益への税を逃れるつもりだったのだろう」と話した。
セーシェルの法人の関係書類には札幌市の大手企業役員の名前があった。ただ法人の設立は、この役員が個人で中国を拠点に貿易商をしていた時期と重なり、役員は企業を通し一部の書類のサインが自らのものと似ているとしたが「記憶がない」と回答。企業側も「本人が会社を離れていた時のことだ」とした。
パナマ文書について「日本企業への影響は小さくない」と語るのは『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』(幻冬舎新書)の著書もある国際政治学者の藤井厳喜氏。「会社の買収などで当時は合法的だったかもしれないが、税金が安いところに利益移転することをやめようというのが国際的な流れで今後はタックスヘイブンを使いづらくなるだろう」とみる。
藤井氏は世界的な影響について「パナマ文書で最も打撃を受けたのは中国・香港と英国。米中の対立構造が深まるなかで、中国に接近している英国を叩くためにパナマ文書が公開されたとの見方ができる」と語る。
さらに「今後の注目点は米国だ。パナマ文書でも米ネバダ州のタックスヘイブンが出てきている。米国内の租税回避についてルー財務長官は調査する方針を示しており、企業の本当のオーナーが誰か、明らかになるのかが興味深い」としている。
**********日刊ゲンダイ2016年5月11日
「パナマ文書」徹底調査 安倍官邸も国税庁も“ヤル気ゼロ”
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/1b/7dc8ebc9cf8ac87e8302144aa24a04bb.jpg)
↑国税庁は及び腰(民進党のパナマ文書調査チーム)↑
全容が公開された「パナマ文書」。名前が挙がった日本人230人や企業20社の中には、政府関係者も含まれている。本来、租税回避をやめさせる立場にある人物が、逆にタックスヘイブンを使っていた“疑惑”があるなら、政府として調査するのは当たり前。だが、安倍政権はやる気ゼロだ。
11日行われた衆院財務金融委員会。加藤勝信1億総活躍相の義姉で、内閣官房参与の加藤康子氏が代表を務める会社名が、パナマ文書に記載されていたことについて、内閣府の牧島かれん政務官は「報道については承知しているが、文書の具体的な中身は承知していない」とスットボけた。
さらに、今後調査するかについて問われると、「『租税回避に関与している事実はない』と聞いている」「ご本人の方で調査して報告があると思う」と答弁したから、ア然だ。仮に関与の事実があったとしても、本人が素直に認めるものか。そこを徹底的に調べ上げるのが国の役割だろう。
また、政府の産業競争力会議で委員を務める楽天の三木谷浩史会長についても、内閣府の高鳥修一副大臣は「報道で名前があっただけ。現時点では特別の調査は考えていない」と言い切った。
委員会で質問した民進党の宮崎岳志衆院議員はこう言う。
「調査をすれば、政治家本人が関わっているケースが見つかるかもしれません。不適切な租税回避をしている企業から多額の献金をもらっている政治家が出てくる可能性もあります。安倍政権としては、戦々恐々でしょう。何も調べずに済ますことは絶対に許されません」
パナマ文書は4月に公表されて以降、世界の政治家を“直撃”している。アイスランドではグンロイグソン首相が資産隠し疑惑で辞任。名前が挙がったロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席らは“火消し”に躍起だ。ノンビリ構えているのは日本ぐらいだ。
■国税庁は「問題あったら対応する」
10日開かれた民進党の「パナマ文書調査チーム」によるヒアリングでも、国税庁は「問題があったならば対応する」と腰の引けた答えだった。
「国税庁からは全くやる気を感じられなかった。もし調査しないのであれば、パナマ文書を公開した人たちの意に反することになります。怪しいからこそ、全世界でニュースになっているわけですから。このままでは諸外国から笑われますよ」(民進党の山井和則国対委員長代理)
安倍政権は5月末の伊勢志摩サミットで、課税逃れ対策などの行動計画を発表する方針だというが、自国の暗部にはメスを入れないパフォーマンス。こんな政府に怒りもせず黙っていたら、損をして、笑いものになるのは日本国民だ。
**********
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/6c/43d57287ab0f14ee78978addfa051c56.png)
群馬県安中市の大谷・野殿地区の丘陵地帯に広がる約137万ヘクタールの山林等は、昭和40年代後半に朝日新聞グループの日刊スポーツ新聞社が、グループ専用の高級ゴルフ場を造るため、買収されはじめました。半分ほど虫食い状態で買収された後、オイルショックで頓挫しましたが、平成に入りバブル経済に日本中が湧きたったころ、ゴルフ場開発ブームが再燃し、飛島建設と組んだ再春館製薬所の傘下の地上げ屋が地元に乗り込んで日刊スポーツが買い残した山林の買収交渉を始めました。
すると、これに触発されて日刊スポーツ新聞社も自らゴルフ場計画を目指して動き出し、飛島建設が倒産して後ろ盾を失くした企業舎弟の地上げ屋が日刊スポーツに擦り寄り、あろうことか、暴力団によるゴルフ場開発を社説で批判していた朝日新聞のグループ会社が、フロント企業と組んで地上げに手を染めてしまいました。
しかし、地上げ業務が終わった時にはとっくにバルブ経済が崩壊し、銀行からの融資もえられなくなり、朝日新聞グループの高級ゴルフ場計画はついに実現することなく、頓挫してしまい、137ヘクタールの山林が社有林として残されたのでした。
そして歳月が経過し、今度はメガソーラーブームが到来したことにより、日刊スポーツが所有する広大な里山地帯に、再び怪しげな地上げ業者が擦り寄り、日刊スポーツはそのうちの一社に、苦労して買収した社有林をあっさりと手放すことを決めてしまいました。
その一社というのが、安中ソーラー合同会社です。
■当会では、2016年3月31日に県庁を訪れた際に、同3月23日に日刊ゴルフ場計画跡地における安中ソーラー合同会社によるメガソーラー発電施設設置計画に関して、同3月23日に群馬県の大規模開発条例に基づく大規模土地開発事業審議会が行われていたことを知りました。
※大規模土地開発事業について↓
https://www.pref.gunma.jp/04/b4010010.html
※大規模開発条例の手続きの流れ(概要版)PDF ⇒ qnkjitvj.pdf
そこで、その後、群馬県公開条例による情報開示請求を行い、4月22日に大規模土地開発事業審議会の議事録をのぞく関連情報が部分開示されました。開示された情報は次に示す通りです。
○公文書部分開示決定通知書ほか(平成28年4月19日)
PDF⇒20160422jkjm.pdf
①平成27年度第1回群馬県大規模土地開発事業審議会会議次第(平成28年3月23日)
PDF⇒20160422jk11ircj.pdf
②第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(1)
PDF⇒20160422jk1cppt1.pdf
③第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(2)
PDF⇒20160422jk1cppt2.pdf
④第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(3)
PDF⇒20160422jk1cppt3.pdf
⑤第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(4)
PDF⇒20160422jk1cppt4.pdf
⑥第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(5)
PDF⇒20160422jk1cppt5.pdf
⑦第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(6)
PDF⇒20160422jk1cppt6.pdf
⑧第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(7)
PDF⇒20160422jk1cppt7.pdf
⑨第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(8)
PDF⇒20160422jk1cppt8.pdf
⑩第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(9)
PDF⇒20160422jk1cppt9.pdf
⑪第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(10)
PDF⇒20160422jk1cppt10.pdf
⑫第1号事案「安中市大谷、野殿地区太陽光発電事業」について(11)
PDF⇒20160422jk1cppt11.pdf
⑬大規模土地開発事業計画協議に対する群馬県の指摘事項と事業者の回答(概要)
PDF⇒20160422jk13ij.pdf
⑭平成27年10月20日起案「大規模開発条例の規定に基づく計画協議に対する指摘等について(通知)」
PDF⇒20160422jk2ih27.10.20mn.pdf
⑮平成27年11月20日起案「大規模開発事業事前協議に係る審査(2回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk3ih27.11.20mn.pdf
⑯平成28年1月21日起案「大規模開発条例の規定による指摘等について(2回目)(通知)」
PDF⇒20160422jk4ih28.1.21mn.pdf
⑰平成28年1月27日起案「大規模土地開発事業事前協議に係る審査(3回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk5ih28.1.27mn.pdf
⑱平成28年2月15日起案「大規模開発条例の規定による使役等について(3回目)(通知)」
PDF⇒20160422jk6ih28.2.15mn.pdf
⑲平成28年2月22日起案「大規模開発事業事前協議に係る審査(4回目)について(照会)」
PDF⇒20160422jk7ih28.2.22mn.pdf
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/3b/488982bbe0111ce96e8cd22f252f674a.jpg)
↑日刊ゴルフ場計画跡地の安中ソーラー合同会社のメガソーラー事業に係る計画概要(施設概要)↑
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/c5/30f1dc7e64099b94b71fbc9e0304a5f9.jpg)
↑安中ソーラー合同会社のメガソーラー事業に係る土地利用規制状況↑
当会では、日刊ゴルフ場計画の広大な跡地は水源林でもあるので、得体の知れない開発業者の開発申請には許可を出さないように、安中市や群馬県に採算に亘って要請をしてきました。とりわけ、上記開示資料②の14~14頁にあるように、今回の開発事業者が、タックスヘイブンで知られる米国のデラウェア州ウィルミントン市に拠点を置くペーパーカンパニーを代表社員とし、東京の赤坂溜池にあるビルの6階にある税理士法人の代表の日本人と、中国の香港に在住する怪しげな中国人が職務執行者となっている実態のないペーパー会社が、行政手続きを全て他の会社に丸投げして、一度も行政や地元住民らの前には顔を出さないという異常な形態での開発行為に警鐘を鳴らし続けてきました。
しかし、そうした声に行政は耳を貸そうとせずに、3月23日の大規模審議会でこの如何わしい会社のメガソーラー計画についてゴーサインを出してしまったようです。(この審議会の議事録は近日中に別途情報開示される予定です)
■上記開示資料②の14頁には「事業計画の枠組み(スキーム)」と題する相関図が示してあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/95/5e3e3e0fbdb1b87f47a479d920a24726.jpg)
この中に、それまで地元への説明会でも全く名前の出てこなかった「アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド」という会社が「事業主資産管理・資金調達業務補助」という名目でこの事業に参画していることが初めて分かりました。
上記の相関図には、「安中ソーラー合同会社の意思決定について」として、次のように記載されています。
「安中市大谷野殿地区 太陽光発電事業(以下「本事業」といいます。)は、特別目的会社である安中ソーラー合同会社(以下「事業主」といいます。)が事業主となり推進するスキームを採用しております。
本事業の推進に関しては、スキーム図に記載の通り事業主と契約を締結している各々の企業「各契約当事者」といいます。)がその役割に従い連携し合って推進していくこととなりますが、事業主としての意思決定は、アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド」が、事業推進を行う㈱ザイマックス・アセットコンサルティングの意見や金融機関を含む各契約当事者の意向や状況を取りまとめた上で事業主へ助言を行い、事業主は代表社員(注)であるグレート・ディカバリー・ホールディングスの決定をもって、事業主としての意思決定を行う仕組みとなっております。(注:合同会社の場合、いわゆる親会社のことを代表社員と申します。)
具体的な本事業の推進体制につきましては、貴県を含みます官公庁・地権者様・周辺住民の方々・その他関係者様への連絡窓口は㈱ザイマックス・アセットコンサルティングが、許認可手続きの具体的な実務については㈱オオバがその役割を担うこととなります。」
■そして、上記開示資料②の12ページに、アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッド(東京語港区赤坂二丁目17番7号 赤坂溜池タワー9F)日本における代表者 サイモン・マクドナルド名義で、次の内容の書面が群馬県知事あてに提出されています。
「当社は『安中市大谷野殿地区 太陽光発電事業』において、事業主体である安中ソーラー合同会社が事業推進に伴う事業管理責任を適切に果たすよう、本事業全般について同社が意思決定を行うに際し適時助言を行うとともに、同社の連携事業者と協力し、適切な事業運営が行われていることを継続的にモニタリングいたします。」
実体のないペーパー会社にどうやって事業管理責任を果たせるのか、また、「適時助言」や「適切な事業運営の継続的モニタリング」とは具体的に何を意味しているのかについても、全く分かりません。
しかし、群馬県では、こうした実態の伴わない書面でも、手続き書類として完備されていると判断してしまうようです。土地・水対策室の職員は、当会の心配に対して「とくに心配するほどのこともない」などとする見解を示す有様です。
当会からは「この山崎亮雄や、香港在住のリュー・シャオ・フィという御仁が県庁に一度でも来たことがあるのでしょうか?」と聞くと、県の職員は「いちども見たことがない」と平然と言いのける始末です。
■さて、前段が長くなりましたが、5月10日から公開されている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のホームページをチェックすると、このアジア・パシフィック・ランド・リミテッドという会社名が検索できます。
※「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)のURL↓
https://offshoreleaks.icij.org/
<Entity: ASIA PACIFIC LAND LIMITED>
incorporated: 31-JAN-1994
https://offshoreleaks.icij.org/nodes/123454
一方、同社のHPには「アジア・パシフィック・ランド(APL)は、不動産投資・アセットマネジメントおよび開発を手掛けるプライベートカンパニー。1994年に設立、現在は東京・上海・香港・台北にて事業展開を行う。」という記載があります。
http://www.asialand.com/jp/
<APLグループ 創業者>
ウィリアム・D・ショーンフェルド(William D.Schoenfeld)最高経営責任者
リチャード・J・ライトネック(Richard J.Reitknecht)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
<APLグループ 経営陣>
ウィリアム・スカリー(William Scully)マネージング・ディレクター、米国投資
サイモン マクドナルド(Simon McDonald)アセットマネジメント統括責任者
ナイジェル・オリバーフロスト(Nigel Oliver-Frost)マネージング・ディレクター ソーシング及びアセットマネジメント
ナンシー・ファーガソン(Nancy Ferguson)チーフ・オペレーティング・オフィサー (COO)
シャウ・ウェイ・リュウ(Sheau Hui Liew)チーフ・ファイナンシャル・オフィサー (CFO)
マーク・ルビンスティン(Marc Rubinstein)ゼネラルカウンセル(法務責任者)
【ウィリアム・D・ショーンフェルド (William D. Schoenfeld)】
最高経営責任者
APLの創業者であり、同社最高経営責任者を務めるショーンフェルド氏は、アジアおよび北米地域における不動産投資で20年以上の経験を有し、バブル崩壊後の1997年、日本における最初の外資系不動産投資会社の一つとしてAPLを統率。APL設立前は、1990年から1993年まで、当時バンク・オブ・アメリカ社の子会社であったBA(アジア)リミテッドのヴァイスプレジデントとして主にアジアにおける不動産事業を統括。 1989年から1990年までジョーンズ・ラング・ウートン社(1999年にラサール・パートナーズ社と合併、現ジョーンズ・ラング・ラサール社)の投資サービス部門のヴァイスプレジデントとして、同社米国支店にて不動産投資家に物件取得、資金調達、デット及びエクィティ・ストラクチャリングに関する助言業務に従事。1988年から1989年まで日本の大手不動産建設・開発会社である長谷工コーポレーション(東京)に勤務。ウィリアムズ大学卒業(哲学士)。日本語と中国語に堪能、広東語にも精通。中国本土において、主に子供の教育と環境、貧困の改善を主目的とする多数の慈善団体を設立
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/29/4dd3368c3fa115c36f5ac92d8c9749ff.jpg)
↑写真: ECSELプログラムの授与式でプレゼンターを務めたビル・クリントン元大統領(2010年4月)。右から左:ウィリアム・ショーンフェルド(APLの創設者兼社長)、ジンギ・ジャン、クリントン元大統領、ワン・ジュン、ベンジャミン・ルーディック(ECSEL理事)↑
■ここで、初めてリュー・シャオ・フィという人物が特定できる情報を知ることができます。アルファベットでLiew Sheau Huiと書くことが分かりました。この名前をネット検索するとさっそく次の情報をヒットできます。
https://www.linkedin.com/in/sheau-hui-liew-05a9b04
Sheau Hui Liew, Group Chief Financial Officer
香港 不動産
現在の役職:Asia Pacific Land 以前の役職:CBRE Investors, Frasers Commercial Trust, Allco Finance Group 職歴:
Group Chief Financial Officer, Asia Pacific Land 2011年10月 – 現在 (4年 8ヶ月)香港
CFO - Asia Pacific, CBRE Investors 2009年6月 – 2011年10月 (2年 5ヶ月)
CFO, Frasers Commercial Trust 2007年4月 – 2009年6月 (2年 3ヶ月)
After acquisition by Frasers Centrepoint in August 2008
CFO Asia, Allco Finance Group 2007年4月 – 2008年8月 (1年 5ヶ月)
Associate Director, PwC 1993 – 2007 (14年)
学歴:
Curtin University of Technology, Accounting, Bachelor of Business (Hons) 1989 – 1992
また、この人物のプロフィールもアジア・パシフィック・ランド・リミテッド(APL)の会社データを載せている次のURLに記されています。
https://www.aihitdata.com/company/00527CF7/ASIA-PACIFIC-LAND/history
**********
SHEAU HUI LIEW, Chief Financial Officer
Mr. Liew joined APL in 2011 and is responsible for the regional level management of the accounting and finance functions of APL. Mr. Liew has over 20 years of financial accounting, reporting, operations and audit experience. Prior to APL, Mr. Liew was the Asia Pacific CFO for CBRE Investors, where he was in charge of the finance, taxation, treasury, risk management and compliance functions. Mr. Liew began his career with PwC, and advanced to the role of Associate Director before joining Frasers Centrepoint Asset Management / Frasers Commercial Trust as their Chief Financial Officer in April 2007. Mr. Liew has a Bachelor of Business (with Honors) degree from Curtin University of Technology (Australia) and is an Australian Certified Public Accountant.
<History>
2013-08-13 insert person SHEAU HUI LIEW
2013-08-13 insert otherexecutives SHEAU HUI LIEW
2015-10-09 update person title Sheau Hui Liew: Group Chief Financial Officer => Chief Financial Officer
2015-10-09 insert cfo Sheau Hui Liew
2015-10-09 delete otherexecutives Sheau Hui Liew
■APL社のHPには「APLグループ・グローバルネットワーク」として次の情報が載っています。
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■香港 1994年設立
住所:Suite 2102 Nine Queen’s Road, Central, Hong Kong SAR, China
電話:852-3656 8000
FAX:852-2509 3238
■上海 1998年設立
住所:Unit 2588-2589, Central Plaza, 381 Huai Hai Middle Road, Shanghai 200020, China
電話:8621-6136 1888
FAX:8621-6136 1880
■東京 1999年設立
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-7 赤坂溜池タワー9階
電話:813-4560 7000
FAX:813-4560 7001
■瀋陽 2008年設立
住所:18 Zhonghua Road, Heping District, Shenyang 110001, China
電話:8624-3187 9999
FAX:8624-3187 8930
■台北 2009年設立
住所:36F ,No.68,Sec.5,Zhongxiao E. Rd, Taipei City ,Taiwan
電話:886-2-8722 2799
FAX:886-2-8780 1706
ところがパナマ文書の情報によれば、APL社の住所は次のとおりとなっています。
ASIA PACIFIC LAND LIMITED
Address
Portcullis TrustNet Chambers P.O.Box 3444 Road Town, Tortola BRITISH VIRGIN ISLANDS
Incorporation date: 31-JAN-1994
つまりタックヘイブンで知られる英領バージン諸島で1994年1月31日に設立されたとなっています。
■当会の見立て通り、安中ソーラー合同会社の実態は、国際脱税組織によるペーパー会社であることが、はっきりしてきました。しかも、実質的な事業主として、香港在住の中国人が関与していることが明確になりました。
安中ソーラー合同会社が大規模開発を使用としている場所は、水源涵養機能を持つ里山地帯です。したがって、群馬県水源地域保全条例の摘要がなされるべきだと考えていますが、群馬県の土地・水対策室は、当会のこの申し入れに対しても、馬耳東風の構えしか見せません。
※群馬県水源地域保全条例 PDF⇒
しかも、この開発地域に存在する数ヘクタールにも及ぶ公有地が、中国人が関与する事業主にタダで払い下げられてしまう恐れも出てきています。
また、東邦亜鉛安中製錬所が排出するカドミウムにひろく土壌汚染された岩野谷地区に唯一残された健全土壌地帯であるにもかかわらず、汚染土壌の客土用として当会が開発業者に残土の提供を要請して、地元貢献に資するよう強く依頼してきましたが、それも反故にされてしまいました。
当会は、引き続きこの問題について粘り強く、行政や土地の譲渡人である日刊スポーツに対して、善処を申し入れて参ります。
【ひらく会情報部】
※パナマ文書公表に関する報道記事の例
*********NHK News Web 2016年5月10日 19時01分
パナマ文書 日本の個人は約230人か 不透明な運用も
「パナマ文書」の問題を報じた各国の記者で作る団体は、文書に記載されたタックスヘイブンにある法人21万社余りについて、実質的な所有者などの名前を公表しました。この中に、日本に住所がある日本人とみられる個人およそ230人が含まれていたほか、日本企業もおよそ20社ありました。
ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合は、日本時間の午前3時すぎ、パナマ文書に記載されていたタックスヘイブンにあるおよそ21万4000社の法人について、実質的な所有者や株主の名前をホームページで公表しました。
この中には、日本に住所があり、氏名から日本人とみられる個人がおよそ230人含まれていたほか、日本の企業もおよそ20社ありました。
このうち連絡先が判明したおよそ50の個人や企業に対し、タックスヘイブンの法人との関わりなどについて尋ねたところ、海外の取引先への出資や海外で行った事業の税負担を軽くするために合法的に利用していると回答したところがほとんどでした。
ただ、中には中国の国営企業の幹部から重油の取引を仲介する法人の設立を持ちかけられ、仲介手数料を受け取る見返りに幹部に裏金を渡す約束をしていたというケースもありました。
また、名前を公表されたものの、「全く心当たりがない。勝手に名義を使われた可能性がある」などと話す個人や企業も複数あり、タックスヘイブンにある法人の実態の不透明さも浮かび上がりました。
★“海外での事業展開に必要”
タックスヘイブンに法人を設立していた企業の多くは、海外で事業を展開するのに必要だったと説明しています。
IT関連のベンチャー企業で税負担を軽くするためにペーパーカンパニーを設立する業務を担当していたという元幹部社員の男性は、以前、バージン諸島やケイマン諸島などに9つの法人を設立し、パナマ文書に名前が載ったということです。男性は「現地に行かなくても、弁護士事務所などを通せば送られてきた書類へのサインなどで簡単に設立できた。タックスヘイブンの法人口座に海外事業での売り上げを入れれば、税金がほとんどかからず、海外でのM&Aなどの新たな企業活動に資金を回すことができた」と話しています。
また、日本企業が中国での事業で抱えるリスクを減らすために、タックスヘイブンの法人を利用したケースもありました。
東京のヘアサロン運営会社は先月、中国の北京にオープンしたヘアサロンを運営するため、去年イギリス領アンギラに法人を設立していました。会社の担当者は「今後、日中関係が悪化したときにデモなどで襲撃されることがないよう、日本の企業と分からなくすることが目的だった」と説明していて、租税回避が理由ではないとしています。
★運用に不透明な点も
パナマ文書で氏名を公表された人への取材から、タックスヘイブンの法人は代行業者を通じて比較的に簡単に作れる一方、運用などに不透明な点もあることが見えてきました。
FX取引の自動売買システムを国内外で販売していたという男性は、5年ほど前にインド洋の島国セーシェルにペーパーカンパニーを設立したということです。インターネットで香港の代行業者を通じて20万円ほどの費用で設立し、法人の代表者を別人の名義にする制度を利用して自分の名前が表に出ないようにしたということです。
男性は「海外での売り上げを国内に戻すと為替手数料や税金などがかかるため、タックスヘイブンを使った。違法行為はなく事業を成功させるためだった。法人はメールでのやり取りで簡単にできた」と話しています。
男性は海外での売り上げが伸びなかったことなどから、同じ代行業者に法人を清算するよう依頼したということです。ところが公開されたパナマ文書によりますと、男性が清算したはずのペーパーカンパニーはその後、別の人物が所有していたことが分かりました。男性は「代行会社が勝手に転売したかもしれない。信じられないし気味が悪い」と話しています。
インターネット上でこの男性が利用したのと同じような代行業者を探すと、香港などに数多く見つかります。こうした業者のホームページには税率の低さがアピールされ、料金表や手続き方法の解説が載せられています。
NHKが複数の代行業者に電話で問い合わせたところ、いずれも日本語で担当者が応対し、このうちの1社は「メールのやり取りで書類にサインして入金し、現地の当局に書類を提出すれば数日後にはタックスヘイブンに会社を作ることができる」と説明していました。
最近は、タックスヘイブンとして有名になったケイマン諸島よりも、セーシェルやアンギラなどを選ぶ顧客が増えているということです。ただ、パナマ文書の問題を受けて口座を開く際の銀行の審査が厳しくなっていて、正当な必要性がなければ開設はできない状況になっているということです。
★中国企業に裏金を約束
中国の国営企業の幹部に裏金を渡す約束で、タックスヘイブンに法人を作ったとするケースもあります。
西日本で貿易関連会社を営む男性によりますと、5年前、中国の国営企業の幹部に頼まれて、ロシアの企業から重油を購入する取り引きを仲介するペーパーカンパニーをバージン諸島に作ったということです。幹部とは、中国の国営企業からこのペーパーカンパニーに支払われる仲介手数料の中から月に数千万円を裏金としてキックバックする約束だったということです。しかし、重油の取り引きが一向に行われなかったため、男性はペーパーカンパニーを清算したということです。
★心当たりがないケースも
名前を公表されたうち、タックスヘイブンにある法人の株主とされた個人や企業の中には「なぜ載っているのか心当たりがない」として、困惑するケースも出ています。
このうち、東京都内でクリーニング店を営む男性は「店も私個人も海外との取り引きはありません。いったいどこからそういう話が出たのかが不思議です」と話しています。
また、神奈川県の70代の男性は「会社を作ったことも出資したこともない。海外で仕事をしていた期間が長かったので、勝手に名刺の名前を使われたのかもしれない」と話しています。
さらに東京の塾経営会社も「確認のために社内調査をしたが、全く事実はなかった。身に覚えのない話だ」と説明しています。
★専門家 「国際的に情報交換を」
国税庁の元幹部で国際税務に詳しい川田剛税理士は、最近のタックスヘイブンを巡る状況について、「インターネットで簡単に法人を設立したり、買ったりできるようになり、活用する企業や個人が以前に比べ大きく増加している。タックスヘイブンを活用しても制度にのっとって申告をしていれば問題はないが、一部では脱税やマネーロンダリングの温床になりかねない。各国の税務当局は対策を進めているが、悪質な租税回避をすべて防ぐことはできず、いたちごっこのような状況になっている。国際的に情報交換を進める必要がある」と指摘しています。
そのうえで、「今回のパナマ文書のように情報が出ることは、これからも続くだろう。情報が公開されることが悪質な租税回避の抑止につながるのではないか」と話しています。
**********NHK News Web 2016年5月10日 19時31分
パナマ文書 名前挙がった企業や経営者は
「パナマ文書」に記載された法人21万社余りについて、実質的な所有者などの名前が公表され、中には日本人とみられる個人や日本企業もありました。名前の挙がった企業や経営者の見解をまとめました。
公表されたパナマ文書のデータでは、大手通信会社ソフトバンクグループの関連会社がイギリス領バージン諸島の企業に出資していたと記載されていますが、孫正義社長は「事業目的の企業への少額出資で、すでに売却済みだ」と説明しました。
ソフトバンクグループによりますと、グループ内の2つの企業が、平成12年と平成19年にそれぞれ別の中国の企業が現地に設立した会社に2億円と6000万円、出資したということです。しかし、いずれも事業が軌道に乗らず、すでに保有していた株式を売却し、撤退したということです。
ソフトバンクグループの孫社長は10日に開かれた決算発表の記者会見で、「どちらもソフトバンクが設立した企業ではなく、事業目的の企業への少額出資だ」と説明しました。そのうえで、いわゆるタックスヘイブンとされる地域への企業の設立が課税逃れではないかという指摘が出ていることについて、「議論があるところだが、われわれは世界的な競争の中で事業を行っていて、今後、世界的なルールの変更があればそれに従っていく」と述べました。
「パナマ文書」に記載されていたとして名前が公表された法人のうち、大手商社の丸紅は、「確認中だ」としながらも、イギリス領バージン諸島の法人に出資していると記載されていることについて、「中国本土で銅線の生産を手がける台湾メーカーと取り引きを行った際に、小規模の出資を求められたもので、租税回避が目的ではない」と話しています。
國分文也社長は記者会見で、「報道を受けて、タックスヘイブンに登録されている関連会社などを洗い出して調査をしているところだ。数十社が対象として出ているが、今のところ違法性は全くないし、租税回避を目的にして会社を設立することはない」と述べ、適切に対応しているという考えを示しました。そのうえで國分社長は、「タックスヘイブンでは会社を設立する手続きが簡易なことや、パナマやシンガポールなど金融や商品の取り引きの中心ということもあるので、コンプライアンス上の問題や違法性がないという確認は当然したうえで、ビジネス上の判断から今後もそういう場所に拠点を置くことは否定しない」と述べました。
一方、同じ法人への出資などで名前が記載されている伊藤忠商事は、「文書にどのような内容が載っているのか確認中だが、出資は事業を進めるうえで行ったもので、租税回避が目的ではない。海外の取引先から求められるなどして、タックスヘイブンと呼ばれる国や地域にある法人に出資をすることはあるが、いずれも日本の税制に従って納税するなど、適切に対応している」と話しています。
また、三井物産によりますと、公表されたデータの中に、過去に海外にある子会社がバージン諸島の法人に出資したケースが記載されているということですが、「中国本土で港湾ターミナルを運営する事業に参加する際に出資したもので、租税回避が目的ではないし、すでに法人は清算されている」と話しています。
公表されたパナマ文書のデータでは、楽天の三木谷浩史社長の氏名もイギリス領バージン諸島の会社に出資していたと記載されています。
楽天は三木谷社長の話として、「今から20年以上前、楽天を設立する前に、知人からの紹介を受けておよそ80万円を投資会社に出資したが、その会社の事業は失敗に終わり、結局、一部のお金しか戻ってこなかった」と説明しています。
そのうえで「租税回避を目的とした投資ではなく、やましいことはない。利益が出たら日本の税制にのっとって税金は払うので、問題はないと考えている」と説明しています。
大手警備会社「セコム」の創業者の1人で最高顧問の飯田亮氏は、バージン諸島の法人に関連して名前が記載されています。これについてセコムの広報は「日本の税務当局から求められた必要な情報を随時開示しており、合法的に処理されていると聞いています」とコメントしています。
また、神戸市に本社があるコーヒーメーカー、「UCCグループ」のCEO=最高経営責任者、上島豪太氏もバージン諸島の法人の株主として記載されています。これについて上島氏は会社の広報を通じて、ビジネスのための出資を行ったと説明したうえで、「日本の税務当局から求められた情報は随時開示し合法的に納税しています。租税回避が目的ではありません」とするコメントを出しました。
一方、パナマ文書には、今はなくなったIT企業「ライブドア」もバージン諸島の会社の株主として記載されています。
平成17年12月に公表された有価証券報告書や旧ライブドアの関係者によりますと、当時、ライブドアは中南米でインターネット広告の事業を行う会社を平成17年9月におよそ12億円で買収していて、会社の登記をバージン諸島で行っていました。ライブドア関係者は「租税回避という目的ではなく、安定した法整備や手続きのスムーズさなどを考えバージン諸島に登記したはずだ」と話しています。
**********The Huffington Post 2016年05月11日 11時41分 JST 更新: 2016年05月11日 11時42分 JST
パナマ文書問題、孫正義氏「ほとんど利益は出なかった」
執筆者: 吉川慧
世界各国の首脳や富裕層の隠れた資産運用を明らかにした「パナマ文書」の報道を続けている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は5月10日、タックスヘイブン(租税回避地)に設立された約21万社の企業リストなどを公表した。リストにはソフトバンクのグループ会社など有名企業の名前も含まれており、各企業は相次いで経緯を説明するコメントを出した。NHKニュースなどが報じた。
この日、ソフトバンクグループの孫正義社長は記者会見で、「パナマ文書」に記載された2社に計約2億6000万円を出資していたことを明かした。孫氏は「私も驚いた。租税回避の意図はない」と話した上で、2社については「どちらもソフトバンクが設立した企業ではなく、事業目的の企業への少額出資だ」と述べた。株式はすでに売却済みで「ほとんど利益は出なかった」と説明した。
一方で、タックスヘイブンが、租税逃れに利用されているのではという指摘について孫社長は「世界的な投資会社が、そういう形態を取って行っている状況なので、我々だけがそのルールと違う形でやると投資競争には勝てない。世界的にルールの見直しがあれば、我々も同じようにそれに従う」と述べたと、テレ朝newsが報じた。
パナマ文書には総合商社の丸紅と伊藤忠商事の名前も含まれていた。丸紅の国分文也社長は10日の決算会見で、関連会社などを調査をしているとした上で「今のところ違法性は全くないし、租税回避を目的にして会社を設立することはない」と述べた。その一方で「タックスヘイブンでは会社を設立する手続きが簡易なことや、パナマやシンガポールなど金融や商品の取り引きの中心ということもあるので、コンプライアンス上の問題や違法性がないという確認は当然したうえで、ビジネス上の判断から今後もそういう場所に拠点を置くことは否定しない」と話した。
伊藤忠商事はNHKニュースの取材に対し、法人への租税回避との指摘を否定した。また、同社の鉢村剛常務は時事ドットコムの取材に対し、「台湾企業が中国で銅関係のビジネスを行うために立ち上げた会社に出資し、それがタックスヘイブン地域にあった」と、同社の関連会社がパナマ文書に載っていた経緯を説明した。
■麻生財務相「G7でも議論をしていかないといけない」
一連のパナマ文書問題については、政府としても対応する構えだ。菅義偉官房長官は10日の記者会見で「適正、公平な課税の実現に努めるべきだということは全く変わりない。今後も適切に対応していく」と述べた。また、麻生太郎財務相もこの日の閣議後会見で「日本が議長を務めるG7でも議論をしていかないといけない」とし、5月に開かれるG7(主要7カ国)の財務相・中央銀行総裁会議や伊勢志摩サミットで議題とし、租税回避を防止するため連携を目指す方針を示した。
パナマ文書は4月上旬に報道されてから、ロシアのプーチン大統領の友人や中国の習近平国家主席の親族など、各国首脳が関与している疑いも次々に明らかにされている。市民から厳しい批判を受けたアイスランドのグンロイグソン首相は辞任に追い込まれた。また、スぺインのソリア産業相もパナマ文書に記載された中米バハマの法人への関与を報じられたことを受け、辞表を提出した。
「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)のサイトは https://offshoreleaks.icij.org/
**********ZAKZAK 夕刊フジ2016.05.11
パナマ文書公開 実名リスト「400社」 伊藤忠、丸紅、ソフトバンク
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/4a/b0bfe8e08fd48b070bc1cbab2b95cbef.jpg)
↑パナマ文書報道で名前が挙がった主な日本関連の企業、個人 ※共同通信の報道から↑
「パナマ文書」問題で、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は日本時間10日午前3時、タックスヘイブン(租税回避地)に設立された法人と関連企業や個人の実名、住所のリストをインターネット上で公表した。日本関連の出資者は約400あり、有名企業や経営者、さらに指定暴力団ナンバー2に近いとされる関係者の名前も挙がる。麻生太郎財務相は「問題のある取引が認められれば税務調査をする」と明言した。
ICIJが公開したのは、タックスヘイブンに設立された21万社以上の法人と、それに関連する約36万の企業や個人の名前、住所のリスト。文書の約1150万通にも上る膨大な資料から、ICIJが作成、国ごとに分類されており、キーワード検索もできるようになっている。
ただ今回の公表には、パスポートのコピーやメールのやりとり、金融取引の記録など、文書そのものは含まれていない。
日本関連の出資者は約400あり、重複を除くと日本人約230人、外国人約80人、企業など約20が、32都道府県に広がっていた。
大手企業では総合商社の伊藤忠商事や丸紅、ソフトバンクのグループ企業などが名前を連ねた。個人では警備大手セコムの創業者、飯田亮(まこと)氏らや、飲料大手UCCグループトップの上島豪太氏ら企業の経営者が並ぶ。両社は「租税回避が目的ではない」などとコメントした。
インターネット通販大手楽天の三木谷浩史会長兼社長は「租税回避の認識はなく、全くやましいところはない」と回答。回避地法人の株主連絡先として、都市経済評論家で内閣官房参与の加藤康子氏が代表取締役を務める会社名が記載されていたが、加藤氏は共同通信の取材に「全く心当たりがなく大変驚いている」と述べた。加藤氏は加藤勝信1億総活躍担当相の義姉。
麻生財務相は10日の閣議後の記者会見で、パナマ文書のリスト公表に関し、「一般論として、あらゆる機会を通じて情報収集や課税の実現を図るのは当然だ」と強調、5月20、21日に仙台市で開かれる先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で課税逃れ問題について議論する考えも示した。菅義偉官房長官も「適正で公平な課税に努めるのが基本姿勢だ」と述べた。
租税回避地に法人を設立する背景も浮かび上がった。兵庫県芦屋市の貿易コンサルタントの男性(64)は共同通信の取材に「中国国営企業によるロシア企業との重油取引の仲介目的で、英領バージン諸島に法人を設立した。実際には取引がなく、自分の租税回避には利用していない」などと説明した。
男性によると、5年ほど前、岐阜県の男性に話を持ち掛けられ、中国で国営企業幹部と面会した。仲介料の大半を中国側の複数の幹部が受け取り、男性らにも数万ドルが入る計画で、法人設立は中国側幹部の提案だった。男性は「おいしそうな話に踊らされた」と話した。
石川県の医系大学の名誉教授は2012年、英領バージン諸島に法人を設立した。中国人投資家に新薬開発を持ち掛けられ、開発に必要な3億円規模の資金の受け皿としてだったという。
その後、日中関係悪化の影響からか、連絡がなくなった。名誉教授は「投資家が新薬の収益への税を逃れるつもりだったのだろう」と話した。
セーシェルの法人の関係書類には札幌市の大手企業役員の名前があった。ただ法人の設立は、この役員が個人で中国を拠点に貿易商をしていた時期と重なり、役員は企業を通し一部の書類のサインが自らのものと似ているとしたが「記憶がない」と回答。企業側も「本人が会社を離れていた時のことだ」とした。
パナマ文書について「日本企業への影響は小さくない」と語るのは『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』(幻冬舎新書)の著書もある国際政治学者の藤井厳喜氏。「会社の買収などで当時は合法的だったかもしれないが、税金が安いところに利益移転することをやめようというのが国際的な流れで今後はタックスヘイブンを使いづらくなるだろう」とみる。
藤井氏は世界的な影響について「パナマ文書で最も打撃を受けたのは中国・香港と英国。米中の対立構造が深まるなかで、中国に接近している英国を叩くためにパナマ文書が公開されたとの見方ができる」と語る。
さらに「今後の注目点は米国だ。パナマ文書でも米ネバダ州のタックスヘイブンが出てきている。米国内の租税回避についてルー財務長官は調査する方針を示しており、企業の本当のオーナーが誰か、明らかになるのかが興味深い」としている。
**********日刊ゲンダイ2016年5月11日
「パナマ文書」徹底調査 安倍官邸も国税庁も“ヤル気ゼロ”
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/1b/7dc8ebc9cf8ac87e8302144aa24a04bb.jpg)
↑国税庁は及び腰(民進党のパナマ文書調査チーム)↑
全容が公開された「パナマ文書」。名前が挙がった日本人230人や企業20社の中には、政府関係者も含まれている。本来、租税回避をやめさせる立場にある人物が、逆にタックスヘイブンを使っていた“疑惑”があるなら、政府として調査するのは当たり前。だが、安倍政権はやる気ゼロだ。
11日行われた衆院財務金融委員会。加藤勝信1億総活躍相の義姉で、内閣官房参与の加藤康子氏が代表を務める会社名が、パナマ文書に記載されていたことについて、内閣府の牧島かれん政務官は「報道については承知しているが、文書の具体的な中身は承知していない」とスットボけた。
さらに、今後調査するかについて問われると、「『租税回避に関与している事実はない』と聞いている」「ご本人の方で調査して報告があると思う」と答弁したから、ア然だ。仮に関与の事実があったとしても、本人が素直に認めるものか。そこを徹底的に調べ上げるのが国の役割だろう。
また、政府の産業競争力会議で委員を務める楽天の三木谷浩史会長についても、内閣府の高鳥修一副大臣は「報道で名前があっただけ。現時点では特別の調査は考えていない」と言い切った。
委員会で質問した民進党の宮崎岳志衆院議員はこう言う。
「調査をすれば、政治家本人が関わっているケースが見つかるかもしれません。不適切な租税回避をしている企業から多額の献金をもらっている政治家が出てくる可能性もあります。安倍政権としては、戦々恐々でしょう。何も調べずに済ますことは絶対に許されません」
パナマ文書は4月に公表されて以降、世界の政治家を“直撃”している。アイスランドではグンロイグソン首相が資産隠し疑惑で辞任。名前が挙がったロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席らは“火消し”に躍起だ。ノンビリ構えているのは日本ぐらいだ。
■国税庁は「問題あったら対応する」
10日開かれた民進党の「パナマ文書調査チーム」によるヒアリングでも、国税庁は「問題があったならば対応する」と腰の引けた答えだった。
「国税庁からは全くやる気を感じられなかった。もし調査しないのであれば、パナマ文書を公開した人たちの意に反することになります。怪しいからこそ、全世界でニュースになっているわけですから。このままでは諸外国から笑われますよ」(民進党の山井和則国対委員長代理)
安倍政権は5月末の伊勢志摩サミットで、課税逃れ対策などの行動計画を発表する方針だというが、自国の暗部にはメスを入れないパフォーマンス。こんな政府に怒りもせず黙っていたら、損をして、笑いものになるのは日本国民だ。
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