官邸主導で社会保障改革 「全世代型」3年で断行 65歳以上雇用、議論開始 給付抑制、財源が課題
2018年10月4日 (木)配信共同通信社
第4次安倍改造内閣が3日、本格始動した。安倍晋三首相は少子高齢化を最大の課題と位置付け、2021年度までの3年間に、官邸主導で子どもから高齢者まで「全世代型の社会保障改革」を断行する構えだ。手始めに、5日の未来投資会議で65歳以上の雇用拡大に向けた議論をスタートさせるが、高齢化で膨らみ続ける社会保障給付費の抑制や、財源確保といった難題が待ち受ける。
首相は19年度までに雇用制度改革に道筋を付け、その後、21年度までに医療、介護、年金などの社会保障改革を進める方針で、新たに就任した根本匠厚生労働相に検討を指示した。
一方で、厚労相とは別に「全世代型社会保障改革担当相」を新設し、茂木敏充経済再生担当相に兼任を命じた。社会保障を政権の看板政策と位置付け、一丸で取り組む姿勢を示すのが狙いだが、先の国会の目玉だった働き方改革関連法を巡り厚労省に不手際が目立ったことを踏まえ、首相官邸で主導した方が得策との判断が働いた可能性もある。
未来投資会議ではまず、65歳を過ぎても働き続けられるよう、高年齢者雇用安定法の改正も視野に、企業に継続雇用制度の年齢引き上げや定年延長を働きかける施策を検討する。
公的年金の受給開始年齢は原則65歳。根本厚労相は3日の記者会見で「開始年齢の引き上げは必要ない」との認識を示した。厚労省の審議会では今後、受給開始時期を「70歳超」でも選べるように議論を始める。受け取りを遅らせた場合には、毎月の受給額を増やす方向で検討する。
政府は高齢者人口がピークに近づく40年度に、社会保障給付費が現在の1・5倍以上の約190兆円に上ると推計。首相は2日の記者会見で「国難と呼ぶべき少子高齢化に真正面から立ち向かう」と述べた。「生涯現役社会」を掲げ、元気な高齢者が長く働けるようにすることで、労働力不足を補い、社会保障制度の持続性を高めるシナリオを描く。
しかし肝心の給付費抑制や財源確保について具体策を示しておらず、国民の負担増を伴う施策は来年の統一地方選や来夏の参院選を避け、議論を先送りするとみられる。
2018年10月4日 (木)配信共同通信社
第4次安倍改造内閣が3日、本格始動した。安倍晋三首相は少子高齢化を最大の課題と位置付け、2021年度までの3年間に、官邸主導で子どもから高齢者まで「全世代型の社会保障改革」を断行する構えだ。手始めに、5日の未来投資会議で65歳以上の雇用拡大に向けた議論をスタートさせるが、高齢化で膨らみ続ける社会保障給付費の抑制や、財源確保といった難題が待ち受ける。
首相は19年度までに雇用制度改革に道筋を付け、その後、21年度までに医療、介護、年金などの社会保障改革を進める方針で、新たに就任した根本匠厚生労働相に検討を指示した。
一方で、厚労相とは別に「全世代型社会保障改革担当相」を新設し、茂木敏充経済再生担当相に兼任を命じた。社会保障を政権の看板政策と位置付け、一丸で取り組む姿勢を示すのが狙いだが、先の国会の目玉だった働き方改革関連法を巡り厚労省に不手際が目立ったことを踏まえ、首相官邸で主導した方が得策との判断が働いた可能性もある。
未来投資会議ではまず、65歳を過ぎても働き続けられるよう、高年齢者雇用安定法の改正も視野に、企業に継続雇用制度の年齢引き上げや定年延長を働きかける施策を検討する。
公的年金の受給開始年齢は原則65歳。根本厚労相は3日の記者会見で「開始年齢の引き上げは必要ない」との認識を示した。厚労省の審議会では今後、受給開始時期を「70歳超」でも選べるように議論を始める。受け取りを遅らせた場合には、毎月の受給額を増やす方向で検討する。
政府は高齢者人口がピークに近づく40年度に、社会保障給付費が現在の1・5倍以上の約190兆円に上ると推計。首相は2日の記者会見で「国難と呼ぶべき少子高齢化に真正面から立ち向かう」と述べた。「生涯現役社会」を掲げ、元気な高齢者が長く働けるようにすることで、労働力不足を補い、社会保障制度の持続性を高めるシナリオを描く。
しかし肝心の給付費抑制や財源確保について具体策を示しておらず、国民の負担増を伴う施策は来年の統一地方選や来夏の参院選を避け、議論を先送りするとみられる。