<早朝の黒川温泉>
下駄を履いて玄関を出たところで、昨日は気がつかなかったが目の前に源泉が
湧いているところがあった。
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この源泉が、外気で温度調整されて足湯に流れているようである。
石段を昇って、いざ温泉街に。
朝が早すぎるせいか、当たり前だがどこの店もまだ開店はしていない。
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いご坂をくだって川端通りのほうに降りていく。
最初に降りきったところで、竹で囲われたなかで源泉が沸いているところにぶつか
る。
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振り返ると地蔵堂である。
由来が書いてあるが、およそ次のような話だ。
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『昔々、豊後国の甚吉という男が、瓜を盗んだということで首を刎ねられそう
になったが、それを免れた。その身代わりとして信仰していた地蔵の首が
刎ねられてしまう。そこで、村人はそれを甚吉地蔵として崇拝するように
なった。ところが細川藩士のなかにその地蔵を持ち去ろうとした男がいた。
だが、ある場所に辿り着くや、突如として地蔵が重くなり動かなくなる。
男は諦め、地蔵をその場に放置すると、村人は岩場に奉祀することにした。
すると、その岩の裂け目から湯が噴き出、村人の浴場となったという。
このいで湯こそ黒川温泉の発祥であり、今も地蔵湯と地蔵の首が残って
いる・・・』
さらに降りたところが外湯なのだが、早すぎてまだやってなかった。タオルと
小銭は持ってでたのであるが、前にはいったことがあるので、すっぱり断念する。
湯を掛ける水音がバシャバシャするところをみると、鍵を持っている地元のひと
が使っているのだろう。
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川向こうにある有名な新明館である。
テレビでもたびたび紹介されているが、黒川温泉の現在の隆盛はこの宿の後藤氏
から始まったのだ。
やまなみハイウェイができたころ客が殺到したものの、ブームがすぐに去って
客が激減する。
他の宿があいかわらず宴会客を中心として営業するなか、「癒し」と「くつろ
ぎ」というニーズと自然の中で解放されたいという欲求が客にあることを見抜き、
後藤氏はひとり露天風呂をつくろうと決意して、三年で完成させる。さらに植樹を
行い、野の山を再現する。
これが評判になり、新明館は繁盛する。
そうして、だんだんと各旅館がこの方式を取り入れていって、ありがちな歓楽的
要素や派手な看板をやめて黒川温泉街全体に統一的な町並みを形成していき、現在
の不動の人気をもたらしたのだ。
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上流に向かって歩くと足湯があった。どうやら、その目の前の宿のものらしいの
で遠慮しておく。
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道路の脇にも風情たっぷりの湯小屋みたいなのがあったが、これもどこかの宿
専用かもしれないので遠慮しておくことにした。
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公衆電話も、いかにもこの温泉街に溶け込んでおり味があって面白い。
→「黒川温泉(1)」の記事はこちら
→「黒川温泉(2)」の記事はこちら
下駄を履いて玄関を出たところで、昨日は気がつかなかったが目の前に源泉が
湧いているところがあった。
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この源泉が、外気で温度調整されて足湯に流れているようである。
石段を昇って、いざ温泉街に。
朝が早すぎるせいか、当たり前だがどこの店もまだ開店はしていない。
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いご坂をくだって川端通りのほうに降りていく。
最初に降りきったところで、竹で囲われたなかで源泉が沸いているところにぶつか
る。
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振り返ると地蔵堂である。
由来が書いてあるが、およそ次のような話だ。
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『昔々、豊後国の甚吉という男が、瓜を盗んだということで首を刎ねられそう
になったが、それを免れた。その身代わりとして信仰していた地蔵の首が
刎ねられてしまう。そこで、村人はそれを甚吉地蔵として崇拝するように
なった。ところが細川藩士のなかにその地蔵を持ち去ろうとした男がいた。
だが、ある場所に辿り着くや、突如として地蔵が重くなり動かなくなる。
男は諦め、地蔵をその場に放置すると、村人は岩場に奉祀することにした。
すると、その岩の裂け目から湯が噴き出、村人の浴場となったという。
このいで湯こそ黒川温泉の発祥であり、今も地蔵湯と地蔵の首が残って
いる・・・』
さらに降りたところが外湯なのだが、早すぎてまだやってなかった。タオルと
小銭は持ってでたのであるが、前にはいったことがあるので、すっぱり断念する。
湯を掛ける水音がバシャバシャするところをみると、鍵を持っている地元のひと
が使っているのだろう。
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川向こうにある有名な新明館である。
テレビでもたびたび紹介されているが、黒川温泉の現在の隆盛はこの宿の後藤氏
から始まったのだ。
やまなみハイウェイができたころ客が殺到したものの、ブームがすぐに去って
客が激減する。
他の宿があいかわらず宴会客を中心として営業するなか、「癒し」と「くつろ
ぎ」というニーズと自然の中で解放されたいという欲求が客にあることを見抜き、
後藤氏はひとり露天風呂をつくろうと決意して、三年で完成させる。さらに植樹を
行い、野の山を再現する。
これが評判になり、新明館は繁盛する。
そうして、だんだんと各旅館がこの方式を取り入れていって、ありがちな歓楽的
要素や派手な看板をやめて黒川温泉街全体に統一的な町並みを形成していき、現在
の不動の人気をもたらしたのだ。
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上流に向かって歩くと足湯があった。どうやら、その目の前の宿のものらしいの
で遠慮しておく。
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道路の脇にも風情たっぷりの湯小屋みたいなのがあったが、これもどこかの宿
専用かもしれないので遠慮しておくことにした。
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公衆電話も、いかにもこの温泉街に溶け込んでおり味があって面白い。
→「黒川温泉(1)」の記事はこちら
→「黒川温泉(2)」の記事はこちら
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