NHKの気象予報士・吉竹顕彰さんのエッセイ『天気の缶詰』が西日本新聞に連載されています。
春の植物の「魁(さきがけ)としてすでに寒中から咲き始めるのが椿である」と椿の美しさを愛で、石牟礼道子さんの小説『椿の海の記』を読んでの思いを自在に記してあり、興味深いです。
その中からいくつか〜肥前、筑後、肥後の方言・言葉の読み方で共通のものがあると気が付き紹介されています。徒然(とぜん)、びな、這う(ほう)、蟹(がね)
「私は少年のころ独り寂しいことを『とぜんなか』と言っていた」そうです。
〜徒然を(とぜん)というのは実は古語だそうです。子供時代には『ひまでなんしょうもなか』という時「とぜんなか〜』と、使っていたはずと懐かしく思い出しました。『徒然草』を習って「とぜんなか」の漢字が『徒然なか』と分かったんです。
「複雑な東シナ海沿岸の地形と島々に囲まれた内懐の有明海や不知火海は、波が穏やかである。小舟でも人々や物流の頻繁な交流が容易で、これが肥前、筑後の有明海沿岸とその南に位置する肥後の国にひとつの言語圏、文化圏を形成し、豊かな風習や言葉が生まれたのだろう。」と書かれています。吉竹さんは肥前出身の方だそうです。
(下:2022年9月19日 西日本新聞『天気の缶詰』㊳ 吉武顕彰「椿と石牟礼道子」より)