働く時間ではなく成果で賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の制度案を政府がまとめたとの報道がありました。残業が際限なく増えるのではという声はありますが、旧態依然とした雇用規制を崩す第一歩となり、良い方向へ向かう期待も込めて個人的には賛同しています。
関連して先日読んだ「残業なぜ減らない 業績との相関はなし」という日経記事。
以下、参考になった部分を自分用メモとして。
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①長時間労働の要因
【自発的要因】
仕事中毒
金銭インセンティブ
出世願望
人的資本の回収
プロフェッショナリズム
【非自発的要因】
市場の失敗(使用者側の買い手独占)
職務の不明確さと企業内コーディネーションによる負担
雇用調整バッファ
負の外部効果(残業好き上司など)
②ピア効果、いわゆる付き合い残業。日本で長時間残業していた人が労働時間が少ない国に転勤すると、労働時間が減る。
③働き手の能力が観察できなければ、雇用者側には残業をいとわない人を雇うインセンティブが働く。
④企業にとって残業代は人員整理コストに比べれば大した負担ではない。
日本では仕事量が減ったときに社員を簡単に解雇しない(できない)代わりに、仕事量が増えたときも新たに雇うのではなく、1人当たりの労働時間を延ばして対応する。
⑤25%の割増率を高めると労働者側に金銭的インセンティブが働いて、むしろ残業は増えてしまう可能性がある。
⑥実際に労働時間の削減につながっているかは、上司の姿勢次第。
⑦サービス残業を中心とする労働時間の長さが、メンタルヘルスに影響を及ぼす。長い時間働くと、集中力は切れて生産性が低下する。遅刻・早退や欠勤の増加、休職で勤務時間が減少することは企業にとって損失。
⑧長時間労働の職場では、子育て中や親の介護が必要な社員が活躍できず、優秀な人材を失うことにもつながる。
⑨残業ばかりで職場に張り付いていると、それ以外の場所から刺激を得られず、創造性が落ちる。
⑩残業を減らすことで業績が落ちるのではと懸念する向きもあるが、労働時間と売上高利益率に相関はみられない。
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人件費は大きなコストであること。
最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないこと。
常に意識しなくては。
自戒を込めて。