スカプヤー御嶽は宮国集落から南の海岸域に旧集落があって、 「 宮国元島 」 と呼ばれている。
15世紀ごろの集落と言われ、輪入陶磁器が出土しているが、
後世、大津波で消滅したと伝えられている。
この宮国元島にスカプヤー御嶽があり、
スカプヤー元 ( ムトゥ ) では、海からの冨を期待するンナフカ祭りを行なう。
豊穣を積んだ綾船 ( アヤブニ ) がやって来てから、スプカヤーは裕福になったという。
神を迎えるため、毎年9月乙卯 ( きのとう ) 3日間は人も牛馬も外出しない。
夜間は火を燃やさず、早く寝るなどの物忌みが昭和初期まで村じゅう守っていたという。
ンナフカは仮死の意味だという。
現在は8月ごろの迎えンナフカと二ヵ月後の送りンナフカを十数人の神女が、
スプカヤー御嶽で祈願し神歌を謡う。
最終日は友利・砂川・新里・宮国の四カ字の人々が参拝にみえる。
この神船の来島を日本海賊船とみる説があるが、
行動を秘密にするため神事に託して村人を家に閉じ込めておいたというわけである。