所在地 / 熊本県天草市河浦町崎津
竣 工 / 1934年 ( 昭和9年 )
設計者 / 鉄川与助
教会の保護者 / イエズスのみ心
この崎津天主堂は、個人的な観点で言わせてもらえば、
数多くある天主堂 ( 教会 ) の中でも、一番絵になるロケーションだと思う。
天草下島の南部、東シナ海側にぽっかりと口を開ける羊角湾 ( ようかくわん ) 。
崎津天主堂は、この羊角湾に面した小さな漁村にその尖塔を突き出している。
車で程近い大江天主堂の丘の上に真っ白くシンボリックにあるその様とは一変し、
崎津天主堂はひなびた漁村の民家が密集する中にあるが、
不思議な調和を感じさせるのが印象的であり、
特に対岸から海を隔てて見える天主堂は何とも言えぬ魅力を醸し出している。
日本のなかでも希少な風景が見られるところがこの天主堂の最大の魅力であろう。
この天主堂の設計も大江天主堂同様、教会建築の第一人者、鉄川与助である。
教会堂建築に主に見られるゴシック風で、昭和9年 ( 1934 ) に建造されている。
正面側がコンクリート造で後部は木造である。
キリスト教禁制の高札撤廃がされた明治6年 ( 1873 ) 以来、
崎津天主堂は最初に御堂として建立されて現在のものが3代目となる。
鉄川与助の手による鉄筋コンクリート造の教会は全部で4件あり、
この崎津天主堂もそのうちの1つに入る。
正確にはファサード 現在の崎津天主堂を改築したのはフランス人のハルプ神父である。
ハルプ神父は昭和3年 ( 1928 ) 12月に司祭として着任して以来、
布教と教会の建立に献身し、昭和20年 ( 1945 ) 1月、81歳で永眠した。
ハルプ神父のお墓は、崎津天主堂の観光駐車場脇に建てられいる。