「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

北九州市若松区 ・ 宗像市鐘崎    『 海路残照 』  森崎和江

2016-08-21 09:11:05 | 文学・文化・映画作品



若松工業地帯の洞 ( くき ) の海を眺める





森崎和江は宗像市在住で、詩人、評論家、
そしてノンフィクション作家として知られている。
韓国で生まれた森崎は一貫して女性や民族、姓名などを
大きなテーマをして書き続けている作家といえよう。

「 海路残照 」 ( 昭和56年、朝日新聞社 ) は、
海辺の村に残る不老不死の女の伝承から、村人の暮らしを描き出した作品である。
ほら貝を食べた海女が幾百年も若い姿のまま生き、各地を巡りつつ津軽まで行った。
この伝承に心を惹かれた作者が言い伝えの残る 「 庄の浦 ( 現・若松区乙丸 ) 」 と、
鐘崎 ( 宗像市玄海町 ) から、類似の伝承が残る若狭小浜、輪島、
そして海女たちがたどり着いたとされる津軽十三湖へと訪ね歩いて綴られている。

「 長寿の海女の話が語られていた江戸期には、遠賀川の満潮が逆流していた。
また若戸大橋の方から玄界灘の海流が、洞 ( くき ) の海を通って
川まで打ち寄せていたのだった。
そして、長寿譚のある庄の浦あたりで潮が出合っていたのだ。
海上をゆく舟は波荒い響灘を避けて、この洞の海を通ったりしたのだろう 」

鐘崎は日本海沿岸に伝わる海女の技法の発祥の地といわれ、
漁民の移住や出稼ぎによって東は能登の輪島の舳倉島 ( へぐらじま ) 、
西は対馬の曲浦 ( まがりうら ) などに足跡を残している。

鐘崎の織幡神社境内には、昭和初期の海女の姿をした 「 筑前鐘崎海女像 」 があり、
今でも数人の海女によって技法が伝えられている。
また玄海町立民俗資料館には、福岡県有形民俗文化財の指定を受けた
「 海女の用具一式 」 がある。


森崎 和江 ( もりさき かずえ、1927年4月20日 - ) は、詩人、ノンフィクション作家。

朝鮮大邱生まれ。福岡県女子専門学校(現・福岡女子大学)卒。
1950年、詩誌 『 母音 』 同人となる。
1958年、筑豊の炭坑町に転居し、谷川雁、上野英信らと文芸誌 『 サークル村 』 を創刊。
1959年-1961年、女性交流誌 『 無名通信 』 を刊行。
以後福岡を根拠地として炭鉱、女性史、海外売春婦などについて多くのノンフィクション、
また詩集を刊行する。1994年度福岡県文化賞受賞。
2005年、詩集 『 ささ笛ひとつ 』 で第14回丸山豊記念現代詩賞を受賞。

木村栄文のドキュメンタリー 『 まっくら 』 『 祭ばやしが聞こえる 』
にて構成や案内役として携わっている。


福岡県宗像市鐘崎   『 筑前鐘崎海女の像 』

2016-08-21 09:02:33 |  滝 ・ 名所 ・ 神社仏閣







【 海女発祥の地 鐘崎 】

写真は、織幡宮の参道に建立される 「 筑前鐘崎海女の像 」 である。
ここ鐘崎は、西日本の海女発祥の地で有名であり、
古くは能登、長門、壱岐、対馬などへ出稼ぎに行き、
どこそこへ枝村 ( えだむら ) が出来たそうである。
今では、海女の使用した道具は県の文化財に指定され保存されている。

この石像はその功績をたたえ、
航海安全と豊漁を祈念し平成7年4月に建てられたものである。




長崎県平戸市 『 歴史とロマンの風が吹く ・ ひらど 』

2016-08-21 02:52:16 | 旅行 ・ 温泉



長崎県平戸市 『 歴史とロマンの風が吹く ・ ひらど 』





上の作品は、長崎県平戸市を紹介した自作のフォトムービーです。
平戸の ” イイトコサガシ ” に役立てばと思って作ったものなので、
是非ともご覧になって頂きたいと思っています。
そして、少しでも多くの方に 「 ひらど 」 に足を運んで頂きたいと思っています。