世界遺産となった 「 三池炭鉱宮原坑跡 」
坑内トロッコ
かつて石炭を満載した列車が走っていた旧三池炭鉱専用鉄道敷跡
『 がんばろう 』 は、昭和35年 ( 1960年 ) に、
三井三池炭鉱の労働争議の中で生まれた労働歌である。
この年は、60年安保闘争と並んで日本の総労働対総資本の決戦と言われた
三池争議が最終段階に入った年で、
全国からのオルグ ( 支援者 ) が大牟田に結集してきた。
日本のエネルギー転換政策に沿った大量解雇通告で始まった三池争議は、
第二組合を結成、暴力団のピケ隊襲撃事件と激しい闘争となっていった。
この歌は、三池労組の若手が中心となって結成した歌声部隊から、
「 みんなの心を奮い立たせる歌を・・・ 」 との依頼で生まれたものである。
作詞者の森田ヤエ子は、当時、三菱上山田炭鉱厚生課勤務で、
歌声部隊に参加して大牟田に通っていたが、
この要請に応えるため集会に加わり、イメージをつかみ作詞した。
三井三池製作所勤務だった荒木 栄が作曲を担当し、
炭鉱労働者コンビによって生まれたのが 『 がんばろう 』 である。
がんばろう! つきあげる空に
くろがねの男のこぶしがある
燃えあがる女のこぶしがある
闘いはここから 闘いは今から
決然とした闘志に満ちたこの労働歌は、
たちまちみんなの心をとらえ闘いの場を支えた。
この歌は、その後 ” うたごえ運動 ” に乗って全国で歌われた。
作曲者の荒木 栄は、当時 大牟田に住み、
三井三池製作所に勤務しながら、数多くの作曲を手掛けた。
三池争議が終結した2年後の昭和37年 ( 1962年 ) に、
38才の若さで没した。
昭和47年には、 『 がんばろう 』 『 三池の主婦の子守歌 』 など入った
LPレコード 『 荒木 栄作品集 ・ 不知火 』 が発売された。