Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

土耳古系人の信条告白

2006-05-01 | 歴史・時事
バイエルンのシュトイバー首相などが筆頭に立って、ドイツ人たるべき姿を模索している。それを尊重しない外国人は、失業保険を抑えられて、権利を剥奪されると云うものである。移民のテストや宣誓について規定しようと云うものである。

郷土愛や集団への参加を呼びかける当然のように見える動きでもあるが、現代の自由が保証された近代国家などに於いては、それらを定義して明文化するのは決して容易ではない。

ベルリンで家庭を守れなかった妹を殺害したとされた、18歳のトルコ系ドイツ人が終身刑を受けた。モスリム原理主義者と捕らえても良いが、それよりもドイツに住む少年に違いない。そして厳しい終身刑を受けた。

信仰や信条が如何なるものであろうとも、基本的人権やそこに存在する法秩序は疑い無く遵守されなければならない。そこに民主的決定のプロセスとしての民主主義という概念が横たわっている。実際の政治的機構とはまた別のものであることも多い。

法の遵守のためにも、その基礎教育のためにも明文化されたものを理解する国語が必要となる。それぞれの憲法や法律は母国語で書かれていることから国語教育と国語力は最も大切な基礎文化である。

それを越える信条の告白は、社会に於いて求められるべきでなく許されるべきでもない。逝去したドイツ大統領の云う様なキリスト教的EUの中でのドイツ連邦共和国を標榜するのも、それがたとえ事実としても、信仰の自由に矛盾する。

ドイツ人とは何たるかを定義する場合、現在の国民の五人に一人は外国人を祖先とするので、血統主義は既に成り立たなくなっている。移民国家ではないが、事実はそうだとしてどのように定義が出来るかである。殆ど不可能なことであろう。

グローバル化の進んだ今日、初めて人類が遭遇するような本当は素晴らしい状況なのだが、労働市場や労働賃金の差や社会基盤の差がある以上、何らかの方策を練っていかなければいけない。グローバリズムは、なにも経済的秩序の破壊だけにあるのではなく、生活を含めた社会変革の大きな原動力にもなっている。

その原動力をどのように生かすか如何かが問われているに違いない。現実を肯定するだけのマルチカルチュアーと云う概念も一種の幻想である。しかし夢や幻を追うことなく現状認識にさえ誤らなければ、肯定的に進めていくことが可能である。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファウスト博士のお楽しみ

2006-05-01 | 
今夜はヘクセンナハトである。ハルツ地方では「ヴァルプルスギスの夜」として知られている。ドイツ語圏ではファウスト博士伝説そして文豪ゲーテの「ファウスト」の第一部でお馴染みである。今でも各地で様々な伝承があるが、その文学的な描かれ方も面白い。

悪魔メフィストフェレスに魂を売ったファウスト博士は、愛した娘グレートヘェンから逃れてハルツへと連れてこられる。そこで繰り広げられる乱痴気騒ぎの最中、裸で誘惑する魔女に、情事の末身篭ったグレートヘェンを見て、我に返る。

それに続く、ゲーテの手によるインテルメッツォ「ヴァルプルスギスの夜の夢」は、ルネッサンス期のシェークスピアのパロディーと云うだけではなくて、それら風習を顧みる時に必ずや思い浮かぶものであったに違いない。劇場上演の枠とするものであると云われるのと同様に、それら因習や慣習を当時の社会から浮き立たせる働きをしているのだろう。

同じように、娘グレートヘェンの境遇とか悲劇へと話しが拡がる時、ファウスト博士へと目を向けるに劣らず読みとらなければいけない事があるのが知れる。ゲーテが最終場面では、マルガレータを娘の愛称であるグレートちゃんとは呼ばずに正式名称を使っているのも良く知られているようだ。

そう云えば、公的ドイツ語学施設ゲーテ・インスティテュートの若い女教師が、生徒のアメリカ人かに何処からフラウ(婦人の敬称)とフロィライン(娘の敬称)の使い分けをするのかとからかわれていたが、ここの変容が相当しそうである。

それにしても、ここにもドイツロマン派の目を通した、曲解され簡易化された解釈が未だに影響しているのを確認して、なるほどと納得する。だからこそ、この古典が今でもドイツの大学教育に於いて題材として使われるだけの価値がある事を証明している。



参照:
非俗物たちのマスケラーデ [ 文学・思想 ] / 2005-02-08
二元論の往きつく所[ 文学・思想 ] / 2006-04-16
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする