Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

古くて新しい赤い賄賂

2006-11-21 | ワイン
先月パリ市の当時のシラク市長が集めたワインが競り落とされた。五千本の規模で、総額九十六万ユーロの売り上げとなった。一本平均192ユーロとなる。

最高額は1986年産ロマノコンティで、英国のワイン業者が五千ユーロプラス15%で競り落したことは知られている。

次に高額なのが1976年産のボルドーシャトーワインだそうで、一本四千ユーロで百本中国本土の業者が競り落としたようである。

なにもそれは、最高級ドイツ車の最も重要なお客様中共の今日の経済力を示しているだけではない。この記事を読んで、中国通は直ぐにその意味が分かるようである。

つまり、中国でも「暴髪戸」と呼ばれるように成金趣味の、何でも良いから古くて話題のワインに価値を付けると言うばかばかしい下衆で俗物趣味が横行している。ただ、それだけならば馬鹿者と笑い飛ばせるのであるが、その実態は遥かに底深い問題を含んでいるようだ。

中国の業者が喜んで誰も知らない1976年ヴィンテージに高値をつけて、成金趣味を吹かしているのではないことは当然であろう。さて、このワインを中国へと持ち帰ると、文句無しに売れるのである。

なぜかと言えば、話題になったからであって、超富裕層がワインコレクションに加えると言うだけではあまり無いようだ。これらの馬鹿なワインを中国業者から購入するのは何もそうした 良 い 趣 味 のブルジョワー中国人とは限らない。きっと、中国業者は日本企業などへと売り歩くだろう。

なぜならば、こうしたワインこそ北京や上海の党高級官僚へのお土産として最適な賄賂であるからだ。
コメント (2)
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