コバエが多い。この季節、つまり葡萄の摘み取りが済んで、その葡萄ジュースが搾り取られたあと、その果皮などが取り除かれ葡萄の幹の根元へと肥料として捲かれる。
その時期は、独特の酵母の微かな匂いがワイン産地の町中に漂う。それが過ぎるとコバエが飛び交う時期となる。しかし今年は、十月に記録的高温に見舞われて、月が変わって初冬らしくなった矢先に、コバエが屋内へとどっと押し寄せたようである
気象の影響からか嘗て無いほどにコバエが目につく。例年ならば更に繁殖するような事も無く、知らぬうちに消え失せるのであるが、今年は室内に集結している。
燻り出そうかと思って、部屋の隅に置き去りにされているハバナ産の葉巻を燻らせたが、コバエには効かず、喫煙習慣のないこちらに鍛えた。害虫駆除の線香も買い忘れたので、穀物や酵母類に産卵させないようにして、暫らく様子をみてみよう。
先月末といえば、ここ数年世界的にポピュラーになって来ている英米の風習ハロウイーンの時期であった。ある晩、呼び鈴が鳴らされて、若い男の声で何かいうので、中へ招き入れると、ミドルティーンの外国人の子供であった。聞き取れなかったと言うと、再び呪文を唱えた。「なに?」と聞くと、ハロウイーンだと言うのだ。「甘いもの…」、「そうか、しかし残念ながら無いね。」と答えると、「いいえ。」と言って帰って行った。
同じ子供会でも、正月の「三人の王」は毎年待ち構えているが、これは予想外の訪問であった。やはり歴史がない分、只の英米の物まねなので、子供達が歌うでもなし、着飾るでもなし、何かを準備するにはあまりにもつまらない。
さて本場の英語では、「Trick-or-treating」と呪文を唱えるようだが、ドイツでは「Süß oder Sauer」と唱える。これは、まさに聖ニコラウスの日にクネヒト・レプレヒトが子供に飴を与えるか、鞭を与えるかの審判と変わらない。
今年、初めて現れたのは、コバエだけでなくて、甘い物に集うコドモだった。近所のスーパーでは、バナナにコバエが群がり、黄色が真っ黒になっている。朝は、九時になってもまだ霧に包まれている。
参照:
ファウスト博士のお楽しみ [ 暦 ] / 2006-05-01
闇が重いヘクセン・ナハト [ 暦 ] / 2005-05-01
その時期は、独特の酵母の微かな匂いがワイン産地の町中に漂う。それが過ぎるとコバエが飛び交う時期となる。しかし今年は、十月に記録的高温に見舞われて、月が変わって初冬らしくなった矢先に、コバエが屋内へとどっと押し寄せたようである
気象の影響からか嘗て無いほどにコバエが目につく。例年ならば更に繁殖するような事も無く、知らぬうちに消え失せるのであるが、今年は室内に集結している。
燻り出そうかと思って、部屋の隅に置き去りにされているハバナ産の葉巻を燻らせたが、コバエには効かず、喫煙習慣のないこちらに鍛えた。害虫駆除の線香も買い忘れたので、穀物や酵母類に産卵させないようにして、暫らく様子をみてみよう。
先月末といえば、ここ数年世界的にポピュラーになって来ている英米の風習ハロウイーンの時期であった。ある晩、呼び鈴が鳴らされて、若い男の声で何かいうので、中へ招き入れると、ミドルティーンの外国人の子供であった。聞き取れなかったと言うと、再び呪文を唱えた。「なに?」と聞くと、ハロウイーンだと言うのだ。「甘いもの…」、「そうか、しかし残念ながら無いね。」と答えると、「いいえ。」と言って帰って行った。
同じ子供会でも、正月の「三人の王」は毎年待ち構えているが、これは予想外の訪問であった。やはり歴史がない分、只の英米の物まねなので、子供達が歌うでもなし、着飾るでもなし、何かを準備するにはあまりにもつまらない。
さて本場の英語では、「Trick-or-treating」と呪文を唱えるようだが、ドイツでは「Süß oder Sauer」と唱える。これは、まさに聖ニコラウスの日にクネヒト・レプレヒトが子供に飴を与えるか、鞭を与えるかの審判と変わらない。
今年、初めて現れたのは、コバエだけでなくて、甘い物に集うコドモだった。近所のスーパーでは、バナナにコバエが群がり、黄色が真っ黒になっている。朝は、九時になってもまだ霧に包まれている。
参照:
ファウスト博士のお楽しみ [ 暦 ] / 2006-05-01
闇が重いヘクセン・ナハト [ 暦 ] / 2005-05-01