Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

高品質にありがちな滑らかさ

2014-09-05 | 試飲百景
先日の車検で、警告が出ていたのにも拘らず、エンジンオイルが足りないままだった。面倒であるが、適用のオイルを探してアマゾンで注文してみた。モービルのスーパー3000と称する5W-40の商品を選択した。なにもネットで買う必要もないのだが、自分で購入するとなると適用商品から価格まで様々なメーカーのものを比較するので色々と勉強になる。この商品を選んだのはアマゾンの直販だったのと、若干高級品だったからである。

次の車庫入れで全て取り替えになることは分っているので、少量であり、車検で大分粘度が上がっていることが指摘されていたので、潤滑性のよいものを選んだのだ。約0.6Lを加えただけで全体量の一割にも満たないが、それでもエンジン音も変わり、加速の滑らかさが増したようだ。如何にも粘度が高くなり過ぎていたかということかもしれない。

2013年グローセスゲヴェックス試飲、二回目はゲオルク・モスバッハー醸造所だった。御目当てはフロインドシュトュックである。売り切れていないことを確認して、早速試す。酸が素晴らしい。分析値は9.5Gである。糖は5.2と抑えられているので、軽やかでさえある。今回二年目となるイェズイーテンガルテンに比較すると糖が少ない分、酸が際立つ。その酸も良く練れていて全く快適である。

先代が、「一日中仕事をして疲れたので、イェズィーテンガルテンを飲むに匹敵するほどだ」と冗談を飛ばして、一杯引っ掛ける。婿さんは、「なんといっても葡萄の健康だ」と、2013年の醸造の苦労を匂わせる。

春に通常のものを試飲して、もう一つ琴線に触れなかったので、バリック仕立てのフメーを楽しみにしていたソビニオンブランを試す。どうも夏がずるずるといったのでブルグンダー種は駄目のようだ。糖が強く、本来の薫りが今ひとつ新鮮味がない。そこで聞く話がとてもまた参考になった。つまり、「雑食砂岩」やソヴィニオン・ブラン「フメー」などは、一月に醗酵が止まってしまったので、更に酵母を足す必要があったということである。

なるほどと思った。フォン・ブール醸造所の辛口は、その路線を進めるために我武者羅に酵母を加えた形跡があるのだ。それは酵母臭の強い味として、クラシックな印象を与えたのである。私自身はそれを酵母臭としてあまり気にならないのだが、それに敏感な人には否定的な意味しか与えない。

ここで大手の醸造所ながら十分な技術力も質も持ち合わせていない醸造所と丁寧な仕事で質も追求できる家族経営の醸造所との差が出るのだ。そしてその価格も大手の醸造所は割高なのである。フォン・ブールのグランクリュは二本しか買わなかったが、このフロインドシュトゥックは三本以上買える。質が高いからである。

2013年の素晴らしい酸と木樽の使い方で完全にこちらに軍配が上がる。フォン・ブールの方は、二割から三割ほどしか木樽率が伸びないようでは仕方がない。これならば同じ長持ちしないグローセスゲヴェックスでもレープホルツ醸造所のそれの方が価値がある。当然であろう。



参照:
ドルトムントの強化策のように 2014-09-03 | 試飲百景
素人を騙す金儲け評論 2013-10-02 | 試飲百景
コメント (2)
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