Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

最後のエルフィー訪問

2020-02-19 | 文化一般
草臥れた。前回もそうだったと思う。往路よりも帰路が疲れる。心理的なものではない。片道600㎞ほどの運転で、上りと下りで差があるのだ。ハムブルクへ北海へと下るのは楽だ、その分帰りは南へ上る。その差が運転の疲れとなる。往路は殆ど渋滞は無く、復路はハノーヴァーの北側で閉鎖となりアウトバーンを降りて迂回となった。燃費も更に悪くなった。

幸い往路に波止場の近くで満タンに出来た。道を間違えながらも比較的すんなりと行けたのはタブレットのHereWeGoのお蔭だった。オフラインでもスピード違反しそうになると直ぐにアラームを出してくれた。結局車のナヴィとそれほど変わらなかったが、新しい道に対応しているのでハーフェンシティーへの近道も分かった。しかし夜そこを走るのは怖かった。神戸の波止場でも同じだが、土地勘が無い者が波止場を走ると直ぐに落下事故を起こす。なぜならば波止場は荷の積み下ろしの為になんら段差も無く波止場から港に落ちるようになっているからだ。ナヴィを頼りにどこにでも迷い込むと転落水難死も直ぐそこである。なにもやくざが車に閉じ込めて押し落とす必要もない。要するに渡り橋から直接下りて行くと、桟橋に出てしまうのである。そもそもそれでなくてもそのハーフェンシティーに入る交差点も分かり難い。嘗ては用の無い人が行くところではなかったのだろう。

兎に角タブレットのお蔭で、往復とも写真撮影をされなかったと思う。ついつい州道などに下りて村から村へと抜けると不案内で違反をしがちになるが、警報が鳴りブレーキを踏むだけでなくて注意するようになる。今後はお出かけの時は放せなくなると思う。無料というのが嬉しい。

ホテルへもアウトバーンの降り口からのアクセスも良くて、更にそのまま北上して次の入り口から入れた。帰路は其の侭南から入って乗れた。昨年泊まったところは横にずれていたので距離が近い割りには結構面倒なところにあった。今回もそのリューネブルガーハイデの東端にあたるところである。写真にあったように屋根に緑ははやしていなかったがご近所さんはそのような家並みだった。実際隣の爺さんも巻き割に精を出していた。

娘さんがやっているらしいのだが、お母さんが全て対応した。翌朝庭の掃除にお父さんも出てきていて、「エルブフィルハーモニ―に行ったらしいね」から始まって、そして「昨日はベルリナーフィルハーモニカーだったようだね」まで、全く農家の親仁のような爺さんが知っていた。地元のTV等で話題になっていたのだろう。それには少し驚いた。そして「ホールはどうだ」と意見を求められたので、視覚の聴覚への影響やワインヤード型とシューボックス型の話までし始めてしまった。それどころか、「ワインヤードはトレンドだったけど過去のものになってね」とまで玄人の話しになった。

流石に田舎の爺さんに話しても仕方の無い事なのだが、二回目の訪問で最終判断が出来たということで「それなら価値があったのだね」と言われた。その通りで、もう二度と行く必要もなくなった。詳しい感想は改めてとしても、「今頃あんなホールを建てて喜んでいると歴史的にハムブルクは笑いものになるだろう」というのが私見である。

そのエルフィーの公演内容を見ていても程度は高くない。月曜日も地元の放送管弦楽団の指揮者の日系のアラン・ギルバートも来ていたが、その程度である。国立劇場の方も日系のケントナガノである。最初にハムブルクに降り立った時も何か大阪のようなもっちゃりとした感じを持ったが、何か似ているところがある。やはり商売人が多いということなのだろう。しかし大阪の方は嘗ては大きなパトロン陣が朝日新聞を含めていた訳だが、ハムブルクはシュピーゲル社ではどうしようもない。

聴衆に質はフランクフルトも決して良くはないのだが、双方のオペラ劇場の聴衆を比較してもフランクフルトの方が少し上である。そのように比較していくと、オペラは兎も角コンサートに関してはバーデンバーデンは専門家を含めてとても質が高いことがよく分かる。

そう言えば、エルフィーでのフィルハーモニカー国内ツアー初日のプログラムにはしっかりとバーデンバーデンの「フィデリオ」予約のご案内が出ていた。ハムブルクから皆さんに、今回は熱心そうなお客さんを見かけなかったので直接勧誘することは無かったが、来て頂きましょう。



参照:
エルブフィルハーモニ訪問 2019-01-11 | 文化一般
リューネブルガーハイデへ 2019-01-15 | アウトドーア・環境

コメント
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