Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

露文化排除のウクライナ

2022-05-06 | マスメディア批評
六月から始まるシュトッツガルト歌劇場で新制作「ルサルカ」公演が始める。指揮をウクライナのオクサーナ・リニヴが受け持つので出かけることにした。その練習もあって隣の街のルートヴィッヒスブルクの音楽祭初日を木曜日に振る。昨年も登場したが無観客演奏会であった。そしてフランクフルタ―アルゲマイネ新聞がインタヴューをしている。

その内容は、比較的情報を追いかけていても、それでもビックリするような内容が盛り沢山だった。なによりも4月の自ら音楽監督を務めるボローニャでの新制作「イオランタ」の指揮から下りた、その真相が語られている。

オフィシャルの心労など病気による降板であることは間違いなかったが、決定的なのは即刻発効したウクライナ政府によるロシア文化禁止令が指揮を不可能にしたという事だった。それもポーランド政府のお達しを切っ掛けに、ウクライナでも無期限立法となった様である。この事は、先日のキーフ交響楽団で演奏した音楽家からは明白にされていなかった。つまり在独ウクライナ大使が語る様に「爆弾で子供までが吹き飛ばされている状況でのロシア文化プロパガンダはあり得ない」ので心情的に理解できるというのを超えている。

それを明白にするようにEU内でそうした文化的なボイコットを規制するガイドラインなどが必要であり、たとえウクライナ国籍等の者でもEU内での活動を保障するものがあればよいとする要望が出された。先ずはポーランド政府が罰せられないといけないのだが、EUは現行の政府が朽ちるのを待つしかないという立場をとり続けている。

更に大使が全ロシア人は当面敵であるとしたことに関連して、指揮者のペトレンコなどを挙げて、「良いロシア人」と敢えて答えている。恐らく取り巻く状況を明らかにするための発言だと思われるが、まさしくバーデンバーデンでの復活祭において、ロシア音楽特集をし乍らウクライナ支援のガラコンサートを行って、同時にペトレンコが指揮から下りた背景がこれで明らかになった。

そしてルートヴィッヒスブルク音楽祭初日には本来は「悲愴」交響曲とそれに合わせて初演される筈だったウクライナ作曲家の新曲取り下げられた。そしてマーラーとモーツァルトのプログラムに取り替えられた。即ちリニヴもロシア音楽を無期限で指揮出来なくなっている。もし「ルサルカ」がロシア音楽であったなら、我々は新たな運動を起こす必要があったのだろう。

改めて明らかになったのは、ウクライナは我々が介入するような国ではない事、そしてEUやNATO加入などは到底あり得なかったという事である。軍事行動などが始まると、平素は浮き彫りにならないグロテスクが社会に顕著となり、西欧でも九十年前にはあったような野蛮が支配するようになる。

彼女の設立したユース管弦楽団の18歳以上の団員は、ウクライナの国防省の許可がないと国外には出られない。西部リヴィヴやオデッサには彼女の親族が住んでいる。



参照:
„Jetzt gerate ich zwischen die Räder“, JAN BRACHMANN, FAZ vom 4.5.2022
ウクライナ救済をうたう 2022-04-15 | 文化一般
独大統領の不可解な演奏会 2022-03-28 | 文化一般
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