地元でのワイン祭りは今年も中止だった。経済性を重視したのだと思われる。市の広報を見ていなかったので気が付かなかった。時間を掛けて旅行の準備をしたのに無駄になったが、これで旅行経費450ユーロを節約できるようになった。ホテルの予約だけ無料でキャンセルすればよい。これで、今シーズンは、明日の「フェドーラ」は捨てて、来週の「ブルートハウス」、再来週のマーラー七番、その次の週「ルサルカ」で、夏の音楽祭に入る。
「ルサルカ」はドヴォルザーク作曲のオペラで全曲は初めて観る。今回はシュトットガルトでオクサーナ・リニヴ指揮でクラフトという芝居畠の人が演出する。どのようになるかは知らないが、少なくとも大編成では初めてのこの指揮者なので腕を確かめたい。管弦楽演奏会では、問題点も分かったのだが、注目点はオペラ劇場でどの水準まで行くかではなかろうか。
ベルリンの国立劇場の後任支配人が発表された。現ブレゲンツ音楽祭の支配人で、その前はグラーツの支配人、更に以前には同歌劇場のオペラ部門の頭だったらしい。ヴィーン生まれの女性で、先ずは現音楽監督バレンボイムの最期を看取ることになるのだが、注目されるのは後任人事だろう。その一人として名前が挙がるのは音楽的には前任者に最も近いリニヴだろうが、こちらはグラーツで組んでいた女性がドレスデンの次期支配人になることから、そちらの音楽監督と見做されている。しかしまだ表立った動きはない。実力やキャリアーから考えて、現シュトッツガルトの音楽監督マイスターなども間違いなく候補である。
首都ベルリンにある小さな劇場なので、その芸術的な水準以上に体面が大切で、インターナショナルな大物というよりもドイツの顔になるような音楽監督が求められる。よりインターナショナルな顔のベルリナーフィルハーモニカーよりもよりドイツ連邦共和国の意思を体現することになる。その意味からは、マイスターの先ごろのバーデンヴュルテムベルク州議会での挨拶は合格であり、なによりもドイツ人でそこ迄の位置にあるということが大きな評価である。リニヴの場合は今後のウクライナの欧州における立ち位置やまたは指揮者本人と政府との関係に影響されるだろう。
つまり現音楽監督ダニエル・バレンボイムが、イスラエル人でありながら、サイードのプロジェクトに協調していてイスラエル政府批判が出来るユダヤ人であったというのがベルリンの体面を引き上げる形になっていた。勿論フィルハーモニカーのキリル・ペトレンコがとてもリベラルなロシア生まれの初のユダヤ人シェフとなったのもベルリンにとってはとても幸運なことだったのだ。
それにしても新制作「ルサルカ」は殆ど売れていない。理由は分からないが、三月の「ボリス」再演が決して容易な制作でなかったにも拘らずあれだけ売れていたことを改めて認識した。やはりそれだけ評判が良かったという事だろう。
参照:
露文化排除のウクライナ 2022-05-06 | マスメディア批評
感受性に依存する認知 2009-01-03 | 文化一般
「ルサルカ」はドヴォルザーク作曲のオペラで全曲は初めて観る。今回はシュトットガルトでオクサーナ・リニヴ指揮でクラフトという芝居畠の人が演出する。どのようになるかは知らないが、少なくとも大編成では初めてのこの指揮者なので腕を確かめたい。管弦楽演奏会では、問題点も分かったのだが、注目点はオペラ劇場でどの水準まで行くかではなかろうか。
ベルリンの国立劇場の後任支配人が発表された。現ブレゲンツ音楽祭の支配人で、その前はグラーツの支配人、更に以前には同歌劇場のオペラ部門の頭だったらしい。ヴィーン生まれの女性で、先ずは現音楽監督バレンボイムの最期を看取ることになるのだが、注目されるのは後任人事だろう。その一人として名前が挙がるのは音楽的には前任者に最も近いリニヴだろうが、こちらはグラーツで組んでいた女性がドレスデンの次期支配人になることから、そちらの音楽監督と見做されている。しかしまだ表立った動きはない。実力やキャリアーから考えて、現シュトッツガルトの音楽監督マイスターなども間違いなく候補である。
首都ベルリンにある小さな劇場なので、その芸術的な水準以上に体面が大切で、インターナショナルな大物というよりもドイツの顔になるような音楽監督が求められる。よりインターナショナルな顔のベルリナーフィルハーモニカーよりもよりドイツ連邦共和国の意思を体現することになる。その意味からは、マイスターの先ごろのバーデンヴュルテムベルク州議会での挨拶は合格であり、なによりもドイツ人でそこ迄の位置にあるということが大きな評価である。リニヴの場合は今後のウクライナの欧州における立ち位置やまたは指揮者本人と政府との関係に影響されるだろう。
つまり現音楽監督ダニエル・バレンボイムが、イスラエル人でありながら、サイードのプロジェクトに協調していてイスラエル政府批判が出来るユダヤ人であったというのがベルリンの体面を引き上げる形になっていた。勿論フィルハーモニカーのキリル・ペトレンコがとてもリベラルなロシア生まれの初のユダヤ人シェフとなったのもベルリンにとってはとても幸運なことだったのだ。
それにしても新制作「ルサルカ」は殆ど売れていない。理由は分からないが、三月の「ボリス」再演が決して容易な制作でなかったにも拘らずあれだけ売れていたことを改めて認識した。やはりそれだけ評判が良かったという事だろう。
参照:
露文化排除のウクライナ 2022-05-06 | マスメディア批評
感受性に依存する認知 2009-01-03 | 文化一般