Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

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ユートピア解説の抽象性

2022-05-31 | 
バーデンバーデンの新しい音楽祭の初日に出かけた。そのコンセプトもあまり定かではないのだが、サロネンの新曲などが入っていて、如何にも怪しい。どうも支配人の好みのニュージャズとか、ECMのニューシリーズなどに近い印象もする。コンセプトが見えないというのは、そうしたポストモダーン的な若干古臭い感じがするから見えてこないのだろう。

それでも指揮者のフランソワ・ザビーエロートを古巣に迎えたのは良かった。指揮の印象は先月の復活祭二日目でベルリンのフィルハーモニカ―を振った時と指揮は同じながら上手く振れていたと思う。

楽団もその間に吸収合併でつまらない楽団になってしまっているが、そこそこ昔の面影もあって、やはり馴染みでもあったのだろう。マーラーの交響曲七番の指揮も若干端折り気味でご当地の故ブーレーズ指揮を思い起こさせるのだが、勿論その様な精緻な指揮ではない。大変影響されていながらお手本の様にはならないのがなによりも痛い。

それでもフィナーレの音色旋律的な管弦楽もよく鳴っていて繋がりも大変良かった。すると余計に嘗てのあの弦の独特のクセナキスの空気力学的な楽曲のような音響にもならず、管も嘗てのブリキのような凄まじさはなく、下支えの弱い嘗てのSDRの響きにもなっていたのに気が付く。その反面、若干艶っぽい音も出せるようになってるのだが、そこ迄にも至らない。

主席指揮者の影響もあってか弦楽器は嘗てよりガサツになっているのだろう。若く見えるコンツェルトマイスターリンが引っ張っていたが、2016年からそのポジションにあるようだが初めて見る。誰の弟子筋かは分からなかったのだが、調べるとジュリアード出とあって、スドラディヴァリウスを弾いているとあるが、あまり良く鳴っていなかった。

当日は生中継されていて、編集に再びオンデマンド化されて、嘗てのギーレン指揮の九番とかそうした歴史的な演奏の列に並ぶようだ。音楽祭全体の総合プログラムになっていて、なんと価格が10ユーロと復活祭そのそれを超えていた ― 因みに私のティケット購入価格は15ユーロだった。そして現金もなくて、中は態々見させて貰わなかったが、正直ヴァイオリンのコパチンスカヤ劇場の内容などは全く興味がないので些か迷惑だった。

公演前のレクチャーの内容も大変程度が低かった。対象になっている聴衆の質を低く見積もっているのかどうか分からないが、四楽章フィナーレの評価とか作曲意思に纏わる文学的なものだった。一楽章ではここで言及した再現部前の別次元へのトランスを強調していて、今日そうした形而上の音響表現を一緒になって抽象的に喜んでいるようなオタク解説者がいると知って驚かされた。若いとは言ってもそれ程若い訳ではなく博士号を取っていてあの程度の知能ではどうしようもない。

この楽曲の先にユートピアをと力説していたと解説のあった指揮者のロート氏が、公演前に外に出て来て端でたんべを吹かしている様では情けない。ああいう時間に呟きを転送するのだなと分かった。心理的に明らかに老けている。人気が一向に上がらないのも頷ける。



参照:
週末の行ったり来たり 2022-05-30 | 生活
真正ハイカルチャー 2022-05-29 | 音
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