日曜日11時からヨーロッパコンサートが生中継される。EUの文化都市としてオデッサの歌劇場から中継される予定だった。しかしウクライナ侵攻から一時は歌劇場前に土嚢が積まれていた程に危なかった。既にドイツ国内でも復興に向けての寄付演奏会なども行われている。
戦況は好転して南部の主要都市はロシア軍の侵略を防衛しているようだが、流石にベルリナーフィルハーモニカーが演奏会をするまでには至らなかった。そこで同じ東欧のそしてロシアの進軍に備えなければいけないバルティック三か国のラトヴィアに公演先を変えた。通常ならばヴァ―クナーも活躍した首都リガなのだろうが、生憎大きなコンサートホールがないという事で、西海岸のリエパヤの琥珀と呼ばれる近代的で1000人規模の大きなホールが公演地として急遽選ばれた。
生中継するベルリンの放送局の番組ではその準備の様子なども紹介されているが、ラトヴィアの文化ジャーナリストが市民は戦争からの逃避に劇場などに足を運ぶとしていて面白かった。前日のリハーサルにも市民は呼ばれるらしい。
木曜日のキーフ交響楽団演奏会前のEU副代表の話しでは、音楽を以てそのEUが根拠としている精神をデモンストレーションするのだというところに力点が置かれていた。それはバルト海の小国での現実逃避とは全く正反対のものなのである。
モラールと言い換えてもいいのだが、如何に音楽芸術がその社会の精神と結びつくことが可能か。そこでは、「あれほど残虐な行為が行われている戦時下にそこから離れて音楽など奏でていることがおかしいのではないかという」定義が出されたそのアンチテーゼとして言葉だった。そしてそうした文化の在り方が、喜びの歌を憲章歌とするEUの精神であり、誇示するべき精神であるとする考え方である。
その意味においてウクライナは我々の側にあるという事だった。それをするならばやはりロシア音楽を拒絶するポーランドもそれに反することになる。
侵攻直後早々にプーティンの蛮行に対して最も厳しい糾弾声明を出したキリル・ペトレンコとベルリナーフィルハーモニカーであるが、当初はオデッサへの連帯の意思が最も強いと思っていた。しかし復活祭フェストシュピーレを通して、そしてキーウ交響楽団ドイツツアー演奏会に出かけて、やはりそれ程強い表明が必要だったことを納得した。あれだけのロシア人歌手陣やロシア音楽をテーマにするにはそれだけの声明が必要だったのだ。当然の事乍ら、バーデンバーデン復活祭の方では必要最小限のプーティンの協力者ゲルギーエフ切りへと動いた。
ヴィ―スバーデンでのTVインタヴュー報道を観ると、メーデーでツアーが終わると男性団員には帰国命令が出ているとあった。それを阻止する為には戦争が終わるまでの更なる演奏会のオファーが必要となる。イタリア人指揮者は出来る限り大編成の曲を入れるように尽力していると感じた。バーデンバーデンに相応しいプログラミングも見つかった。近くで演奏会があれば、出来る限り出かけたいと思っている。
参照:
青と黄色のこちら側 2022-04-30 | 文化一般
響くやり場のない怒り 2020-11-05 | 音
戦況は好転して南部の主要都市はロシア軍の侵略を防衛しているようだが、流石にベルリナーフィルハーモニカーが演奏会をするまでには至らなかった。そこで同じ東欧のそしてロシアの進軍に備えなければいけないバルティック三か国のラトヴィアに公演先を変えた。通常ならばヴァ―クナーも活躍した首都リガなのだろうが、生憎大きなコンサートホールがないという事で、西海岸のリエパヤの琥珀と呼ばれる近代的で1000人規模の大きなホールが公演地として急遽選ばれた。
生中継するベルリンの放送局の番組ではその準備の様子なども紹介されているが、ラトヴィアの文化ジャーナリストが市民は戦争からの逃避に劇場などに足を運ぶとしていて面白かった。前日のリハーサルにも市民は呼ばれるらしい。
木曜日のキーフ交響楽団演奏会前のEU副代表の話しでは、音楽を以てそのEUが根拠としている精神をデモンストレーションするのだというところに力点が置かれていた。それはバルト海の小国での現実逃避とは全く正反対のものなのである。
モラールと言い換えてもいいのだが、如何に音楽芸術がその社会の精神と結びつくことが可能か。そこでは、「あれほど残虐な行為が行われている戦時下にそこから離れて音楽など奏でていることがおかしいのではないかという」定義が出されたそのアンチテーゼとして言葉だった。そしてそうした文化の在り方が、喜びの歌を憲章歌とするEUの精神であり、誇示するべき精神であるとする考え方である。
その意味においてウクライナは我々の側にあるという事だった。それをするならばやはりロシア音楽を拒絶するポーランドもそれに反することになる。
侵攻直後早々にプーティンの蛮行に対して最も厳しい糾弾声明を出したキリル・ペトレンコとベルリナーフィルハーモニカーであるが、当初はオデッサへの連帯の意思が最も強いと思っていた。しかし復活祭フェストシュピーレを通して、そしてキーウ交響楽団ドイツツアー演奏会に出かけて、やはりそれ程強い表明が必要だったことを納得した。あれだけのロシア人歌手陣やロシア音楽をテーマにするにはそれだけの声明が必要だったのだ。当然の事乍ら、バーデンバーデン復活祭の方では必要最小限のプーティンの協力者ゲルギーエフ切りへと動いた。
ヴィ―スバーデンでのTVインタヴュー報道を観ると、メーデーでツアーが終わると男性団員には帰国命令が出ているとあった。それを阻止する為には戦争が終わるまでの更なる演奏会のオファーが必要となる。イタリア人指揮者は出来る限り大編成の曲を入れるように尽力していると感じた。バーデンバーデンに相応しいプログラミングも見つかった。近くで演奏会があれば、出来る限り出かけたいと思っている。
参照:
青と黄色のこちら側 2022-04-30 | 文化一般
響くやり場のない怒り 2020-11-05 | 音