「ルーダンの悪魔」の総稽古の報告が出ている。お勉強を進めて徐々に分かってきたのは、ペンデルツキ作のこれがハムブルクで初演された1968年の雰囲気が重要という事だ。物語は中世のフランスのジャンヌダルク様の魔女狩りでもあるが、勿論当時の権威主義を叩く68年革命精神が感じられる。既に結構な年齢であッた作曲家が前衛であろうとして様子が見て取れる。否聴きとれるのはエレキギターのサウンドなど全くのそれで、如何にも古臭く感じるのは当時を知っているからだろう。
今回の演出のサイモン・ストーンも1984年生まれであるから、当然それを知らない。そこで映されるのはMeTooなどで裁かれるネット魔女狩りのようである。
情報として1970年に実はシュトッツガルトの劇場の公演として二日間ミュンヘンで上演されたことがあるとなっている。二回目に上演した劇場の引っ越し公演になるだろうろうか。それで、この作品が旧来の道徳観念などに挑戦しているのでミュンヘンでは受け入れがたいとされていたのが、最終的にうけたというのである。そして制作報告マティネーではミュンヘンの聴衆の反応を試すようなことをユロウスキー共々語っている。このあたりも当時の雰囲気を分かっている者と知らない者では受け止め方が違うのを表していて若干危なっかしい。
またカトリック教会は、当時からペンデレツキが友人のパウロ二世のレクイエムを書いたように信心深い創作者ということで見逃していたという事情にも触れられている。要するに決してそうしたものでないという感覚が大切なのだが、分かり難いのだろう。
なるほど当時シュピーゲル誌が映画音楽をつけた芝居としていたように、その作曲への批判は強かったようだが、指揮者のユロウスキーはこの作品を最も重要なオペラとしているようで、これまた期待の反面、精緻な仕事にはなりえれないという不信感も既に漂っている。
お勉強を引き続きいているのが、未だどうも確信を持てるほどには作品の真骨頂は見えてこない。映画化されているサウンドトラックの演奏もよくないのだが、今回のユロウスキー指揮でどこまでよくなるのかである。一幕の一つの場が後に改訂版で付け加えられたのか映画では落ちているようだ。情景転換が早いのでそこも見どころらしい。
出かける準備は略整えた。最後に列車の中でその辺りに作品の核を見抜いていきたいと思う。留守録音の準備もしておかなければいけない。演出共々新音楽監督の真価を見せて欲しいものである。
Trailer zu DIE TEUFEL VON LOUDUN
参照:
Wenn man vom Teufel singt, Jutta Czeguhn, SZ vom 24.06.2022
想定が進む列車旅 2022-06-26 | 生活
悪魔に取り憑かれるか 2022-06-23 | 文化一般
今回の演出のサイモン・ストーンも1984年生まれであるから、当然それを知らない。そこで映されるのはMeTooなどで裁かれるネット魔女狩りのようである。
情報として1970年に実はシュトッツガルトの劇場の公演として二日間ミュンヘンで上演されたことがあるとなっている。二回目に上演した劇場の引っ越し公演になるだろうろうか。それで、この作品が旧来の道徳観念などに挑戦しているのでミュンヘンでは受け入れがたいとされていたのが、最終的にうけたというのである。そして制作報告マティネーではミュンヘンの聴衆の反応を試すようなことをユロウスキー共々語っている。このあたりも当時の雰囲気を分かっている者と知らない者では受け止め方が違うのを表していて若干危なっかしい。
またカトリック教会は、当時からペンデレツキが友人のパウロ二世のレクイエムを書いたように信心深い創作者ということで見逃していたという事情にも触れられている。要するに決してそうしたものでないという感覚が大切なのだが、分かり難いのだろう。
なるほど当時シュピーゲル誌が映画音楽をつけた芝居としていたように、その作曲への批判は強かったようだが、指揮者のユロウスキーはこの作品を最も重要なオペラとしているようで、これまた期待の反面、精緻な仕事にはなりえれないという不信感も既に漂っている。
お勉強を引き続きいているのが、未だどうも確信を持てるほどには作品の真骨頂は見えてこない。映画化されているサウンドトラックの演奏もよくないのだが、今回のユロウスキー指揮でどこまでよくなるのかである。一幕の一つの場が後に改訂版で付け加えられたのか映画では落ちているようだ。情景転換が早いのでそこも見どころらしい。
出かける準備は略整えた。最後に列車の中でその辺りに作品の核を見抜いていきたいと思う。留守録音の準備もしておかなければいけない。演出共々新音楽監督の真価を見せて欲しいものである。
Trailer zu DIE TEUFEL VON LOUDUN
参照:
Wenn man vom Teufel singt, Jutta Czeguhn, SZ vom 24.06.2022
想定が進む列車旅 2022-06-26 | 生活
悪魔に取り憑かれるか 2022-06-23 | 文化一般