Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

意向に配慮せざるを得ない

2022-07-05 | 歴史・時事
新聞の文化欄に全面記事が出ている。なにかと思えばウクライナ対策だった。五人の文化施設の支配人、即ちボンのベートーヴェンハウス、スイスザンクトガーレンの劇場、ベルリンのフェストシュピーレ並びのBRのムジカノーヴァの芸術監督、ケルンのフィルハーモニーの支配人、シュトッツガルトのオペラ支配人がネットで会談した。フランクフルトターアルゲマイネ新聞の企画である。

ここでもロシアの侵攻以来幾つもの事件を扱ったが、先月末にウクライナ議会ではロシア音楽等の演奏が禁止され、ウクライナ固有のものが優先されて、その次に東西欧州などの作品が許可されるというものだ。要するに侵攻以前からのウクライナの国粋主義体制は文化的にも明らかで、EU加盟申請などに為れば厳しく裁かれる。

渦中の人ウクライナの女性指揮者オクサーナ・リニヴの事をシュトッツガルトのショーナー支配人が語っている。ボローニャでチャイコフスキー作曲「イオランテ」の指揮が出来なかった事は既知であるが、それ以降ウクライナの家族への脅迫が絶えないというのでまさしくテロの国になっている。既にリニヴは、それに対抗する立場を明白にしていて、EU加盟申請の前提をその反論にするようだ。

しかしザンクトガーレンの支配人がチャイコフスキーの「オルレアン」のオープンエアー演奏をヴェルディの同題名作に差し替えたとあった。理由は野外でどのような人の耳に届くかも分からないので配慮したと語っている。

要するに細やかな配慮は、在ベルリンのウクライナ大使がウクライナ外務省からその歴史修正主義的な発言で距離を取られたように、そうした横やりを極力避けるために特にベルリンでは慎重に処するとある。

皆が今後ともウクライナ政府が禁止したり、条件を付けているウクライナ音楽家の国外でのロシア人音楽家との共演やロシア音楽の演奏が出来る人を集う立場には変わりないようである。

一方話題になっていたウクライナのエリート演奏家管弦楽団は、ポーランドで企画されていて、その楽団は文化プロバガンダとして音楽の兵士と自らを語っている。当然の事乍ら出席者からは絶対主催しないと明白な断りの言葉が飛んでいる。

結論としては現状のウクライナの状況を考えればその意向を無視することは不可能で、配慮していくしか方法はないとなっている。

ベルギーからの地取りらしきイチゴ。安ければ、手を出さざるを得ない。



参照:
露文化排除のウクライナ 2022-05-06 | マスメディア批評
和解などない露宇兄弟 2022-04-07 | 料理
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