2022年バイロイトのヴァ―クナー音楽祭初日「トリスタンとイゾルテ」を合わせて20分ほど音を流した。指揮者は急遽休演で指揮したリンツの指揮者でバイロイトのエジプト公演などに同行していた人のようだ。但しその音響は明らかに練習をつけていたシュトッツガルトのコルネリウス・マイスターのもので、そこ迄やれる指揮者なのだと改めて感心した。奈落の中でのその指揮や方法などには好き嫌いがあるとされているが、成程徹底していないと出来ないことだと思った。その本人は更にコロナ陽性で降りたフィンランド人指揮者に代わってこれまた新制作「ニーベルンゲンの指輪」の指揮をする。
「トリスタン」自体は、ショルツ首相も来ないことから前首相のメルケル夫妻などが招待客として招かれていたが、少なくとも音楽面では可也程度が低かった。歌手陣は批評などでもドイツ語テキストをしっかり歌えるツェッペンフェルトとアイヒの二人が絶賛されていたが、最初から主役の二人の歌唱を考えれば二流以下であった。それでもバイロイトデビューのマイスターは何とかものにしようとしていたようだ。
上のアイヒにしてもミュンヘンのような大きな劇場では声が通らないと準主役を歌ってもあまり評価されない。しかしバイロイトの小ぶりで奈落の屋根が被っているような劇場では正しいドイツ語のアーティキュレションが活きる。逆にバイロイトで言葉が分からないような歌手はドイツでは三流の小屋にしか出られない。成程管弦楽団は寄せ集めながらいい指揮者がしっかり練習をつけていれば、可也の実力を示すので一流劇場程度の力を示す。そこで今回は急遽駆け付けた指揮者が何とかそれに乗っかった感じで切り抜けた。嘗て日本の大植が振って、その前奏曲から聴衆を凍えさせたが、今回はそのような事はなかったのだが、程度は三流小屋程度の指揮だった。
前座番組には、今回話題になった痴漢行為の対象となりえた歌手のペトラ・ランクが出てきて話していたが、雰囲気からすると指揮者ティーレマンから何か被害に遭ったような印象はなかった。またこの件が何回もTV報道などに出ているのを観ていて事情が見えてきた。
実はもう一つの問題が隠されていて、まさしく問題となった練習において、ナチとの関係があったバイロイトでは「指導者」を「守護者」とそのヒトラーを表す言葉が書き換えらて上演されているのだが、オリジナル通りにフューラーで歌われていたという事実が報道された。これでカタリーナ・ヴァ―クナーが護身を考えても問題となるPEGIDAのティーレマンを切ってしまおうと思ったのだろう。だから自分が胸を触られたと貴重な証言をしたことになる。特に自身も亡くなった父親を継承するために腹違いの姉とツもの界などで人気のあったティーレマンを初代音楽監督として迎えたのだった。そしてそれらの立場が自身の権力構造の中で邪魔になると先ずは姉を追放したのが2015年。そして昨年から小致死に賭けて音楽監督を事実上解任。更に政治的にもバイロイトの祝祭劇場から排除するために今回のような形になった。コロナ故に音楽家など関係者には事件を重大視した連邦担当大臣など政治家面々を迎えてはならないとお達しも出したのだった。
参照;
立ち眩みでメガネ屋へと 2022-07-17 | 生活
バイロイトからストリミング 2021-05-27 | 文化一般
「トリスタン」自体は、ショルツ首相も来ないことから前首相のメルケル夫妻などが招待客として招かれていたが、少なくとも音楽面では可也程度が低かった。歌手陣は批評などでもドイツ語テキストをしっかり歌えるツェッペンフェルトとアイヒの二人が絶賛されていたが、最初から主役の二人の歌唱を考えれば二流以下であった。それでもバイロイトデビューのマイスターは何とかものにしようとしていたようだ。
上のアイヒにしてもミュンヘンのような大きな劇場では声が通らないと準主役を歌ってもあまり評価されない。しかしバイロイトの小ぶりで奈落の屋根が被っているような劇場では正しいドイツ語のアーティキュレションが活きる。逆にバイロイトで言葉が分からないような歌手はドイツでは三流の小屋にしか出られない。成程管弦楽団は寄せ集めながらいい指揮者がしっかり練習をつけていれば、可也の実力を示すので一流劇場程度の力を示す。そこで今回は急遽駆け付けた指揮者が何とかそれに乗っかった感じで切り抜けた。嘗て日本の大植が振って、その前奏曲から聴衆を凍えさせたが、今回はそのような事はなかったのだが、程度は三流小屋程度の指揮だった。
前座番組には、今回話題になった痴漢行為の対象となりえた歌手のペトラ・ランクが出てきて話していたが、雰囲気からすると指揮者ティーレマンから何か被害に遭ったような印象はなかった。またこの件が何回もTV報道などに出ているのを観ていて事情が見えてきた。
実はもう一つの問題が隠されていて、まさしく問題となった練習において、ナチとの関係があったバイロイトでは「指導者」を「守護者」とそのヒトラーを表す言葉が書き換えらて上演されているのだが、オリジナル通りにフューラーで歌われていたという事実が報道された。これでカタリーナ・ヴァ―クナーが護身を考えても問題となるPEGIDAのティーレマンを切ってしまおうと思ったのだろう。だから自分が胸を触られたと貴重な証言をしたことになる。特に自身も亡くなった父親を継承するために腹違いの姉とツもの界などで人気のあったティーレマンを初代音楽監督として迎えたのだった。そしてそれらの立場が自身の権力構造の中で邪魔になると先ずは姉を追放したのが2015年。そして昨年から小致死に賭けて音楽監督を事実上解任。更に政治的にもバイロイトの祝祭劇場から排除するために今回のような形になった。コロナ故に音楽家など関係者には事件を重大視した連邦担当大臣など政治家面々を迎えてはならないとお達しも出したのだった。
参照;
立ち眩みでメガネ屋へと 2022-07-17 | 生活
バイロイトからストリミング 2021-05-27 | 文化一般