Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

バービーと広島のミーム

2023-08-08 | 文化一般
「バービーとオッペンハイム」映画におけるミームが話題となっていた。8月3日のフランクフルターアルゲマイネ新聞文化欄のメディア批評に、日本でのこの件における反応とワーナーブラザーズの謝罪等が報じられていた。直接はあまり関係ないので記事を除けておいた。

SNSをみると広島への原爆投下記念日としてバーンスタインの広島記念コンサートの記事が呟かれていた。レナードバーンスタイントと称するアカウントで何らかのオフィシャルなものだと思われるが、そこに小澤征爾が一緒に写った写真が掲載されていた。

1985年8月6日に現地でそれを体験した者として、この写真に違和感を感じたので、小澤はこの企画に関係しておらず、指揮は大江が一曲初演したことを書いておいた。どうも寄せられた情報によると小澤がその時にバーンスタインと一緒に撮影したことは事実のようで、その事情は書籍に詳しく書かれているとされる。

そこで、今回のワーナー社が行ったバービーちゃんの背後のキノコ雲という話題を読むと、このバーンスタインによる企画とその各々の反響には共通点があると感じた。一つには、ミームという言葉で以って伝達されるものが更に伝わっていくことにある。

上の写真はフェークとして修正されるべきものかどうかは、「ピースコンサート」とはされずにその「記念式典」でとあるので、その背後事情などを調べてもう一度当時の批判やそのイヴェントの意味を再評価することでしか下せないが、写真とピースコンサートと同一視する事での誤解は避けなければいけない。

半世紀とか一世紀にも満たない事象においても風化が進むと同時にやはり文化的に伝えられるミームが存在するということになる。そこにおける歪曲化などが、旧約聖書やそしてユダヤ資本における神話化によって為されるという現象も事実であり、それを陰謀として取り扱うのが陰謀論といわれるものなのである。

ユダヤ教におけるそれが一神教の中においても、仏教などの過去の大宗教をも包み込むそうした絶大な創世を生み出す大きな潜在力を持ち得ているからこその現象でもある。

この二月から今年は旧教的な視野の中で「影の無い女」から「アシジの聖フランシスコ」と音楽文化を扱って半年経過していて、個人的にはセックスチャットなどもその範疇に綺麗に収まっている。この秋には「メデューサの筏」などを挟むことになるのだが、オラトリウムとしてのシェ―ンベルク作曲「ヤコブの梯子」へと旧約聖書の世界に再び踏み入ることになる予定である。

2025年復活祭に「モーゼとアロン」の上演を期待するとして、先ずは夏のツアーで演奏されるシェーンベルク作曲「管弦楽の為の変奏曲」の二回の演奏会の準備をしっかりしておきたい。



参照:
ワイン街道浮世床-ミーム談義 2005-05-25 | 文化一般
伝達される文化の本質 2018-01-23 | 文化一般
コメント
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