残り二週間程になった。準備を進めて行くしかない。レーガー作曲「モーツァルトの主題による変奏曲」が、なぜ初日に収まったのかはまだ変奏曲とぐらいしかよく分からない。お勉強してからだから早い方がいい。
シェ―ンベルクの方は、大変コムパクトに出来上がっている曲なので、どこまで細かなアナリーゼに入れるかどうかだけの問題で、寧ろどこまで聴きとれる演奏となるかどうかでしかない。余裕を以て演奏できれば名曲であるのでとても魅了されると思う。
すると心配になってくるのは、ヴァルナ―・ヘンツェ「メデューサの筏」である。ヘンツェの作曲技法とかへの興味のあり方と、ここでは重要になる劇音楽作曲家としての面が未だ繋がっていないからだ。楽譜もざっと見れるものがないので、先ずは「午後の曳航」の復習からと考えるとなかなか進まない。
演出家のトビアス・クラッツァーの話しでは現代の問題として、18世紀のジェリコーの絵画で有名な海の遭難とカニヴァリズムの話しが描かれるらしい。その肉片の絵が有名らしいが、あまり細部には記憶がない。
Auftaktpremiere 23/34 | Das Floß der Medusa | Teaser | Komische Oper Berlin
もう一つは、初演しようとして1968年の市民革命時にチェゲヴァラのポートレートの使用を禁止されたとして、市民が流れ込んで公演がならなかったという現代史がそこにどう影響するのか。
最終的にはやはりヘンツェの作風やその創作活動に帰着することになる。やはり一にも二にもその作風を自分なりに把握して仕舞わないと作品に進めない。恐らくそろそろベルリンでは稽古が始まっている筈だが、未だ夏休み中で劇場の広報は動いていない筈で、何かを期待できない。
こうして受け身側としてもお勉強の課題は山済みなのだが、こうしたプロジェクトを数年かけて、他の制作と並行して仕事をしていくのが、演出家やそしてその第一人者のエンゲルらの仕事なのである。
先の「アシジの聖フランシスコ」のアンナゾフィー・マーラーのラディオ文化波でのインタヴューを流して聞いたが、やはり様々な面へと関心が広がっている。父親が有名な精神医師なので、後妻さんの年寄りの子供として生まれて、親の希望のカッセル近郊の自然の中で育っている。だから子供の時から水の生き物と動物無しにはいなかったされる。
そして重要なのはチューリッヒに移り住んでから、セックスワーカーと付き合って信頼感を得るようになってドキュメンタリーを作ったということである。成程女性運動としては売春などがその社会主義的な運動の原点にあったとされるのだが、流石に彼女の場合は年代も違う1979年生まれでそうした影響は限定的であろう。
お分かりの様に、その件は全く知らなかったが、私が2月から扱ってきたことがそのもの演出の成果となっているのである。もしこれを偶然と思う様ではこうした高度な音楽劇場などのその文化的な背景は理解できない。まさしく指揮者エンゲルが語る、チューリッヒで哲学も学んだからこそこういう人たちと仕事が出来るという意味である。
参照:
Die Regisseurin Anna-Sophie Mahler, Martina Seeber, SWR2 vom 3.7.2023
プログラムを紐解く為に 2023-08-06 | 文化一般
布団生地に惚れてしまう 2023-08-14 | 女
シェ―ンベルクの方は、大変コムパクトに出来上がっている曲なので、どこまで細かなアナリーゼに入れるかどうかだけの問題で、寧ろどこまで聴きとれる演奏となるかどうかでしかない。余裕を以て演奏できれば名曲であるのでとても魅了されると思う。
すると心配になってくるのは、ヴァルナ―・ヘンツェ「メデューサの筏」である。ヘンツェの作曲技法とかへの興味のあり方と、ここでは重要になる劇音楽作曲家としての面が未だ繋がっていないからだ。楽譜もざっと見れるものがないので、先ずは「午後の曳航」の復習からと考えるとなかなか進まない。
演出家のトビアス・クラッツァーの話しでは現代の問題として、18世紀のジェリコーの絵画で有名な海の遭難とカニヴァリズムの話しが描かれるらしい。その肉片の絵が有名らしいが、あまり細部には記憶がない。
Auftaktpremiere 23/34 | Das Floß der Medusa | Teaser | Komische Oper Berlin
もう一つは、初演しようとして1968年の市民革命時にチェゲヴァラのポートレートの使用を禁止されたとして、市民が流れ込んで公演がならなかったという現代史がそこにどう影響するのか。
最終的にはやはりヘンツェの作風やその創作活動に帰着することになる。やはり一にも二にもその作風を自分なりに把握して仕舞わないと作品に進めない。恐らくそろそろベルリンでは稽古が始まっている筈だが、未だ夏休み中で劇場の広報は動いていない筈で、何かを期待できない。
こうして受け身側としてもお勉強の課題は山済みなのだが、こうしたプロジェクトを数年かけて、他の制作と並行して仕事をしていくのが、演出家やそしてその第一人者のエンゲルらの仕事なのである。
先の「アシジの聖フランシスコ」のアンナゾフィー・マーラーのラディオ文化波でのインタヴューを流して聞いたが、やはり様々な面へと関心が広がっている。父親が有名な精神医師なので、後妻さんの年寄りの子供として生まれて、親の希望のカッセル近郊の自然の中で育っている。だから子供の時から水の生き物と動物無しにはいなかったされる。
そして重要なのはチューリッヒに移り住んでから、セックスワーカーと付き合って信頼感を得るようになってドキュメンタリーを作ったということである。成程女性運動としては売春などがその社会主義的な運動の原点にあったとされるのだが、流石に彼女の場合は年代も違う1979年生まれでそうした影響は限定的であろう。
お分かりの様に、その件は全く知らなかったが、私が2月から扱ってきたことがそのもの演出の成果となっているのである。もしこれを偶然と思う様ではこうした高度な音楽劇場などのその文化的な背景は理解できない。まさしく指揮者エンゲルが語る、チューリッヒで哲学も学んだからこそこういう人たちと仕事が出来るという意味である。
参照:
Die Regisseurin Anna-Sophie Mahler, Martina Seeber, SWR2 vom 3.7.2023
プログラムを紐解く為に 2023-08-06 | 文化一般
布団生地に惚れてしまう 2023-08-14 | 女