Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

アルツハイマーになる人

2023-08-25 | 雑感
英国の指揮者が乱暴したりのボケが話題になっている。昨年かも日本人絡みで何かあったようだが全く関心がないので追っていない。なぜならばそうなることは二十年ほど前から、我々のフランクのバッハの会でして知っていたからだ。しかし当時は総会にも出かけておらずただ定期会員で音楽を聴いていただけである。

それでも、一昨年かのピアニストのシフの失態もなにもかも同じように10年以上前から分かっていた。これらに共通しているのはとても一面的なことしか芸術においてさえ興味がなくなっているその態度である。要するにアルツハイマー症とか脳が働かなくなっている。

特にピアニストの場合はまだ20歳代から生で聴いていて、とても賢く知能の高い人だと思っていたから、とても残念に思い、指揮者に関してはバロック団体を振っていた時の名演が録音等でも未だに耳から離れない。なるほどフランクフルトでもバッハの指揮で招聘されるほど、その意味ではスズキのバッハなどとは違った。しかしハムブルクなどで活躍するようになってお手本はフルトヴェングラーだとか語る様になって、その程度が疑われたのだが、実際に会員で出かけた演奏会を通して考え方やそこでやっていることがよく分かった。過去の文章でドグマと認定している。

芸事でも何でも突き詰めれば突き詰めるほど違う風景が見えて来てそうした過去の何かが目標となることなんてないと思われるのだが、少なくとも口に出すのも憚られると思うのだが、思い込み激しく脳の制御が効かなくなると老人性の拘りが表に出てくる。

確かに職人的なそういうものは馬鹿でないと出来ない所もあるのだが、その世界観が広がらないとすると、これは若い時からの職業的な特性でもあるとも言えなくはない。ハイデルベルクの学者がアルツハイマー性の疾患は十代から二十代までのその在り方で決まると言う結論を出していたのだが、自らのその頃の脳の働かせ方なども鑑み、何も他人ごとではない。

特に上の指揮者の場合は、その後フランクフルトで独自の団体でブラームスの交響曲ツィクルスをやって売れ残りの情報がラディオで流れたので出かけたことがある。バッハへと同様な拘りは甚だしかった。そして昨年同じようなシュタインバッハ版の演奏を聴くためにお勉強に彼らの録音を聴いた。それは実演と異なってしなやかさも細やかさもあって決して悪くはなかった。

その差異が技術的なものにあるのか、それとも録音プロデューサーのコンセプトと指示が効いていたのかはよく分からない。しかしその差が老人の脳の疾患と同じぐらいに大きいのである。

後を歩むサイモン・ラトルにおいても来月にミュンヘンで正式に就任演奏会が行われ中継される。そこでチェコの正統的な指揮者クーベリックとかを再び語りだしたら要注意である。なぜならば、ロンドンに都落ちしてからとても雑で辛抱が出来ないような仕事をし続けていたからである。そして独墺音楽にも拘って国籍迄修得すると言い出した。その次は奥さんと同じチェコ人にでもなるつもりだろうか。とても危ない。



参照:
個性が塗り潰された音響 2008-10-03 | 音
ブラームスの弟子筋 2022-07-31 | 文化一般
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