紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

北のみやび・小樽雛めぐり始まる~その1

2014-03-01 06:00:00 | 祭り・イベント


小樽市内の45の参加店・施設に、江戸末期から明治、昭和の様々な雛人形や北海道独特の木札の「百人一首」などが展示されています。2月の22日(土曜)から3月9日(日曜)まで、雛めぐりが開催されます。この間五人囃子が持つ篠笛の演奏会や能楽、琴、三味線の演奏会なども予定されています。また北海道ならではの、下の句の木札の百人一首のかるた大会も予定されています。詳細については「北のみやび・小樽雛めぐり2014」パンフレットを参照してください。

ついでなので、ひな祭りの歴史的なことを、例によってウィキペディアで調べてみました。それによると、平安時代にすでに貴族の子弟の間で雛遊びがあったそうです。そのご上巳(じょうみ=3月上旬の巳の日)の節句に、汚れをはらうものとして雛人形がかざれれました。江戸時代に入って、正式に五節句の一つとして指定され、雛遊びと雛飾りが合体して全国的に広まりました。詳細については「雛飾りの歴史~Wikipedia」参照のこと。

さて、2月の24日と25日に雛めぐり参加店・施設を数カ所回ってみました。なお、雛壇には今年から百人一首・北海道かるたの木札が添えられています。内地の場合は読み札、取り札とも紙製で、上の句を読んで下の句を取ります。取り札は、すべて濁点のない平仮名で書かれています北海道のかるたは様相がだいぶ異なります。読み札は紙製で上の句+下の句が記載(内地と同じ)されてますが、読むのは下の句のみです。取り札は、木製で変体仮名・漢字の崩し字で下の句のみが書かれています。当然取る時に木札がはじかれ、他の札まで飛び散ります。その豪快さがいいのかもしれません。


(1) JR南小樽駅とJR小樽駅

両駅ともに従来から雛めぐりに参加しています。JR南小樽駅の場合、去年まではホームに行く途中の階段の段差を利用して飾り付けが行われていましたが、今年は改札近くのスペースに7段飾りに組み立てられました。


去年までは右下の段差に飾られていました。中央の木札に書かれている句は、
「(秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ) 我が衣手は 露にぬれつつ」 天智天皇


JR小樽駅の改札前広場に、左右二組づつ、前後一組づつ飾られました。


百人一首の木札のかるたも置かれています。中央左の3枚の木札は、次の通りです。
「(わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと) 人には告げよ 海人の釣り舟」 参議篁
「(あしびきの やまどりの尾の しだり尾の) ながながし夜を ひとりかも寝む」 柿本人麻呂
「(筑波嶺の 嶺より落つる 男女川) 恋ぞつもりて 淵となりぬる」 陽成院


白髪爺さんにヒゲが…、よくよく見ると紐でした。それにしてもおかしい…

もっと近づいてよくよく見ると…。実は、この爺さん槍か弓を持っているはずなんですが…後ろの五人囃子に至っては、笛も堤も持っておりません。これらの雛人形はすべて寄贈されたものですので、付属する小物が途中で紛失したのかもしれません。あるいは飾り付けるときに、担当者が省いたのか…わかりません。


(2) JR小樽駅売店コーナーの駅なかマートタルシェ

JR小樽駅には、かつてのキヨスクに代わって日用雑貨や小樽特産品、あるいは飲食関係の店が数店改札横に並んでいます。そのうちの「駅なかマートタルシェ」と「カフェ可否茶館」の二カ所に飾られています。カフェ可否茶館については、飲食中のお客が多く撮影は邪魔になりそうなので、遠慮しました。


通る方々も注目しています。


御殿飾りのお雛様でした。二枚の百人一首が飾られていました。
「(あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は)龍田の川の 錦なりけり」 能因法師
「(難波潟 みじかき蘆の ふしの間も) あはでこの世を 過ぐしてよとや」 伊勢


(3) 小樽運河ターミナル

旧三菱銀行小樽支店として、大正11年に建築されたギリシャローマ風の石造りの建物は、現在中央バスのターミナルとして使われています。商業施設が併設され、喫茶コーナーもあります。


左奥に雛壇が見えますが、正面の桑田屋の「ぱんじゅう」が有名です。読んで字のごとく饅頭+パンです。ぱんじゅうの元祖は、都通にある西川(小樽美味しいものあれこれ、参照のこと)ですが…


市民から寄贈された3組の雛壇が飾られています。


(4) 小樽博物館・運河館

小樽博物館は、旧JR手宮駅跡地に建てられた交通記念館が小樽市内いくつかの施設と統合して「小樽市総合博物館(本館)」に衣替えしました。そのためもともと色内町の運河側にあった博物館は、小樽博物館・運河館と改称されました。雛人形はこちらの運河館に展示されています。小樽の旧海産物商家から寄贈されたものです。


旧岡崎家の雛遊び(ひいな遊びともいう)のお雛様たち。


大正・昭和期の豪商から寄贈された雛人形。


ひな祭りとは関係ないですが…一番奥のコーナーで見つけました。懐かしい光景です。大河内伝次郎が主演の映画…。私が商大に通っていた頃(S37-41年)には、ポスターにある電気館と言う映画館がまだあり、学校帰りに時々寄ったものでした。


(5) 運河プラザ

正式には小樽市観光物産館のことで、小樽の観光情報のセンターです。ここにも毎年この時期市民から寄贈された雛壇が飾られます。今年は例年と違って、中央に小樽ゆき物語で使われたグラスタワーがそびえたっていて、良いアクセントとなっています。


グラスタワーに豆電球は施されていて、時々点灯しているのですが、日中ですとわかりにくいですね。


こちらの札は「(わたの原 漕ぎ出でてみれば ひさかたの)雲ゐにまがふ 沖つ白波」 藤原忠通

運河プラザでは、2月22日(土曜)に小樽雛めぐりの開会式が行われました。また3月1日(土曜)には山口流笛の会の篠笛演奏会が予定されています。また3月8日(土曜)には雛めぐり茶席が、9日(日曜)には、能楽関係のものづくりや謠と舞なども予定されています。


(6) 北一硝子ランプホール

北一硝子の販売コーナーは、全面撮影禁止となっていますが、ここランプホールの軽食喫茶コーナーは撮影が可能です。暗い室内のテーブルには昔懐かしいランプが輝き、周囲にはランプのほかイルミネーションが施されていて、とても幻想的な作りとなっています。


幻想的な雰囲気の中で飲む一杯のコーヒーは、また格別な味がします。


右端のコーナーに雛壇がライトアップされていますが…、周囲と明暗差が大きくて白飛びしました。こういう時にHDRが…あれれHDR機能付きコンデジを忘れてきた。


再度、マイナス補正して白飛びを抑えましたが、下からのライトアップで、心霊写真のようになってしまいました。今回の木札は、
「(忘れじの 行く末までは 難ければ) けふを限りの 命ともがな」 儀同三司母


(7) 追加のカット

過日札幌に買い物に出た折、駅前地下遊歩道の一角で見つけました。ディズニーの雛飾りですので、キャラクターに肖像権があって、戸惑っていると、販売員の方が自由に撮影していいですよとのこと。数カットパシャリ。よくよく見ると、記念撮影用のコーナーでした。ここは幼児向けの英語教材の販売コーナーでした。


ミッキーとミニーの雛壇です。子供が喜びそうですね。


なお次回その2では、朝里「狸庵」のつるし雛、田中酒造「亀甲蔵」の数十組の雛壇と琴の演奏会、中山美穂主演映画「Love Letter」で使われた「クラフトショップ・レン」の雛壇等を紹介します。


コメント (2)
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