紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

十勝川の樹氷&ジュエリーアイスを撮る

2020-12-25 09:52:05 | 写真

                      <豊頃町大津海岸のジュエリーアイス こんな宝石が浜辺に…>

 

樹氷シリーズも今回で、3回目になります。十勝管内には日本国内極寒の地、陸別町があります(自称全国一寒い町と称していますが…)。帯広市内でも、夏は30度越え、冬はマイナス30度以下になることも珍しくありません。なんと寒暖差は、60度にも及びます。当然冬は樹氷やダイヤモンドダストを、目にすることが多々あります。

なお、公式記録では日本最低気温は、幌加内町朱鞠内湖の母子(もしり)地区で観測された-41.2度ですが、十勝の陸別町は-37度前後と言われています。余談ですが、陸別町では、凍れ体感フェスティバルなるイベントがあって、一晩かまくらの中で過ごすというものです。

さて、十勝平野のど真ん中を流れる十勝川流域は、前回の釧路川流域同様、樹氷やダイヤモンドダスト発生のメッカでもあります。

 

☆十勝川流域の樹氷(2012.2.19撮影)

 


帯広市と音更町を結ぶ「十勝大橋」です。気嵐が立っているのが見えますね。また上流(画面左)から下流に向けて、氷塊が流れています。この氷塊が…豊頃町の大津海岸にたどり着いて、ぶつかり合って、砂浜に打ち上げられると、いわゆる「ジュエリーアイス」になります。

 


橋から50mほど下流に、倒木が凍り付いて身動きできなくなっていました。周辺は相変わらず気嵐が立ち、氷塊が流れています。シャッタースピードを、遅めにして流れを強調しています(S=1/8 F=22 ISO=100 WB=オート)。

 


川辺の手前の林は、ご覧の通り、樹氷がびっしり。

 


樹氷には青空が似合いますね。左下に赤文字の看板(雪捨て場云々の注意文です)が写り込んでしまった。

 


バックが青空だと、なお一層樹氷が映えます。

 


見渡す限り四方八方樹氷だらけ。

 


樹氷は木ばかりじゃありません。付近の雑草だって、見事なものです。(多少青を強めに調整)

 


雑草についた雪の結晶。

 

☆十勝大橋を渡って北上し、音更町、然別湖、糠平湖へ(2012.2.13および2.20撮影)

 


音更町の家畜改良センターでは、冬期間妊娠馬の運動不足解消のため、1周800mほどの馬場で追い運動がされている。1トン近い大型馬が、地響きをたたて走るさまは、豪快の一言。平日の月曜日は、馬が走りたくて、猛烈な勢いで走るものの、金曜日になるとだらけ切ってしまうとのことでした。ああ、樹氷とは関係ない話ですね。

 


然別湖では、冬期間「コタン祭り」が行われます。氷点下十数度になるなか、露天風呂でポーズをとってくれたおじさんに感謝。この露天風呂、凍った湖の上にスチール釜を設置して作られています。熱で底の氷が抜けるんじゃないかって?大丈夫、氷の厚さは1mほどありますから。

 


雪や氷でできた建物があちこちにあります。ここのアイスバーで、一杯吞みたかったのですが、車でしたので…

 


糠平湖は人造湖です。遠方の橋は、有名な「タウシュベツ陸橋」で、冬期間は湖面が凍結するので、近くにまで寄ることができます。手前のカメラマン3名は写友で、「キノコ氷」を撮影中です。この湖では、冬期間も発電のため放流しています。夏と違い湖に入る川が凍結し、放流すればするほど、水位が下がります。湖の表面の氷が下がれば、元々あった立ち木にぶつかり、木の株に氷が残ります。それがキノコ氷と呼ばれるわけです。

 


水位が下がって、湖底の段差にぶつかって湖面の氷が割れると…その断面の写真がこれです。実に不思議、気泡があちこちに出ています。なぜこのような気泡模様ができるのか?わかりません。
この画像は、H26年小樽写真市展第2部で特選となりました。題名「閉じ込められた気泡」

 

☆さて今度は十勝川の下流、豊頃町の大津海岸を目指します。(2018.1.22撮影)
前日深夜に自宅を出発、高速道で帯広を目指すも、出口を見失い、さらに豊頃町で方向を見誤るという失態。現地の大津海岸に到着したのが、午前7時40分。陽はすっかり上がってしまっていた。

 


慌てて海岸線に出ると、気嵐の中漁船が1艘停泊中。海岸には氷塊が数個打ち上げられている。

 


海岸には結構な数のカメラマンが、打ち上げられた氷塊を見定めている最中。

 


砂にまみれた氷塊。とてもジュエリーとは呼べないものの、何だ、この丸い穴は?

 


近くにあった氷塊を波打ち際に立ててみると、もう少し近づいて太陽にかざせば…

 


これぞ、まさしくジュエリーアイスだ。この画像も「オリンパス・美しい四季の風景写真」冬の部・最優秀賞「冬の浜辺に輝くジュエリーアイス」となりました。

 


あちこちで、カメラマンたちが、美しい氷塊を探しているのだ。

 


探しているうちに陽はかなり高くなって青空が濃くなってきた。それはそれで、美しいジュエリーが撮れる。この浜辺に着いてから約30分ほど経過、寒くて我慢の限界だ。まだまだ撮りたいけれど、一旦駐車場に戻ることにしました。

 


最後の画像は、波打ち際を撮影したものですが、一見何の変哲もないように見えます。左側のサメの頭部に見えるのは砂をかぶった氷塊です。実は気温が低すぎて、焦げ茶色の部分の砂浜は、凍っているのです。通常塩分を含んだ海水なので、凍らないはずですが、潮が引くと、たちまち凍って硬くなります。不思議です。

 

☆十勝川流域のダイヤモンドダスト

 


大津海岸で撮影後、帰路に就く途中で、雪原にキツネの足跡を見つけました。撮影していると、あれれ、きらきら光るものが流れてくる。キツネの足跡どころじゃない。

 


雪原一面にダイヤモンドダストだ!静かに静かに、左から右に流れているのだ。

 

さて、次回は、ネタ切れかな?