風鈴、団扇、花火、スイカ、キリギリス、ブタの蚊取り線香・・・
こう書いただけでも、子供の頃の夏を思い出しますね。
30年程前には、夏には何処の家にもあったと思います。
キリギリス???とお思いでしょうが、
八百屋で売ったりしていました。
日本人は元来「暑さを楽しむ」天才です。
そんな訳で、本日は「夏を涼しく過ごすコツ・・下町編」です。
2年前の夏、子供の夏休みの自由研究で
下町に「夏を涼しく過ごすコツ」を探しに行きました。
行き先は、東京「谷中」。
千代田線を「根津」で降り、大通りから一歩入ればそこは下町。
狭い路地に、植木を沢山置いて、窓や玄関は開けっ放し。
植木に水をやれば、もう涼しい風が吹いてきます。
折りしも夏祭りの最中で、
子供神輿がのんびりと練り歩いていました。
何故「谷中」かと言うと、目的は「幽霊画」。
谷中の「全生庵」は三遊亭円朝が収集した
「幽霊画」のコレクションで有名なお寺です。
そして8月1日から31日まで、「虫干し」を兼ねて、
幽霊画を公開しています。
幽霊画は、江戸時代には結構人気があり、
歌舞伎の演目などを題材に、著名な絵描き達が、
いくつもの名作?を残しています。
どうです、少しヒンヤリ~してきましたか?
ひゅ~~どろどろ~~・・・。
さて、谷中といえば「谷中墓地」。
こちらも、ひんやりスポットとしてはお勧め。
木々も多く、土の地面ですし、なんせお墓ですから・・・。
ボランティアのお爺さん達が何人かいらして、
著名人のお墓をガイドしてくれます。
篤姫でもお馴染み、徳川15代将軍の墓です。
コレは紀州徳川家だったか・・・?
徳川家の墓は随分と荒れていて、
ちょっと意外な感じを受けます。
明治政府が徳川家をどう扱っていたかが、
ちょっとうかがい知れるあり様です。
個人の墓なので、仕方がないのかも知れませんが、
都や国で、もう少し整備すれば、観光スポットにもなりますし、
何よりも、歴史はもう少し大事にされても良いのではと、
ちょっと「冷たい」んじゃないかぁ!!
谷中墓地を過ぎれば、直ぐに「谷中銀座」に着きます。
東京の商店街が衰退する中で、ここは大健闘。
オバサン、オジサンで溢れています。
こんな建物も発見。
ヨシズにスダレ。
まさに、天然素材でエコロジー。
古くなって燃やしても、カーボン・ニュートラル。
谷中銀座は結構短い商店街で、
あっと言う間に終わってしまいます。
そこで、「谷中墓地」方面へ戻って、
寛永寺方面に行くのも楽しいです。
そこから、上野公園へ行って、
博物館で涼むも良し。
私のお気に入りは、国立博物館の「東洋館」です。
なんといっても、ここはいつも空いています。
ありがたーい仏様に沢山お会いできて、
現世の汚れを洗い流せます。
私の下町定番コースは、
昔、職場のあった「鶯谷」を散策します。
ここも戦争で燃え残った場所なので、
狭い路地が入り組んだ街です。
バブルで地上げされて、空き地が目立つのが寂しい限りです。
根岸小学校裏の「グリルビクトリア」は、
家族のお気に入りの洋食家です。
現在のシェフは2代目、
「新宿PIT IN」で修行していたので、
店内はJAZZが流れています。
ハンバーグがお勧めですが、生姜焼きも美味。
さて、食事が済んだら、
くねくね曲がった路地をネコの様に進むと、
「岡埜栄泉」の本店のビルが現れます。
毎朝、「こごめ大福」を満載した軽自動車が、
都内各地にここから出発していきます。
こごめ大福本店には、甘味喫茶もあって、
ここで一休み。
冷たいものを食べて、店を出る頃には、
下町には涼風が立っています。
この街の名前は「東日暮里」。
日暮れが似合う街です。
どうでしょう、
下町に「涼」を探しに行かれては?