金融危機の第二波は来るのか? ・・・・ 来るかもしれないし、来ないかもしれない
米国財政は破綻するのか? ・・・・ 破綻するかもしれないし、しないかもしれない
ドルは崩壊するのか? ・・・・ 崩壊するかもしれないし、しないかもしれない
日本の財政は破綻するのか? ・・・・ 破綻するかもしれないし、しないかもしれない
中国バブルは崩壊するのか? ・・・・ 崩壊するかもしれないし、しないかもしれない
・・・危機はいつも未来に存在します。
■ そんな事が起こる訳が無い ■
上に書かれたリスクは、時間軸を長く取れば、全て50%の確立で発生しうるリスクです。
しかし、人間はリスクを低く認識する習性があります。
これは生物に備わった本能とも言えます。
リスクを正確に認識すると、生物は生きていけません。
ネズミが巣穴を出ると、外的に捕食されるリスクが高まります。
多くのネズミがこうして、タカやフクロウやキツネの餌になります。
しかし、ネズミがリスクを正確に理解したら巣穴から出る事が出来ません。
巣穴に篭ったままのネズミを待ち受けるのは、餓死という新たなリスクです。
この様に、生物はリスクを実際よりも低く見積もる事で、生存を続けてきました。
「そんな事は起こるはずは無い」という思考は、人間の本能に支配されています。
■ 「そんな事」が起きたらどうするの? ■
アメリカのメガバンクが破綻すれば、世界の金融機関が破綻する。
オバマがある日突然、アメリカのデフォルトを宣言する。
イスラエルが突然イランを攻撃する。
日曜日の新聞に、預金封鎖の告知がされる。
・・・「そんな事は起こるはずが無い」と思っています。
銀行の破綻は突然やって来ます(リーマンは突然破綻しました)。
ニクソンは突然、ドルの金の兌換を停止しました。
日本軍は突然、真珠湾を攻撃しました。
戦後の日本の預金封鎖は、日曜日の新聞で突然告示されました。
「そんな事は起こるはず無い」から、起きた時の効果は絶大です。
過去の出来事が全てを物語っています。
■ 預金が危ない? ■
株やFXなどに手を出していないから大丈夫?
そんな事はありません。
銀行預金も、郵便貯金も、個人年金も、全てリスク資産です。
「ペイオフがあるから大丈夫!!」現在の預金保険機構の積立金では、メガバンク一行だけでも救う事は出来ません。
大きな危機が発生した時、人々は銀行や郵便局の窓口に殺到するでしょう。
しかし、日本の夜の間に、NYやロンドンで危機が発生したら、翌朝、シャッターを開ける銀行があるでしょうか?
■ 日本国債が危ない ■
明確な危機が表面化し、人々が預金を引き出し意思を示した時、日本国債は暴落します。
金利の上昇は、日本の財政を直撃します。
■ ローンは固定で、運用は流動で ■
資産運用の鉄則は、「ローンは固定で、運用は流動」です。
危機が表面化すれば、金利は上昇します。
住宅ローンの2.5%の金利が安く感じる時代がやってきます。
日本が財政破綻を回避する為には、大幅なインフレ政策が必要です。
固定金利で借りている住宅ローンの返済は、インフレで所得が上昇すれば、相対的に安くなります。
一方、賃貸住宅の家賃は、インフレに連動して上昇していきます。
■ 最大の流動性を確保 ■
普通預金はいつでも引き出せますから、ある程度の流動性を確保しています。
しかし、預金封鎖をされては、その流動性も無意味です。
最大の流動性は、「現金」です。
しかし、それとて、新券発行という政府の裏ワザを前には無力です。
■ だって、そんな危機は来ないかも知れないじゃない? ■
「だって、そんな危機は来ないかも知れないじゃない?」
家内に保険の解約や、定期の解約の話をすると、こう反論されます。
「その時は皆同じよ。戦後は皆貧しかったのよ」
実家は母は、老人はそんな難しい事は分からないと言います。
では、もし「危機」が訪れたらどうするの?
人間は来ないかもしれない危機よりも、目先の1%の金利が大事に思える生き物です。
確実に言える事は、誰もが資産保全を意識した時に、生き残れる金融機関は存在しないという事です。
その時は、銀行のシャッターは開く事はありません。
・・・皆さんはリスクヘッジをされているでしょうか?